始まりの丘
誤字、脱字有ったら御免なさい。
「見えたぞ!もう少しだ!」
シアロ国、辺境の地アイグル
土煙を上げて、馬に乗って進む一団の目指す先は、遠目からも分かる二本の大木が佇む小高い丘。
二十人の一団は、中世の騎士が如し甲冑を付け、先頭の指揮官は銀色、他の団員は黒い鎧を纏っている。
「全員止まれ!」
丘を背に一団の横を、ボロ巾を纏い顔は薄汚れ肩から古い鞄を下げ、通り過ぎ様とする青年にバールは、
「すまぬ、少々尋ねたい。」
「・・何ん・・で・・しょうか・・?」
「この辺りで、何か変わった事は無かったか?」
「特には‥何も‥何か有ったんですか?」
「私は、シアロ国親衛隊バール!王家に伝わる古文書に、今日この時あの丘に、救世主様が現れる。と書いてあり、その真意を確かめる為、馳せ参じた次第なのだ。」
「・・はぁ・・別には・・何も無かったです・・」
「足を止めさせ、悪かった。君の名は?」
「山向こうから、旅をしているケルタです・・」
「そうか、あいすまなった。」
そう、言い終えると一団は、丘へと走り去っていった。
「ふぅ~危ね~」
何とかやり過ごした俺は歩きながら、あの
『じー様』との出来事を思い返していた・・・・
◆
『~ん~呼んだのは、ワシじゃよ。ん~~チョイとばかり力を貸してほしくての~』
『~ん~ここわ、お主の世界が、表、此れから行く世界が、裏、~ん~俗に言うパラレルワールドじゃ~ん~その間の領域じゃよ~』
「はぁ~ぁ?俺は‥死んだのか‥?」
『~ん~生きておるし、力もそのままじゃ』
「あっちには、帰れるのか?」
『~ん~呼ぶ事はできたが‥~ん~帰す事は出来んのじゃ~~ん~ただ、向こうにおる、七竜魔神王を倒せば~ん~奴の持っておる〔宝玉〕を使い帰る事が出来る~ん~よ』
『~ん~拒否権は無いぞ~』
何を言っているのか、頭が追い付かない。
「あんたは、何者なんだ?」
『~ん~チョイとばかり長く生きてる、じーさんじゃ~~ん~そうじゃ、チョイとばかりボーナスを出しておいたからの~ん~じゃ、頼んじゃよ~』
「ちょっと!待って・・・・く・・れ・・・・・」
次の瞬間、気が付くと、小高い丘の大きな二本の杉の木の下に居た。
生暖かい目で、宜しくお願いします。