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〈後日談〉
さて、ここからは後日談になる。
自首するために萬街警察署へ向かった結鶴さんを見送った僕らは、眞人くんを病院へと連れて行った。
本人はピンピンしているから大丈夫と、僕らに迷惑をかけないためにそう言っていたが、望命くんが強制的に連れて行ったのだ。
あの後、本当に以前の記憶を取り戻していた眞人くんに驚きつつも、一応クレインサーベイの保護者である冬李さんと店長にも連絡して三年前の当時、眞人くんが運ばれたという掛かり付けの病院に向かった。
彼の主治医だと言う螺枝克喜先生に診てもらったが、眞人くんは結鶴さんの泣き笑顔で以前の記憶も、三年前の記憶もすべて思い出していた。
一応精密検査をする為に一日入院する事になった眞人くんに付き添う望命くんを横に、向日葵の花を添えてから僕はそっと病室から立ち去った―――。




