9歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
「ふぅー美味しかった!」
「夜もここがいいわ!」
「うーん……そこまで余裕ないかなー……」
「夜は私が作りますよ。お金は大切にしたいですもんね。」
お店から出て来た4人はとても和やかに話をしながら街を歩いていた。
「あっ、そうだ、換金所!ここまで来る間に保管してた魔物売らないと!」
クラリスは換金所がないかを探し出す。
「えっ?でも、この前の魔物は確か浄化の魔法で消しませんでしたか?」
「あー、フロールに会う前に討伐した魔物だよ、本当はフロールの居た街で換金するはずだったんだけどね、出来なかったから……」
「そうなんですね…申し訳ありません……」
「良いよ、良いよ、フロールのせいじゃないんだからね!」
「そうよ!悪いのは魔物とその土地の土地神でしょ?全く許せないわ!」
クラリスとリーフはフロールのフォローをするのであった。
「換金所はあるみたいね、街の中央らしいわ」
クラリスは街の人に聞いてきて、大体の場所を教えてもらった。
「じゃあ行きましょ。もたもたしてると日が暮れちゃうよ。」
クラリスたちは街の中央へと歩き出した。
「結構大きな街ね、見てまわるだけで2、3日かかりそうだわ。」
「そうですね。お店もたくさんありますし、目移りしてしまいそう。」
「私は何か遊戯場があるといいなー、遊びたい!」
「あはは。ウールらしいね、おっと!あそこだね。」
雑談をしながら街を散策していた所にようやく換金所があった。
「じゃあ、ちょっと行ってくるから待ってて、」
「「「いってらー」」」
3人に見送られ、クラリスは換金所へと入って行った。
約10分後……
クラリスはニコニコしながら換金所を出てきた。どうやら相当高く買い取って貰ったらしい。
「たっだいま!」
「何よそのテンション……怖いんだけど、」
「ええ、怖いですね……」
ウールとフロールは少し怖がっていたが、クラリスの様子を見て、嬉しそうなのが1人いた。
「クラリス!今日はパーティ出来そう?」
「ええ!めちゃくちゃ弾んで貰ったよー当面は食糧難は回避出来るわ!」
「やったー!」
((この2人一体どんな旅をしてかのかしら……))
リーフのはしゃぎ様に少し心配になったウールとフロールだった。
それからは日が暮れるまで遊んだ。クラリスは防具を見て回り、フロールとリーフは食べ歩きをしていた。
ウールは遊戯場で遊んでいた。今は宿屋でクラリスを3人で待っていた。そこへ、ようやくクラリスも帰ってきた。
「あ、クラリス、おかえり!」
「おかえりなさい、クラリスさん。」
「何か良い防具あった?」
「ただいま、うーん……なかなか良い物はないなー……まぁー私が持ってる剣や防具はどれもオーダーメイドだからね。またあそこに行こうかなーそろそろ刃が欠けてきたし。」
「あーあの山奥ねー……飛べるなら良いけどあそこは普通の人がいける場所じゃないわよねー魔物ですらいないし……」
「あの人も変わってるからね、私と同じで……」
「クラリスさんは変わってないですよ?」
「いや、変わってるわよ、」
「うーん……私も普通ではないと思うわ。」
否定したフロール、肯定したリーフとウール、クラリスはフロールからみた自分はどの様に見えてるのか気になった。
夕ご飯はフロールが買ってきた食材で料理してもらった。そして、久しぶりにベッドで寝られるという事でベッドに横になる。
「ねぇ、私はどこで寝るの?」
ウールの場所がないのだ。
「えっ?ウールはいつも風に戻ってるから要らないのかと……」
「あれは場所が狭いから私は外で寝てたの!私だってみんなと寝たいわよ!」
「「「ごめんなさい……」」」
「いや、私こそ素直に言えば良かったわよ。しょうがないから今日は風に戻るわ…」
「いや、私と寝ましょう!」
「えっ?」
「私もいいわよ!」
「えっ?えっ?」
「何言ってるの!私が優先に決まってるでしょ!おいで、ウール!」
「いえ、リーフと寝たら寝られなくなりそう……」
「あら?警戒心?」
「ええ、貞操の方ね……」
「「わかるー」」
クラリスとフロールが納得していた。それに猛反発したリーフを尻目に結局ウールはフロールと一緒に寝るのでした。
そして、朝…結局クラリスのベッドにみんな来て寝ていた。
