106歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
それから何事もない日々が3ヶ月くらい続いた。
「平和ねー」
「何呑気な事言ってるの⁉︎アンタが1番狙われてるのよ!」
「そうですよ!クラリスさんはもう少し危機感を抱いて下さい!」
リーフとフロールに怒られるクラリス。今はこの3人で和の国の拠点にいた。
「明日にはダークさんとボタンさん、サクラさんが帰って来るんですよ。片付けてないと怒られちゃいますよ!」
3人は今妖精の里に行っている。1つは近況報告とその他の情報交換、2つ目はサクラの魔法開発。主にこちらがメインとなるだろう。ボタンは妖精の里がどんな所か知りたいという事で付いて行っている。
「ねぇ、やっぱりフロールがエール達に付いて行った方が良かったんじゃない?何買うか分からなくなってたりして……」
「大丈夫よ。もしクラリス、ウール、ニコラならそうなってたでしょうけど、エールがいるからね。しかもちゃんと2人を制御してくれるし。」
「今、私サラッと貶された?」
「貶してないわよ。真実を言っただけよ。」
「やっぱり貶してる!」
「はいはい。その辺で、クラリスさんは片付け、私とリーフさんはお昼の準備をしましょう。」
フロールに軽くあしらわれ渋々片付けをするクラリスでした。
その頃エール達はというと……
「ニコラ、ウール、何してるの?」
「ああ、これいいなーって。」
「うん、美味しそう。」
ニコラとウールが見てたのはお団子を作っている所だった。確かに美味しそうだ。
「うーん……しょうがないですね。買って行きましょう!」
「「やった!」」
ニコラとウールはハイタッチして喜ぶのだった。そうして拠点に戻るとお昼の準備が出来ていた。
「おかえりなさい、どうでしたか?」
「ええ、大体の物は買えました。あとこれはおやつです。」
「お団子ですね。お金足りました?」
「ええ、買えない物もありましたので、その分をこちらに。」
「そう。では、お昼にしましょう。クラリスさん片付け終わりましたか?」
クラリスの方を見るとフロールは一瞬固まって次の瞬間怒鳴るのでした。
「クラリスさん!何やってるんですか⁉︎」
そうそこには片付けもせず、本を読んでるクラリスがいたのだ。これは怒られてもしょうがない。
「あっ、ごめんごめん。探してた本があったからついね……」
「……クラリスさんは片付け終わるまでお昼はなしです!」
「えっ?嘘よね?」
「皆さん、クラリスさんは片付けが終わってないので先に頂きましょう。」
「えっ、本当にそんなことするの⁉︎ごめんって片付けするから!」
そこから大急ぎで片付けをしてしまうクラリスであった。
「うぅ……本当にお昼抜きになる所だった……」
「初めから片付けをしてくれればいいんですよ。」
まだ少し怒ってたフロールに対して目を合わせられないクラリスでした。
お昼を少し過ぎた頃、雲行きが怪しくなってきた。
「雨かな?」
「雨ですね。しかも本降りになりそうです。」
フロールは天気を操れる様になった為、空気の流れには敏感になったのだ。
「フロールがそう言うなら降るわね。みんな雨が降るから中に入って、火も中で起こしておきましょう。夜も降り続けるかもだから。」
そうしてクラリスの指示のもと雨対策をするのでした。それからしばらくしてポツポツと雨が降り始めた。
「降ってきましたね。」
「うん、早めに片付けて正解だったわね。」
「クラリス、フロール、こっちおいでよ。お団子食べよー」
リーフ達はすでにお団子を食べ始めていた。甘味の少ない国だからか、皆久しぶりの甘味を味わっていた。
「それでは頂きましょうか。」
「そうね。」
なのでクラリスもフロールもしっかりと甘味を味わうのだった。
雨が降り始めて止むのを待っているといつの間にか夜になっていた。
「結局夜まで降り続く事になりましたね。」
「そうね。みんな寒くない?」
「うん、寒くないわよ。」
「ワタシ達も大丈夫です。」
「私はニコラとエールに挟まってるから暑すぎるわ……」
少し熱くて不服そうなウールであるが、そのくらいしといた方が良いのだ。これからさらに寒くなるのだから。
するといきなりチャプチャプとこちらに向かってくる足音が聞こえた。
「何?敵?」
「敵にしては何も感じませんが……」
リーフとフロールが警戒態勢に入る。そしてもちろんニコラとウールもだ。しかしこの気配にクラリスとエールは記憶がある。
「ここに居たのか、クラリス殿。」
「あなたでしたか、オオクニヌシ様。」
そう雨の中現れたのはオオクニヌシだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は4月17日日曜日の午後15時です。お楽しみに
宜しければブックマークと評価、またはいいねをよろしくお願いします!




