104歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
その日の夕方、クラリス達はウールとニコラのいるテント地に戻ってきていた。
「「遅い!」」
「「ごめんなさい!」」
ウールとニコラに怒られてるのはリーフとフロールである。
「せめて一言連絡してよ!」
「そうよ!私たち心配してたのよ!」
「だからごめんってばー!」
「バタバタしてたんですよ。そしたらクラリスさん達も居たからそのまま成り行きで……」
リーフとフロールが2人に言い訳してる中、クラリス達はチヨの家で頂いたお茶を淹れて飲んでいた。
「ふぅー、いいのー……ようやく落ち着けたのー」
「そうねー。なんかホッとするねー」
お茶を飲んでるクラリスとダークとエールとボタンその中でポツンと立っていたサクラ……
「あの、私まだあちらのお2人に挨拶してないんだけど?」
「いいよ、リーフとフロールへのお説教が終わった後でね。」
お茶を飲みながらクラリスはなんともだらけた様子で答えた。
「それならいいけど……私は何をしてたら?」
「良いわよ。私達とお茶してましょう。」
「……クラリスって、本当にムラがありますね。」
そう言ってサクラはエールの横に座ってお茶を飲むのだった。
「それにしても、もう秋なのに桜が咲いてるって不思議だね。」
「「えっ?」」
クラリスとエールはサクラの言葉に驚いた。
「えっ?あの木の花って今の時期じゃないの?」
「ええ、桜は春の花ですよ。なのでこの時期に満開なんて凄く驚いてます。」
「な、なんでそんなことに……」
そして4人はハッとなってダークの方を見た。
「なんじゃお主達。」
「ダークがあの木に何か細工したの?」
「今更か、しておるぞ。」
「「「「やっぱり!」」」」
3人の考えは一緒の様だった。
「ここは妖精の里の出入り口じゃ、その目印が必要だったんじゃ。だからあの桜には魔力を流し続けておる。」
「そんな事して大丈夫なの?」
「無論じゃ、あのサクラが見えるのは何かしら力があるものだけじゃ。サクラは不老不死、ボタンは神力、わっちらは魔力。何も力のない者には何も見えん。ただの桜の木じゃ。」
理屈を聞いてクラリス達は安心するのだった。
そうしてお茶を飲んだ後、リーフ達への説教も終わった頃には日が沈みかけて西の空はオレンジになっていた。
「ええ、という事で、新しく仲間になりましたサクラさんです。みんなよろしく。」
「ええっと、サクラです。よろしくお願いします。」
「よろしくー!」
「よろしくお願いします!」
ニコラとウールが挨拶しに来て握手をする。
「ウールは妖精なの?」
「そうよ!まだ精霊だけどね。」
「えっ?何か違うの?」
「大人か子供かってだけよ。もうすぐ妖精になるわ。」
「そうなんだ。どんな魔法を使うの?」
「風魔法と闇魔法よ。師匠はダークよ。」
「えっ、そうなの?」
「そうよ!かなりハードな修行だっ……」
話してる途中にダークに小突かれて言葉を切られた。
「ダークさんじゃろ?口の利き方からもう一度躾直さなければならんかの?」
「ごめんなさい!お許しください!」
(躾じゃなくて調教かも……)
などと考えていると……
「ほほう……サクラ貴様も躾が必要かの?」
「ごめんなさい!」
ダークの心眼を忘れていたサクラにも火の粉が飛ぶのでした。
ウールはダークに連れて行かれたのでニコラと話すサクラ。
「ウールの妹なんだ。それじゃあウールもドラゴンなの?」
「もちろん!強いよ!」
「へぇー、じゃあ明日手合わせしてよ。」
「サクラは魔法使えないんだよね。じゃあ素手で相手してあげる。」
「ありがとう!ニコラはどんな魔法を使うの?」
「私?私はねー炎と土だよ。最近は地面を暖めて寒さを防ぐ魔法を考えてるんだ。」
「なにそれ良さそう!」
「でもさじ加減が分からないからそこら中穴だらけにしてるんだ。」
辺りには確かに数十ヶ所地面に穴が空いていた。
「凄いね……」
「うん、片付けないと……」
「ニコラ、まだ片付けてなかったの。」
「はーい、今から片付けるよー」
「私も手伝おうか?」
「えっ、良いの?」
「サクラ、甘やかさないで。自分でやった事は自分で片付けさせないと!」
姉のエールに制されてサクラは座るのであった。サクラとしては話し相手が居なくなるのは困るがエールの言う事も正しいので諦めたのだった。
「サクラ、こっちにおいでよ。リーフが手合わせしたいんだってー」
「はーい!」
そうしてリーフとサクラの手合わせが始まるのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は4月13日水曜日21です。お楽しみに!
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