クロ
読んで頂いて居る片方に感謝申し上げます。
宿屋を二軒共断られ、肩を落とし外に出た。
「ハぁ~参ったな‥」
ジャラッチャリ~ン!
「どうした?泊まる所ならあるぞ!」
ニカッ!と白い歯を見せ語り掛けてきた、トンカチのオッサンと目が合った。
仕方がない‥
「ハぁ~‥一晩だけお願いします!お金は払います!」
半ば諦めながら返事をしたら、
「難しい話しは後だ!まずはメシ!」
ガシッ!俺と猫娘の肩を後ろから抱え、宿屋の酒場に押し込まれた。
「この出会いに乾杯!‥それでな‥でな‥矢が‥魔物と‥」
適当に話しを合わせ、俺の奢りで御代を払い店を出た。
「ここが俺の家だ。遠慮しないで入ってくれ」
案内され、入ると生活感の無い殺風景の部屋があった。
「何も無くてスマンな」
そう言ってから、奥に消えて行ったらオッサン。
「風呂を用意したから順番に入ってくれ」
真新しい肌着を二人分。それも男物と女物を差し出しそして、
「これは、俺のお古だが着てくれ!」
黒い皮のベストとお揃いのパンツ、黒のハーフブーツを受け取った俺。
オッサンはニカッ!とした。
馬車から、ズーッと上機嫌なスタッピ。
「フフフフ‥やっぱ、あたいの感は当たった‥さ」
なにやら言いながら、浴室に行った。
スタッピが出てくるのを待って、俺も風呂に入り
その後、寝床に案内された。
「今日は、ゆっくり寝てくれ。お休み」
ハンマーさんは、静かにドアを閉めた。
「怒涛の一日だった‥」
ベットの上で横になりながら、今日の出来事をボ~っと考えていると、椅子上に置かれ服と、先ほど貰ったナイフが目に付き、ゆっくり取り上げ眺めると、何やら七つの文字が刻んでいる。
「コン、読める様に頼む!」《ルーン文字だね、チョイと待っておくれ》
『我 ハ 七 支 聖 剣 也』
‥ん?‥われはしちしせいけんなり?‥はぁ?‥
良く、分からないからナイフを元に戻し、
「クロ」《ん》
静かに返事をしたのは、今は体長50cm、前足は四本後ろ足は二本、短い尻尾に硬く大きな甲良を背負い、甲良の上にはサメの歯に似た突起が無数あり、下顎から二本鋭い牙が上を向き、全身黒に近い深い紺色をした亀。《玄武》
「クロ、夜の警戒を頼む。」《ん》
俺は眠りに着いた。
真夜中、物音と怪し声がして目を開けた。
「ん~ん~ケルタん~ん~」
ホモのトンカチが夜這いに!‥!
いや‥違った!
夜中様子を見にきたハンマーさんが、曲者とクロが勘違いし、《完璧なる微束》で金縛りにあっていた。
クロに説明し、ハンマーさんのを解放して、再び目を閉じた。
‥翌日‥家を出たら‥吉備団子を上げてないのに‥仲間が増えた‥猫娘と‥ホモの‥トンカチ‥
生暖かい目で宜しくお願いします。




