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101歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリスが一刀両断した相手はにやけながら2つに分かれた。


(な、何を笑ってるの……コイツ……)


「私は初めからあなたと戦うつもりはありませんよ。」

「えっ、なんで……」


「当たり前です。私ではあなたに勝てません。勝てない勝負をするより敵城視察をした方が良い。」


「私の今の一撃が全てだと思っているの?」

「ふふふ。そこまで愚かではありませんよ。では、次会う時までに。」


 クラリスは追いかけたいが姿形のない相手を追いかける事は出来なかった。


「クラリス!」


 振り向くと後ろからリーフとエールが走ってきていた。


「何かあったの?顔怖いわよ。」

「ええ、ごめん。大丈夫よ。」


 クラリスは虚しく笑って誤魔化した。今はそれくらいしかできないからだ。


「急ごう。たぶんこの上が親玉のいる場所よ。」


 クラリスは2人へ促し先を急ぐ事にした。

 一方でダークとサクラはというと……


「なんじゃ、化け物しか出てこんではないか。」

「というか、これはたぶん死んだ人たちを操っているのでは?」


「……サクラ、どうやら正解の様じゃ。」


 ダークの視線の先には死体の山から鬼が湧いていた。


「これは人の出来る所業ではないぞ。」

「えっ⁉︎これどうするの⁉︎どうすればいいの⁉︎」


「封印するしかないな。クラリスかリーフ、もしくはボタンなら浄化という事も出来たがわっちには出来んからな。」


 ダークが一歩前へ出ると鬼達がこちらに気づいた。


「サクラ、お前に頼みがある。わっちが詠唱している間奴らを引きつけてくれんか?」

「いいけど、あれ、人なのよね……」


 死体とはいえ、人と分かってしまうと流石に気が引けてしまうサクラ。


「すまんな、だが、これ以上被害を増やさん為じゃ。頼めるか?」

「うん。じゃあ任せて!」


 覚悟を決めたサクラは鬼達へと向かって行くのだった。


(全く誰じゃこんなくだらん事をした奴は……しっかりケジメをつけさせんとな。)


 ダークも相当怒っていた。だが、そこはダーク、冷静に詠唱をしていく……その間はサクラが鬼退治をしていく。


「はっ、よっ、とっー」


 軽く刀を振っているがそれでも鬼の首を簡単に跳ねていく。


「うーん……やっぱり鬼に見えても元は人間って知ってしまうと気がひけるなー……うわっと!」


 そんな事を考えているといきなり石が飛んできた。頭に当たれば即死レベルの大きさだ。


「やっぱり知能もあるんだね。」


 前を見ると鬼が少し離れた所から石を投げて来ていた。サクラはとりあえずダークを狙ってる石だけを切り落としていった。


「もぉー!あんまり石投げてこないで欲しいな!」


 一時的に投石が止んだ瞬間にサクラは一気に間合いを詰めてまとめて鬼達を切り倒した。


「ふぅー、ざっとこんなもんでしょ。」


 鬼達の死体を横に刀を鞘へと納めようとしたその時。今までとは違う巨大な鬼が現れた。


「嘘!これは人じゃないでしょ⁉︎これは熊か何かが鬼になったんじゃないの⁉︎」

「グアアアァァァァ!」


 巨大な鬼は咆哮を放つとサクラめがけて突進してきた。


「すご!なんて速さなの。体格に似合わない速さね。それなら!」


 サクラはかわすと同時に先程鬼達が投げて来ていた石を手に取り巨大な鬼へと投げた。これはダークに意識が向かない様にする為でもある。


「鬼さん。あなたの獲物はこっちだよ。」


 サクラは刀を鞘に収めて腰を落とす。一瞬の静寂の後鬼はサクラめがけて走り出した。そしてサクラも地面を蹴って真っ向勝負に出る。


「はああァァァァァァァァ!」

「グアアァァァァァァァァ!」


 刹那……サクラは刀を抜き放ち鬼を横切りにした。


「ごめんね。あなたと真っ向からぶつかったらパワー負けするからあなたの向かってくる力も使わせて貰ったの。」


 鬼は既に死んでいた。だからサクラは死体に向かって話している。


「もし、自我があったらもしかしたら分からなかったかもね……でも今回は私の勝ちよ。さようなら。」


 話し終えるとダークの方を見た。どうやら詠唱を終えた様だ。


「すまんなサクラ、汚れ役を頼んでしまって。」

「いいよ、誰かがやらないとダメな事だしさ。」


「では、残りの残党も片付けるとするかの。」

「ダークは休んでてもいいよ。私はまだ動きたいからね!」


「強がりはよせ、それに街に出て人を襲い始めたらもう収集がつかなくなっちまう。」

「はーい。じゃあ背中は預けたよ。ダーク!」

「ああ、頼んだぞ。サクラ!」


 城外での戦闘も佳境を迎えるのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は4月6日水曜日21時です。お楽しみに!


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