102歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
外でダークとサクラが暴れてる頃、クラリス達は城の主を探していた。
「あーもう!部屋を開けても開けてもキリがないわよ!」
「その前にこんなに広いんですか?」
「そうよね。こんなに広いわけないわよね。」
そう先程からずっと部屋を開けては閉めての繰り返しで誰とも会わないのだ。
「これは異空間に囚われたわね。」
「そうみたいね。」
「えっ?相手は魔法なんて使えないはずですよね?なんでそんな事が……」
「エール、もう相手は人じゃない。鬼よ。しかも魔法に匹敵するくらいの技術を有したね。」
「技術……でもそうだとしたらワタシたちはどうやってここから抜け出すんですか⁉︎」
「大丈夫よエール。こういうのには攻略法があるのよね。リーフ。」
「ふふふ。まっかせなさい!」
すると、リーフは懐から葉っぱを取り出した。そして……
ぴゅーー、ぴゅー、ぴゅーー。
リーフは草笛を吹く。すると……
「あ、来てくれた。」
来たのは光り輝く蝶々が3匹である
「この草笛を吹くとね。胡蝶がどんな迷宮でも迎えに来てくれるんだ。」
「さ、行きましょう。胡蝶達は気分屋だから遅いと居なくなっちゃうよ。」
そうして胡蝶の後ろを着いていくクラリス達、だがなかなかにこれがきつかった。
「ちょっ、襖だからって透き通って行かないでよ。」
「あー!もぉーどこ行ったのよー!」
「魔力の跡は……こっちね!」
四苦八苦はしつつもなんとか迷路を突破したクラリス達。
「はぁ、はぁ、ようやく階段ね。」
「あの……なんでこんな迷路を作ったんですかね?」
「知らないわよ。作った本人に聞いてみましょう!この上にいるはずでしょ……利子つけてたっぷり痛ぶってやる……」
リーフは相当怒っているらしい。なので早速階段を登ろうとすると、上から誰かが降りてきた。現れたのは甲冑を着込んで薙刀を持ったガイコツだった。
「旦那様に仇なすのは貴様らか……」
「……どうやら番犬が出てきたみたいよ。」
「みたいね。ここは私が相手するから先に行っててクラリス、エール。」
「いいの?」
「いいわよ。うっぷんばらしもしたいし。」
「ワタシも残りましょうか?結構強そうですよ?」
エールが提案するがリーフは断った。
「大丈夫よ。それよりクラリスが無茶苦茶しない様に見てて。すぐに追いつくから。」
「……わかりました。ご武運を。」
「行かせると思うか?」
「行かせてくれないなら押し通るまでよ!」
クラリス達は一気に相手へと突っ込んだ。そしてクラリスは上から、エールは下からまた抜きの様な形で抜いて行った。
「おのれ……逃がさんぞ。」
「あなたの相手は私よ!番犬さん!」
そうしてクラリス達を追おうとする相手にリーフは真っ向から攻撃を仕掛けた。
「フンッ!」
リーフの木刀での攻撃は相手の薙刀で簡単に払われてしまう。
「貴様の相手をしてる暇はない。失礼する。」
「行かせると思う?」
リーフは指を鳴らした。すると壁から木々が生えて壁を作ってしまう。
「私を倒さないとその壁は消えないわよ。」
「……そうか、ならば直ぐに片付けなければ。」
そう言うとリーフの方へ向き直って先ほどの速さとは段違いの速さでリーフに襲いかかった。
「へぇー、なかなか速いじゃない。でもね……」
「ぬぅっ!」
「私の方が速いのよ!」
そう言ってリーフは攻撃を相手に叩き込んだ。だがこれといってダメージにはなっていなかった。
「ふっ、効かんな!」
「甲冑に瘴気を纏わせてるみたいね。上等じゃない!」
リーフは木刀に魔力を流した。すると木刀は白く輝き始めた。
「ライト直伝光の剣!行くわよ!」
「フンッ、何も変わらん!こい!」
次の瞬間お互いに間合いを詰めた。そしてリーフは相手の薙刀を潜って躱し、はらわたへ突きを入れる。すると今度は甲冑ごと相手を貫いたのだ。
「なっ、何……?」
「光魔法だって瘴気を浄化できるのよ。」
「くっ……やりおるな……ならば!」
相手は薙刀を構え、リーフへと突っ込んでくる。
「特攻ね。いいわ。受けてあげる!」
お互い再び間合いを詰める。そしてリーフが相手の顔を覗き込んだ。すると相手はニタァっと笑った。
(なっ、まさか罠⁉︎)
焦って後ろへ飛んだが遅かった。相手はリーフを瘴気の中に取り込もうとしていたのだ。
「遅い!捕まえたぞ!」
「ぐっ……」
「さぁ、貴様もこちらへ……」
「行くわけないでしょ!死んどけ!」
それだけ言うとリーフは瘴気ごと相手を真っ二つに裂くのだった。
「な、なぜ敗れた……」
「バカね、瘴気を斬れるのよ、捕まえても斬れるに決まってるじゃん。」
「フハハハハ!……完敗だな。」
それだけ言い残して相手は砂へと還るのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回の更新は4月9日土曜日15時です。お楽しみに!
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