お経
読んで頂いている方々ありがとう御座います。
シルバー‥嫌、良く見たら、銀色よりは明るく白っぽい光、白金だ!
「それは、君らの会員証だ!無くすなよ。」
「これって‥」
つい、俺の口から疑問の声が出てしまった。
それを聞いたのか、ライバーさんが続けて
「見た目は、ハンタークラスのプラチナだが、
このクリスタルの上に置くとなっ!」
語りながら、ライバーさんが俺の手から会員カードを貰うと、そこに有るクリスタルの上に置いてみせた。
置いた瞬間にカードが光り、玉虫色の緑に輝き
【クラス オーバーHP1000 MP1000 レベル1000 タケル・ロックス 17歳】
と文字や数値も替わったのだ。
「これは、ギルド側の配慮だよ。疑い事や厄介事を避けるため、特殊な魔法で処置したカードだ。見た目はハンターのプラチナだか、特別なクリスタルの光りに当てると、本来のオーバーのアダマンタイトと解る仕組みになってい。」
確かに、幻のオーバー枠‥俺みたいな若僧が所持しているだけで大騒ぎ、悪用されたら大変な事になるのは明らかだ。
「各地のギルドに、このクリスタルが置いてある、トラブルになったら支部長達にクリスタルの事を話せ。力になるだろ。」
「分かりました。ありがとう御座います。」
「ここでの話しは、他言無用だ!マイナ君。」
「‥はっ‥ハイ!‥」
「でだ。彼の担当はキミだ!マイナ君!キミが留守の時は私が担当する。」
「分かりまた!わたくしマイナが担当します!」
「皆、これから宜しく頼む!以上だ!」
その号令で話しは終わり、揃って下に降りたら、軽鎧で腰にハーフソードと小物入れを付けた男とぶつかってしまったのだ。
「すいません。大丈夫ですか?」
「‥あぁ‥だいじょ‥ぶだ‥」
男は立ち上がり、依頼ボードに向かい直し見出だした。俺は軽く会釈をし、後ろを通た時に男から、
「ゴブリンだ‥モンキーゴブリンだ‥モンキー」
とお経を唱えている声が聞こえた。
大分懐刀が寂しくなって来たので、依頼を受けよと思い俺もボードを見てみた俺。
〔デスドラゴンの討伐 100万ルド〕
これだ!まだ、1度もドラゴンを見たことがない俺は、腕試しも兼ね討伐依頼を受ける事にした。
受付嬢のマイナさんに早速、依頼を剥がし持っていき、
「あっ!これですね!ここから北に5日歩いた村の洞窟に現れたやつです。お願い出来ますか?」
「はい。これでお願いします。」
俺は、簡単な地図と正式な依頼書を受け取り、その村へ出立した
‥‥今日の俺‥‥
生暖かい目で宜しくお願いします。