ブツ
読んで頂いて居る片方ありがとう御座います。
床に現れたのは、全身真っ白な毛に覆われ丸くて小さな尻尾を着け、銀色の瞳をした体長50cm 頭の上から伸びたのは耳、それを足せば1m余りある‥
‥雪だるま‥いやいや違う!‥‥
ウサギであった。
顔をキョロキョロした、そいつと目が相い頭を下げ太い声で、
「御一同初めましてじゃ、ワシは《因幡》(いなば)、見込みありと判断し宿ったは言いが、なかなか霊力が底上をしなくてのぉ~難儀していたのじゃ。」
烏と兎‥正直驚いた。が、何より霊獣を宿した者同士が知らぬ間に引き合い出会っていたとは‥
俺は、烏と兎に彼等の力が底上げ出来る様に、助力する事を約束し、それを聞いた烏と兎は、安堵した様子で消えて行った。
簡易的に俺の力を分けただけなので、力が尽き拡散したのだ。
俺の正体や霊獣の事を話すと、全ての不思議な出来事に納得出来たらしく、又、似た力が自分達にある事が嬉しい思いなのか、スタッピさんとハンマーさんは、互いに頷き痣を擦りながらニヤニヤしていた。
空気を換えるため、「んっんっ!んっ!」
と俺が咳払いを1つした、控えていたコンが昼間の出来事の話した。
賊は三人いたが実は1人。
霊力持ちだけを狙っていた事。
コンが軽く相手をして返り討ちに遭わせていた事。
命乞いを願い金を差出てきた事。
等が語られた。
敵の存在に注意し情報を集めながら厄介事を避け、楽しい旅を続ける事を確認してその場は終わった。
その後、鞄から革袋を取り出し中のブツをベットに広げ、その様子を見たスタッピさんが、目を輝かせ生唾を飲み込む音を聞き逃さなかった俺。
「出立前の約束です!」
ざっと見て、金貨300枚 金貨1枚10万ルド(10万円) 簡単に3つに1人100枚(1千万)を分けた。
「サァ!どうぞ」
男前のハンマーさんは、5枚だけ懐に入れると、
「後はケルタ殿、預かっててくれ。」
と言い自室に戻って行った。それを見ていたスタッピさん、
「アワ‥アフ‥こんな‥大金‥アフア‥ワワ‥見たこと‥」
声に成らない声をだしながら、手を出したり戻したり、
「決めた!」震える手で、金貨三枚を握り締め、
「後は兄貴に預けておくよ!」
喜び勇んで部屋を後にして行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時間が戻る事3日前
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そっちはどうだ!」「何も見当たりませ!」
「そっちは!」「怪しい者はいません!」
二本の大木がある丘の下で、鎧を着けた一団が、物々しい警戒をしていた。
「あれから丸一日‥何も‥起こらないな‥」
一人静かに丘を上がり、大木の下に腰を下ろした。
「参ったな‥」
古文書に疑いを持ち初めたバール。
そんな時、視界の端に黒ビカリする何かを、大木の根元に見付けた。
「何だ?これは?」
拾い上げたそれは、手の平にスッポリ収まる黒い革が2つ折りになった四角物。
折りになった部分を広げると、白くて四角い厚紙が三枚入っていた‥‥‥‥
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