痣
読んで頂いて居る片方ありがとう御座います
宿場町モホトを後にして二日後に、キチヘ領を抜けた俺達は、次の町シアロ国 第4の都カムチャに向かうべく旅を続け次の日の夜、手前の町 シコロに着き宿を取った。
一度、部屋行へ荷物を置き、一階の酒場で食事をし腹を満たした後、俺の部屋に集まってもらった。
スタッピさん、目を輝かせソワセワしている。
「わざわざ集まって頂き、ありがとう御座います」
すると、スタッピさんが手揉みを初めだした。
「あれだね!昼間の!あれだね!」
続けてハンマーさんが、
「昼間の件、私も気になってたんだ。」
出会って四日、大分気心が知れてきたので、俺の能力を話す事にした。
「これを見て下さい。」
何も無い右の手のひらを出し、
「《コン》!」
何故か肩を下げ落胆した表情をしたスタッピさん。何か核心を得た表情のハンマーさんが目を凝らしていると、
霞が浮かび徐々に輪郭を作り現れた、体長20cm程の狐。
「兄貴!手品上手い!」
「手品と言うより魔法に近いな」
口々に品評をしていると、
「この様な形ではお初になります。《九尾のコン》と申します。」
話すコンを見て二人は目が点になり、口を開けたまま動かなくなった。
二人をに気せず、首の付け根の痣を見せ、
「体に五ヵ所にこの様な痣があり、その痣に宿っている霊獣の一体です。」
目をパチクリしながら、俺と《コン》を交互に見て、スタッピさんが焦って対抗意識をだし、
「あっ!痣ぐらい、あたいにだって!あるさ!」
さらにハンマーさんも
「私にも痣なら有るぞ!」
スタッピさんは右足の脹ら脛、ハンマーさんは左肩。それぞれ見せてくれた。
「三年前に岩に引っかかってさ、転んだら痣になったのさ」
「私は剣を受け損ね倒れた拍子に石碑にぶつけ、それからだ。」
週単位なら未だしも、年‥!
「チョッと見せて下さい!」
確認すると‥確かにある‥
スタッピさんの痣は、雪だるまの上から腕の様な物が二本出た形。
ハンマーさんは、広げた扇子の下から三本枝。
試しに二人をベットに座らせ俺の霊力を流してみた。
「少しチクッとするかも知れませが、動かないで下さい。」
二人それぞれの場所に手を当てていると、痣が発光し、突然それが発現した。
一体は中空に、一体は床に。
中空の一体が間抜けな声をだした。
「フウェ~~やっと出れた~~!」
現れたそれは、体長50cm程の黒い烏‥脚が三本。
「おれは、八咫!(やた)だわさ~!」
俺は、驚いた!五体の他にも霊獣が居た事に‥床に現れたもう一体‥‥ヤッパリ!‥‥
‥‥腕が生えた‥‥雪だるま‥‥だった‥‥
生暖かい目で宜しくお願いします。