Am I dreaming?
午後。
来夏は一人で城内を歩いていた。
もちろん女王様に会うためだ。
罰則…
嫌だなぁ。
昨日色々やらかしちゃったからなぁ。
もう二度とやらかしません、本当に。
反省してるんだけどな。
れあ、許してくれない。
改めて考えると、本当に怖い。
れあって。
罰則…何をするのだろうか?
結局、れあが忙しいということで罰則するのは女王様になったんだけど‥
ちょっとラッキーなような、残念なような。
お城の周りを10周走るとか…?
絶対い・や!
走るのだけはやめてぇー
本当に…
私ね、ほんっとに走ったりとか嫌いなの。
ってか、できないの。
持久走とか、マラソン大会とか、ブッチギリの最下位だもん。
一位の子と、30分差ぐらいタイムあいてるんだよ?
信じられなくない!?
自分でも信じられないよ…
でも本当なんだ。
一度、先生がタイムを足しているんじゃないかって言って自分で測ってみたんだけど‥
変わんなかった⤵︎
がーん…
…………………。
ってことはおいといて、 罰則何すんのかなぁ。
あ〜ぁ、憂鬱…
ってか、ホントに階段上るのしんどいなぁ。
さっきから、一向に進んでる気がしないよ。
なんでか知らないけど、この城の階段は全部同じデザインになってる。
だから、階段の番号を見ないとどこまで来たかわからないんだ…。
今、私何階にいるんだろ?
そばにあるプレートの番号を見る。
33階…
すっごく登った気がするのにまだまだ先だ。
ホント不便だなぁ…
まじでエレベーターないの???
こんなに階段あるのに??
みんなどーしてるんだろ???
重い荷物の時とか不便極まりないよね…?
なんか、れあにだまされてる気しかしないよ…
おまえは、階段を使えって企んでそう…
はぁはぁ…あと三階…
なんだかんだでやっと女王さまの部屋までついた。
まずは息を整える。
軽く咳払いして、ドアをノックする。
コンコン…
「はい…どうぞ、来夏さん…」
中から女王さまの優しい声がした。
それは、とても不思議な感じにも思えた。
ガチャ…そおっと私はドアノブを回す。
そしてゆっくりとしっかりとドアに力を注ぎ、開ける。
ギィー‥嫌な音がした直後、ドアが開いた。
目に映る世界に私はハッと息を飲む。
何度も瞬きをするが、それは消えなかった。
ほおをつねっても、痛みを感じる。
ということは…ということは…現実であるということだ。
今、私の目に映る世界が、今存在しているということだ。
しかし、そこは…そこは……
この世だとは思えないぐらい美しい場所だった。
何と言葉で表現したらいいのだろうか?
言葉が出てこないとは、まさにこのことである。
見渡す限り一面が夢のような空間であった。
どれぐらい経っただろうか‥
ドアの上から声がした。
「付いてきて‥」
そう言って、小さな妖精が私の前を飛ぶ。
まるで絵本の中の世界だった。