アオ
読んで頂いて居る片、誠に
ありがとう御座います。
俺は、目の前の霞みが晴れ出すと頭上に聳え立つ、直径5m高さ20m余りのどこか懐かしさを感じる大きな杉の木が二本目に飛び込んできた。
辺りを見渡すと、山々が列なり荒れ地が広がっているのが分かる。
「空には、少し小さい太陽が2つ‥?!あぁ・・・やはり、違う世界かなのか・・・・」
「今は『じー様』の事を考えても仕方がない。!《アオ》!」
《おぅ!》
と、呼ばれ出て来たのは、深い青色の鱗に覆われた、体長5mの細長い胴体をした、長い髭を二本鼻の脇ら伸ばし長い顔に鬣を靡かせ顎髭を揺らし、珊瑚の様な角を二本持ち、雲を従え左手には水晶玉を握る!まさに!
《青龍》
「アオ!誰か来ないか、回りを見ていてくれ!」
《承知!》
フワッと双子杉の上まで上がり辺りを警戒し初めた。
「このまま、ここ居るのは不味い気がする!」
俺の直感がそう告げている。
俺の行動原理‥それは‥面倒くさい事は後回し!厄介事避け、危ない橋は渡らずの性格。
そうやって面倒くさい仕事や、町内行事からも他の人や家族に押し付け、嫌々ながらも生活の為に働いていた。
同期は、課長や部長にも拘わらず万年平主任だし、家族からも見放される始末なんだわ。
そもそも、この性格は成長期の子供頃、ぶつぶつ独り言を言ったり、笑ったり‥‥人には見えないモノと遊んでいたのを気持ち悪がられ、仲間外れや虐めにあったのが原因だ。
それから、内向的になり目立たなくなって行き現在に至るわけ。
しかし、ここ一番の『決断力』は群を抜いていたのさ。
「あれ?服装は‥スーツのまま‥」
俺は、取り敢えず上着を脱ぎ、手に持っていたコートを破り土に擦り付け、それ風の格好をした。(この時ヤラカシてたとは・)
「ん?スーツケースのはずが、肩掛けの革鞄?」
中に手を入れると、突然!頭の中に~名称、使い方、中の物の品目~が、解った。
「成る程、これがボーナスか‥‥」
後ろの大木に手を翳すと、
☆~双子の杉の木、樹齢1200年、神の加護持~☆
「これ便利だな。手で触れたり、翳したりするとそれが持つ~ステータス~が分かるのか‥‥後は‥‥靴か‥‥」
鞄から汗拭きタオルを取りだしそれを破り、靴の上から巻き付き終えた時、
《タケル!前方約5㎞に馬に乗った曲者達コッチに来るぞ!》
‥《青龍》のアオが叫んだ!‥‥
生暖かい目で、宜しくお願いします。




