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ヒーローになりたくて  作者: CANA.
⚠day13 - 許されざる間違い【クレインサーベイ】

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93/93

〈file7〉

「…そこで、提案があるんですが―――」



望命くんは端末を開き、僕らに画面を見せた。

そこには、帝小学校の保護者専用ウェブサイトが表示されている。




「このサイトの掲示板、使わせてもらえませんか?」



望命くんの言葉に、教頭先生は困惑した表情を浮かべた。



「しかし、ここは保護者専用なので、君たちには……」


「大丈夫です。必要な情報は全部ありますから」



そう言うと、望命くんは眞人くんと顔を見合わせた。



「眞人、頼める?」


「余裕。3分もあれば、このサイトのセキュリティなんて抜けられる。

それに、教師用のアカウントだって、プレベントのデータベースに全部入ってる。

でも、望命……」




眞人くんが言葉に詰まったと同時に、横綱教頭は驚きの声を上げた。そして、望命くんは続ける。




「教頭先生にして頂きたいのは、僕が作った文章を投稿する事です。

すべて匿名で、個人名や学校名も伏せます。

ただ、とある学校で起きた出来事として、今回の経緯を客観的に記述するだけです」


「…それは、どういう狙いが?」



「大衆を巻き込むんです。

彼らは、真実より都合の良いストーリーを求めている。

だったら、僕らが彼らにとって都合の良いストーリーを提供してやる。

つまり、『傲慢な資産家の娘と、それに媚びる学校』という悪役と、『理不尽に陥れられた少年』という被害者を用意してやる。

そうすれば、彼らは面白がって僕らのストーリーに飛びつきます。

あとは、彼らが勝手に正義を振りかざして、学校に圧力をかけてくれれば……」




望命くんの冷徹な言葉に、僕は背筋に冷たいものが走った。

こんなやり方、以前の望命くんでは考えられない。

しかし、彼の目は真剣だったのだ。

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