アカ
読んで頂いて居る片方に感謝します。
そして、励ましありがとう御座います。
俺は、足元に落ちていた枝を拾い上げ、草むらに身を潜め暫く様子を見ながら、猿共の観察をした。
「ん?‥考えていたのとチョッと違~う!‥」
体は小さな全身毛むくじゃら、申し訳程度の獣の革を腰に着ける。頭は禿げ、目は鋭く鼻は醜く長い。歯は汚なく犬歯が異様に長い。
「鬼猿か?」
猫耳娘は、革のベストに長めの短パン。腰のベルトに沢山の小物入れが並び、踝までのブーツを履き、革のグローブからは[映画X-人間]の狼マンが如き鋭いカギ爪が3本付いたのを両手に着け、必死になって化け物猿に挑んでいた。
「そろそろ頃合いか‥」
俺は、木の枝を振り回しなが、
「おーい!バカ猿供!」
と、大声を出し奴らの注意を引いた。
「《シロ》!!」
《威嚇の雄叫び》
《ガオオオォォォォォォ~~!!!!》
姿が見えない野獣の声に猿供が度肝を抜かした様子で、
「《シロ》!戻ってくれ!」
血相を変え慌てて逃げる姿を見ながら、
「‥蜘蛛の子散らしだな。」
俺は猫娘に、
「猫耳さん、大丈夫かい?」
「‥ハッ‥っっ‥何んとか無事‥ったっ助かっ‥よっ‥」
「余り大丈夫そうじゃ無いな‥な‥」
声を出さず意思伝達で
(《アカ!》)
《ハイピー》
アカと呼ばれ元気に《柿ぴーと違う!》返事をしたそれは、1mの体の横に尾羽が2m有り、両翼を広げれば5mもある。それぞれの羽先がオレンジ色に近い赤い炎を揺らめいている。一見すると孔雀。ある文献には、<火の鳥><不死鳥><フェニックス>とも言われている、それは《朱雀》
音も出さず静かに俺の両肩に止まった。
俺は、重さを感じる事は無いが何時もの癖で、腕を組踏ん張り易く仁王立ちになり、
(《アカ》、頼む!)
《ハイピー》
朱雀が一度大きく羽ばたきながら、
《癒しの微風~~ぇ~~》
暖かな風が猫娘を優しく包み込み、傷だらけ体と心を治した。何かブツブツ言ってるが顔色が良くなったの一安心。猫娘が、
「今の兄さんがやったのかい?」
(取り合えず、お惚けの術!)「ん?さぁ‥?」
何やら礼を言っているが、何かヤバイ気がしたので、
「いえいえ、通り掛かっただけだし、困った時はお互い様!て事で!それじゃ!」
適当な事を言ってその場を離れ様とした途端、コートの裾を引っ張られ転んでしまった。
「兄さん‥その格好‥」
(何言ってるの?この猫娘?)
転んだまま俺は、言われたまま自分の姿を見渡した。
‥‥‥‥顔から火が出た‥‥‥‥‥‥
誤字、脱字を見つけ次第修正していますが、まだまだ至らぬ点が御座います。御指摘や御指南お願いします。
そして、生暖かい目で宜しくです。