〈file1〉
「瀬凪く〜ん!ランチ食べに来たよ〜」
「おまっ……着いて来い言うからわざわざ仕事中断して来たったのに、行き先は結局コルリスかいッ!」
「え〜、コルリス良いじゃん!
今日から新しいランチメニューも増えるんだし!」
「何でそんな事知ってんねん!」
扉が開かれた先に居たのはいつも通りプレベントの制服を着た望命くんと、そんな望命くんを仕事へ連れ戻そうとする眞人くん。
昼時と言いつつ、今はまだ11時になったばかり。
ランチには少し早い。
望命くんの言う通り、今日から新しいランチメニューを増やした。
コルリスのSNSで宣伝したから知ってくれている人は知っているのだろう。
望命くんは毎日毎日、コルリスのアカウントをチェックして来てくれるので、僕や店長もすっかり忘れているような事もそれとなく確認してくれる時は、僕としては凄く助かっている。
どうぞ〜、と暑い外と違い、涼しい店内のカウンターに2人を案内して、氷入りの冷水を提供した。
今はお客さんは2人以外にいないので、2人の注文を聞いた後僕は、望命くんの隣のカウンター席に腰掛けたその時、コルリスの扉が控えめに開かれた。
「いらっしゃいまs―――。……!貴女は……」




