始まりの丘から
読んで頂いている方々ありがとう御座います。
霊獣を引き連れ現れたテラと名乗った女‥巫女様の使いなのは間違い無いが‥何処かで会った様な‥?
「タケル、巫女様より預かり物がある。こっちに来て来れ。」
馴れ馴れしく呼ぶ声に苛立ちは無く、何故か親近感さえ沸くのは‥何でだろうか?
「顔を上げて、大きく目を開け!行くぞ!」
テラが俺の右目に手を当てたと同時に、ほんの一瞬〃チクッ!と痛みが走り、手を避けて見たら歪みボヤけた世界が見えていた。
「それは幻魔眼だ。少し馴れるまで時間が掛かるが我慢しろ。」
「うっ‥わかりました‥テラさん。」
土煙の一団が到着した。
先頭の馬から降りた男が
「私は、シアロ国親‥」言葉を遮り、俺は
「全て承知しております。バール隊長殿。」
名を告げる前に、此方側から本人の名を明かす事で信憑性が増したと思うが‥
「流石は救世主様!」と俺に向かって話し出したバールさんに、
「私は救世主様の家来タケルです。此方の2名の女性マリアンヌとテラも同じく家来です。」
端に立つ男に向き直り、方膝を付き頭を下げ
「救世主様、お迎いにまいりました。」
少し緊張気味のベンさん
「フム。神の導きにより此の地へ降臨した、貴方達の言う救世主のベン・リーヤだ。」
ベンさんは大袈裟に空に手を広げ、
「我の力の一端に触れるがいい~!」
ベンさんの頭上に白い雲が現れそこから、青龍が出現した。
《我は青龍。救世主ベン様の守護霊獣也~》
と言い姿を消して行った。
その間、俺達は事前打合せ通り方膝を付き暖かな目で見守っていた。
「「「お~!うお~!本物だ~!」」」
兵団の声を合図に一連の演目が終了したので、俺はベンさんと顔を見合わせて次の行動に出た。
「では、救世主様は達バール隊長と城へ。」
「頼めますか?バール隊長。」
「ハハッ!」
ベンさんとマリーさんを見送った後、次のイベント場へと走りだした。
「ヤバい!少し時間が押している!間に合うか?!」
山間の谷を抜け小川を渡り深い森をかき分けて‥
居た!
スタッピさん!
あの日‥あの時の‥ままだ‥
生暖かい目で宜しくお願いします。




