ガタ
読んで頂いている方々、ありがとう御座います。
ストーリアスは第二の都市と言うだけの事はあり、メイン通りは綺麗に舗装され、馬車が余裕ですれ違える広さ。建物は立派な造りが多く、店の商品も品数が豊富だ。又、露店も多く活気付いている。
そんメイン通りを抜けた三叉路の真ん中に、レンジャーギルド ストーリアス支部があった。
俺は、観音開きの跳ね返りドアを開け中に入ると、中央に丸テーブルに椅子のセットが30組、長テーブルのセットが10組程あり、左手置くは酒瓶が見えるカウンターがあり中央奥が受付。
受付右奥に階段が有り、右手前に依頼が張り出されたボードある。
昼を過ぎた時間も有り、人は疎らだ。
依頼ボードの前に二組、黒のフルプレートに赤黒いマントを着け大剣を二本背中に背負う男と、ポニーテールに赤色のマントの女が一組。
一歩離れて、ソフトボール程のスライムを肩に乗せた、黒髪の男がボードを睨んでいた。
三つの受付があるカウンター前でも、二組。
リーダーらしいショートヘアーのエルフの女性が受付嬢と話す後で三人の女の子がいる。一番後ろの娘は落ち着きが無くキョロキョロしている。女なだけの四人のパーティーらしい。
その隣の受付では、腰に刀を差したモデルの様な銀髪の女性?‥いや、男?が「僕は悪い‥ス‥」
等と話している。
入口に近い左手のテーブルには、赤巻髪の女に怒られているフードが着いた灰色のローブ姿の男が笑っていた。
俺達は空いてる右の受付に向かい、受付嬢と目があった。
「いっ‥いらっしゃいませ!今日は、どの様な御用件でしょうか。」
赤く熱ポイ顔の受付嬢の声は明るく、事務的に迎えられた俺達。
「ギルド会員の申請に来ました。」
「それでは、コチラの書類に記入をお願いします。全部埋める必要はありません。書いて差し支え無い所だけで結構です。」
書類を書き終え受付嬢に渡すと、
「次にコチラにお願いします。」
カウンター脇に連れていかれ、
「このスクロールの上に手を置いて下さい。」
「これは?」
「上級鑑定スクロールです。その人のレベルやステータスが詳しく表示されます。」
そこに手を置いてみたら、少し発光して上に文字が浮かんだ。
それを見た受付嬢は首をかしげ、
「使い古しで、ガタが来たみたい。ちょっと待ってて下さい。」
俺はスクロールから、手を離すと受付嬢がスクロールを丸め、奥から新しい巻物を持ってきた。
「すいません。もう一度お願いします。」
手を置くと受付嬢が、
「あれ?やっぱり変。」
「どうしたんですか?」
「8って数字は出るんだけど‥倒れて∞て表示されちゃうのよ。」
「HP∞ M1 レベル∞ タケル・ロックス 17歳」
「ていう風にね。」
「‥少し待ってて下さい。上の者を呼んできます。」
受付嬢は足早に階段を上がって行く後ろ姿に、
‥一抹の不安を覚える‥今日の俺‥‥
生暖かい目で宜しくお願いします。




