失態
読んで頂いて居る片方ありがとう御座います。
ロックス家の朝は牛の声で始まる。
どうやら、酪農家らしく朝食には必ず新鮮な牛乳が出てくるのは有難い。
あれから俺は、全回復し野山を駆け巡るのに精を尽くしてる。(何故かって?体力作りの一環だ)
危ないと言われるところ意外は、体力がギリギリになるまで一ヶ月間続けた結果、今は息切れを殆どしなくなった。
魔力に対しても、色々やって見た。だが断念した。魂の元が違うのか、魔法を使う努力はしたものの、指先から線香花火がパチッ!で諦めたよ。
(諦めるの早くね?)
そん声が聞こえた気がした。ので、少し説明をば。
赤坊から幼少期で魔法耐性が分かるらしい。
ライター位の炎を、水ならコップ一杯位出せるらしく、五歳から十歳までで魔力の器のデカさが決まるんだとさ(ハンマーさんの受け売りだ)
そんなんで凹む俺では無い!二度と仲間を目の前で失わ無い為に。
俺には1つ考えがあった。
《霊力》だ!限界まで高めた集中力と鍛え上げた肉体ならば、自由自在に《霊力》を操り、霊獣達の力を纏い、その一旦を借り受け発動出来るのではないか?と思っている。
(やる所までやってやる!)
その第一段階として、針と糸。瞬きする早さで針に糸を通す。やったがダメだった。出来ないわけじゃ無いが、時間が掛かり過ぎ。目標は目を閉じて0.2秒いない。(無理)
そこで、大きい物から徐々に小さくし、最後は針糸にだ。
まず節穴の空いた板に縄を通す事から始める事にした。正解だった。走りながら、逆さまになりながら、水の中、目を瞑り出来る様になった。あとは、暗闇の中での実験だけだ。
目隠しだけではどうしても鼻の脇から日が入り込む。ゴムが通り柔らかく被りやすい物。
(わかった!)
かぁ様のタンスから、パンツをかりて目隠しの上から被ぶってみた。(いける!)そう判断した俺は、牛舎に入り込み、入り口から分かり難い場所で、実験する事にした。
(危ないから、絶対入るなよ。と言われている所に、俺がいるとは思うまい。)
どうせならと、上半身を裸にし皮膚感覚も鍛える事にした。(もうね、4~5時間頑張った俺)
納得出来る成果を得て、明日から一回り小さい穴にしよう。そう思い服を着て牛舎を後にした。
その日の修練を終え、夕食の時に事件が起きた。
「ちょっと聞いてよ、ジャン!今日昼間にさ、洗濯物を持って牛舎の横を通った時ね、変な声がしたのよ。」
「どうせ、牛だろう。」
「窓からチラッと見たらさ、女物のパンツを頭に被った上半身裸の男が居て、ハッとかフゥとか言って体揺すりながら何かしてたのよ。」
「嘘だろ~!」
「気持ち悪くて、逃げてきたわ。」
俺にそんな会話は聞こえない。断じて聞こえん!
その日の夜、
~~失態は誰にもある。お前の失態を許そう。しかし、失態は償わなければ成らない~~
そんなセリフが聞こえた気がした俺。
かぁ様のタンスに、
こっそりパンツを戻しておいた‥今日の俺。
生暖かい目で宜しくお願いします。




