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ヒーローになりたくて  作者: つむろ.〈CANA.〉
⚠day13 - 許されざる間違い【クレインサーベイ】

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94/108

〈file8〉

計画は望命くんの予想通りに進んだ。







告発文が投稿された翌日には、帝小学校のウェブサイトとSNSは炎上し、学校には抗議の電話が殺到。

八重花さんの父親は、寄付を餌に学校に圧力をかけようとしたが、大衆の怒りは彼らが思っていた以上に大きかった様だ。


学校側は事態の収拾を図るため、すぐに全校集会を開き、維蘭くんへの謝罪と、キーホルダーの弁償を約束した。




「すごい!望命、本当に魔法みたいだ!」




維蘭くんは、すべてが解決したことに満面の笑みを浮かべた。


しかし、望命くんは何も言わず、ただ静かにその様子を見つめていた。

彼の表情には、満足感も達成感も感じられない。

代わりに、深い虚無感が漂っているように見える。






















その夜、コルリスで二人きりになった時、僕は意を決して望命くんに尋ねた。




「…望命くん、本当にこれで良かったの?

あんなやり方、八重花さんも傷ついたはずだよ」


「…それが、大衆の裁きなんだよ、瀬名くん。

彼女は自分のしたことの代償を払っただけだ」


「でも、あんな風に追い詰める必要は……」



「あったんだよ。二年前、俺は優しさだけで諳さんを救おうとした。

大衆に真実を突きつけても、彼らは見ようともしなかった。

その結果、諳さんは死んだ。

同じことを繰り返すわけにはいかなかったんだ」




望命くんは声を震わせ、その頬に小さな光を灯した。

彼の瞳には、怒りと悲しみが混じり合っていた。




「俺の優しい正義じゃ、誰も救えない。

この街じゃ、強引にでも悪を裁かないと、また誰かが犠牲になるんだ。

もう…誰も死なせたくない…」



そう言って、望命くんは静かに涙を流した。

その涙は、彼の心に残った最後の純粋さのように見えた。









      ―――『許されざる間違い』終幕―――

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