表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/151

100歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 エールが休んでいるとこちらへ向かってくる足音が聞こえてきた。


「あら、もう敵がきたのかしら……もう少し休んでいたかったけど……」


 愚痴を言いつつ立ち上がろうとするも来た人物を見てもう一度座り込んだ。


「リーフ?なんでここに?」

「心配だから見に来たのよ。めちゃくちゃ城内熱くなるし、何かあったんじゃないかってクラリスが心配してたから私が様子を見に来たのよ。」


「そうなんですね。ありがとうございます。」


 嬉しい様ななんというかよく分からない感情になるエールの横にリーフも腰掛けた。


「何かあったの?」

「いえ、大した事では……」


「その顔は大した事があった顔よ。」

「……先程の相手にお礼を言われました……殺してくれてありがとう……と。」


「ふーん。変わった相手も居たものね。」

「リーフならどうしてました?操られていてもう殺すしかないって分かった時、リーフなら……」

「殺すわよ。」

「えっ?」


 あまりの即答にエールは少し驚いた。


「殺すしかないじゃない。じゃないと私だけじゃない、もっと多くの人が殺されてしまうわ。そんなの見たくないもの。」


 リーフの真っ直ぐな視線の中には確かな覚悟があった。そしてその言葉には確かな重みも含まれていた。


「やっぱり、私にはまだ覚悟が足りなかった様ですね。」

「そうね。でも今回は及第点ね。じゃあ少し休んだらクラリスと合流しましょう。あの子1人だと何するかわからないからね。」


「……はい!」


 (早く追いつかなければ……)


 そう思うエールであった。

 一方先を急ぐクラリスはというと。


「はあぁぁ!」


 鬼の大群と戦っていた。対魔剣のおかげでそこまで労せず倒せてはいるものの数が多い上に狭い廊下で大振りが出来ずにいた。


「何よこれ!至る所から湧いてきてるじゃない!」


 そう、鬼達は廊下の壁や床、天井からも出てきていたのだ。斬っても斬ってもキリがないのだ。


「もう。しょうがない。あれをやるか!ファイヤーボール!」


 巨大な火の玉を作り出して廊下の両端へと向けて発射した。ゆっくりと進む火の玉は鬼達を焼き払っていく。


「よし、これで先へ進めるわ!」


 クラリスは行く方向の火の玉の後ろを歩いて先へ進み出した。


 一方敵の方は。


「何をしているんだ!ようやく根城が出来たというのに。これでは計画がご破算になるぞ!」

「申し訳ございません!しかし敵はあまりに強いのです。未知の攻撃をしてくるものですから……」


「ええい、言い訳など聞きたくないわ!とにかく奴らの首を上げろ!敵は何人いるんだ!」


「敵の数は5人……表門に2人、城内に3人でございます。」


「たったの5人だと……ならば数で応戦せよ。いくら未知の力といえど限界はある。ゆけ!」


 指示を受けた鬼は早速(そそく)さと出て行ったのだった。そして指示を出していたのは人であった。人が鬼を従えるという異様な光景である。しかし敵は知らなかった、この5人が化け物級に強い事を……


「まだいるのね。しかも数減ってないし……」


 クラリスは対魔剣で再び鬼を切り出す。だけど至る所から鬼が湧くのを不審に思い始めた。


「まさかコイツら再生してる?」


 試しにクラリスは対魔剣で鬼を3匹の鬼を斬った。そしてそのまま前進して後ろを振り向いた。


「なるほど……ね」


 クラリスが後ろを振り向くと鬼の死体はどこにもなかった。つまりこれは……


「何処かに連れて行って再びここへ戻してるのね……ならば!」


 クラリスは対魔剣をしまって魔道士になった。


「鬼達を別の空間に連れ込んでそこで倒せばいいのね。」


 そして次にまた鬼が6匹出てきた。クラリスは自分の間合いに入るまで引きつけてこことは違う別空間に鬼達を連れてきた。鬼達は一気に場所が変わった事に驚き動揺してしまう。


「ようこそ。私の世界へ!」


 その間にクラリスは氷の矢で鬼を仕留めていく。これをかれこれ8回位やると鬼の数は一気に出て来なくなった。そして別空間ではやはり鬼の死体は消えず残ったままだった。


「やっぱり使い回しにされてたのね。」


 そう思うと敵とは言え悲しくなるクラリスであった。


「もう成仏していいよ。ゆっくり休んでね。」


 クラリスは浄化魔法をかけた。そうすると鬼は人へと還り、そうして消えていった。そして別空間から戻って来ると邪気はほとんど消えていた。


「よし、後は残りを倒すだけ。」


 するとそこに誰かが現れた。


「おやおや、鬼が帰って来ないと心配になってきて見れば侵入者ですか?あなたは私の鬼達をどこへやったのですか?」


 不敵に笑う人の形をした化け物にクラリスは殺気を込めて言い放った。


「みんな浄化してあげたわ。あの人たちはあなたのおもちゃじゃない!」

「いいえ、彼らは私の(しもべ)です永遠に生きたいという願いを叶えてあげた代わりに私のおもちゃになったのですよ。」


「ふざけないで!命をなんだと思ってるの!」

「うーん……道具ですかねー?」


 その言葉にクラリスが切れた。雷の様な踏み込みで一気に間合いを詰め相手を一刀両断にするのだった。

ついにここまで来ました!100歩目です!

ここまで読んで頂きありがとうございました!

これからもクラリス達の活躍をお楽しみください!


次回更新は4月3日日曜日の15時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価、またはいいねをよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