コン
読んで頂いて居る方々に感謝いたします。
「《アオ》、何が見える!」
《馬に乗った集団が土煙を上げて、真っ直ぐコッチに向かって来来るぞ!》
「分かった。《アオ》一旦戻ってくれ!」
青龍は、スゥ~と体を小さくし姿を透明にしながら、宿主にの中へ消えていった。
「《コン》!」
《はいょ~っ》
次に呼ばれて、若い女の声で返事をしたのは、2m程の白い狐。堂々としても尚も貴賓を感じる容姿、さらに鋭い目を輝かせる。しかし、普通の狐とは違い体と同じ位の大きな尻尾が九本!まさに!
《九尾》
「《コン》!奴らの視覚操作と、思考誘導を頼む!」
《はいな~》
俺は、ここに居ても埒が明かないと判断し、しかし闇雲に動いても墓穴を掘るだけ。
奴らが来た足跡を逆に辿り行くのが安全作と咄嗟に判断し、即座に移動した。歩き出して間もなくその集団と遭遇し、集団の一番前に居るリーダーぽい奴が、
「少々尋ねたい。」
俺は恐る恐る
「‥何ん‥で‥しょう‥‥」(‥‥《コン》頼むぞ‥‥)
「この辺りで、何か変わった事は無かったか?」
(‥ヤベっ‥)「特には‥何も‥何か有ったんですか?」
「私は、シアロ国親衛隊バール。王家に伝わる古文書に、今日この時あの丘に、救世主様が現れる。
と書いてあり、その真意を確かめる為、馳せ参じた次第なのだ。」
(‥‥はぁ?あの『じー様』辻妻合わせに俺を呼びやがったな‥‥)「‥はぁ‥別には‥何も無かったです‥」
「足を止めさせ、悪かった。」
(‥ふぃ~何とかなりそだ‥)
「君の、名は?」
(‥ヤベっ、名前?‥んん~ん‥)
「山向こうから、旅をしているケルタです‥」
「そうか、あいすまなった。」
(フゥ~何とかなった~)
一団が去った後、歩き出して直ぐにバール隊長が一人戻って来た。
「すまん!一応確認しておきたい。」
馬から降りて、なにやら腰の後ろからスクロールを取り出した。それを広げて俺に差し出し、
「手の平を、真ん中に当ててくれぬか?」
「はぁぁ‥」
何も考えず、スクロールに手ねか平を伸ばした。スクロールは、僅かな光りを発すると伸ばした手の上に文字が浮かんだ。
そこには、
☆HP30 MP1 レベル5☆
と書いてあった。
それを見て、隊長は優しい笑みを浮かべ、
「特に問題無いな。協力を感謝する。」
(哀れみ似た目だ!)
軽く頭を下げ、馬に跨がるとその場を去って行った。
隊長の笑いを訝しげ思いつつ俺は、
「《コン》!ありがとう。戻ってくれ。」
‥‥九尾に礼を言い歩き出した‥‥
生暖かい目で、宜しくお願いします。