「なんでこうなるのよ……」
クラリスは結局広い部屋でも意味が無いと痛感するのでした。そして意外だったのはウールがちゃっかりベストポジションを取っていたのであった。
「ねぇ、2人とも、昨日私言ったよね?少し離れて寝てって!」
リーフとクラリスは正座して目を逸らしていた。そんな様子を横目にウールは歯を磨いていた。
「どうしてウールは許されてるのですか?」
「初犯だからです!」
「私たちだって、まだ2回目だよ!寛大な御心で許してくれても……」
「そこまで怒ってないわよ。でもね、どうして昨日の今日でまた私に抱きついていたのよ!」
「暖かいから」
「安心するから」
「……はぁー……お願いだからやるなら1人ずつにして……これじゃあ眠れないよ。」
「「眠ってたくせに……」」
「なにか?」キリッ
「「なんでもありません‼︎」」
2人に反省の色がない様な事を言った気がした為クラリスは2人を睨みつけた。
「とにかく!2人とも罰としてそこで正座!私とウールで朝ごはん買ってくるから、帰って来るまで反省してなさい!」
「うぅー……」
「はい」
そうして、ウールとクラリスは朝ごはんを買いに出かけた。
「はぅーどうしてあそこまで怒ってるのかしら?」
「さぁ?わかんない。でも、怒ってないって言ってたわよね?」
「じゃあ、私たちは何故正座で待機なんですか?」
「たぶん、約束破ったからかな?」
「あー……そうですね……」
フロールとリーフは反省するのであった。
「ねぇクラリス。怒ってないのに、なんで2人に罰を与えたの?」
ウールの質問にクラリスは答えた。
「ウールは知らなかったね、昨日の朝も私の腕に2人とも抱きついて寝てたのよ。それで叱ってたのに約束を破ったからよ。私にもテリトリーがあるんだから、ある程度はやめてほしいのよ」
「うーん……クラリスは2人の事嫌いなの?」
「そんな事ないよ、むしろ大好きだよ!こんな私に付いて来てくれてるんだから!だけど、ある程度約束や距離は保ってて欲しいの……私がいなくなった時に困らない様にね……」
「えっ?クラリス死ぬの⁉︎」
「死なないよ、死ねないからね……でも、何が起こるか分からないからね。だから……」
言葉を続ける前にウールはクラリスの手を握ってきた。
「何処にも……行かないでよ……フロールもリーフも絶対そんな事許さないよ!勿論私も!」
(あら?デレデレモードかな?)
「大丈夫。もしもの話だから。」
「絶対よ!もし置いて行ったら許さないからね!」
ウールに涙目で言われて当分は1人旅には戻れないのを悟ったのでした。
「ただいまーパン買ってきたよー」
「あ……足が……」
「ク……クラリスさん……もう……良いでしょうか……」
「あ……うん。いいよ!反省したでしょ。」
「「はぅー……」」
「足が痺れました……」
「クラリス……私たちの事忘れてたんじゃないでしょうね…」
「そんな事ないわよ!なるべく早く帰ってきたのよ!」
「そんな事あるはずないですよ。リーフさん、クラリスさんはそんな人じゃないです。」
「いや、たまーーに忘れる事があるから……」
「たまーーにでしょ!もう少しリーフは正座しとく?」
「いえ、遠慮しときます……」
「よろしい!」
それを遠目で見ていたウールが居た
数分前……
「クラリス……そろそろ帰らないと2人の足が痺れて立てなくなるよ!」
「あっ!やばい忘れてた!急いで帰らないと!でも、あと少しで焼きたてが……」
「2人にクラリスが忘れてたって言ってみようか?」
「……帰ります。」
朝ごはんを食べてる4人であった。そしてクラリスが思い出したように話をしだした。
「あっ、そうそう!こんな依頼があったんだけどやってみない?私たちで!」
「あっさっき貰ってた紙ね、あれ依頼書だったんだ。」
「どれどれ……?」
パンを食べながらリーフが依頼書を見る。
「谷のドラゴン退治……怪我人続出誰か止めて……ね、まぁ良いんじゃない」
「私も受けてみたいです。」
リーフとフロールは了承。ウールは……
「私も行くわよ!みんな行くんだもん!」
「よし!決まりね!」
こうして、朝ごはんを食べた後、私たちは街役場へ行くのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は26日午前9時です。
次回もお楽しみに!




