謎男
読んで頂いて居る片方に感謝します。
<謎の男eyes>
「故郷の町まで、後少しだったのに‥つくづく運に見放されたようだな!畜生!」
私は、サイクロプッスと戦いの最中独り言を口にして、
《グゥッツッ》血が出るほど唇を噛み締め、死を覚悟し最後の力で叫んだ。
「闘気開放!」
僅かに残っていた体力と魔法を合わせ、湯気が立ち上る程の力を全身に纏い戦いに備えた。
「何処からでも来い!」
死を目前にした時、それは唐突に私の耳に届いてきた。
「アイス!」
((ヒョロ~~ヒョロ~~))
目に 止 ま る 速さで、氷玉が岩影から飛んで来た。
「チッ!」(そんなんじゃ奴は仕止められん!)
((ゴッツ!))(やはりな‥)
棍棒に当たり砕けたのを見て男は諦めにも似た溜め息を吐いた。
と、思った時、
((バリバリバリーカキィィィーン))
瞬く間に、サイクロップスは氷付き動か無くなった。
「ハァ~ァ~ン?」
私は、間抜けな声を上げると、暫く動け無く只呆然と氷の像を目にしていた。
「おーい!大丈夫かー!」
私は声のする方に顔を向けると、岩影から出て来た獣族の女を見付けて、全身から力が抜け地べたにヘタり込み安堵した。
「助かった‥」
良く見ると猫族の女の後ろから、不健康そうな男も出て来て、女が私に話し掛けてる横を、男が通り過ぎると商人親子と何やら話しをしている。
(何だ?こいつ?‥?)
そんな事を考えていると、男は少し離れ腕を組し仁王立ちした途端、何処からか暖かく優しい風が吹いて来た。
「ん?あれ?!体力が‥力‥!?戦で負った左膝も痛く無い‥はぁ?」
私は、立ち上るとその場で、数回ジャンプをしたり屈伸をしてみた。
「信じられん‥こいつは‥軌跡だ‥」
戦を終え、部下に治療魔法を掛けて貰ったり、その後医者にも見てもらったが完治しなかった左膝。
私は嬉しさの余り、静かに泣いた。
<タケルeyes>
商人親子が心配だった為、近くの行き話し掛けてみた。
「君、大丈夫か!怪我は?!」
「だっ‥だっ‥だぃだぃ大丈夫‥‥」
顔青く憔悴仕切っいる。上空を旋回していた仲間に、
(《アカ》!頼む!)
《ハイピー》
何時もの仁王立ちのポーズを、無意識に作った俺の肩にアカが留まり、
《癒しの微風~ぇ~》
辺り一面優しい風が駆け巡った。
暫くすると親子は元気を取り戻し、
「顔色がよくなったな、もう安心だ。」
「ありがとうございます。何かお礼を‥」
最初はお礼の申し出を断ったていたが、仕方がなく了承した。
無事だった馬車から一枚の絵を取り出した。
「ルーベンス?嫌っ!ルーぺンスだった。」
渋々という形で貰い受けて丁寧に鞄の中に閉まった。
すると突然、横に居た男がジャンプしたり屈伸したり、終いには泣き声出した。
‥‥よっぽど‥絵が気に入ってたのか‥げど‥‥あげないよ‥‥て言うか、逆に恐い‥‥‥
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