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ヒーローになりたくて  作者: CANA.
@day10 - 家出少女は突如目の前に現る【クレインサーベイ:trivial case】

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62/93

〈file7〉

「ちょ、冬李さん強いっ……!」


「ふはは、私は手加減なんてしないよ」


「うぅ〜っ!……あー!また負けたぁー!」


「・・・は、?」




目の前に広がった目を瞠る光景に、僕らは呆然と立ち尽くす。

点けられた電灯、ホログラムに映し出されるドライビングシュミレーションゲーム、そしてYOU LOSE、YOU WINの文字。

そのホログラムの前に錆びれた椅子に座っている二人の人影。




「と、とと、冬李さん!?」


「あれ、望命と瀬凪くんじゃないか。今日は休みだろう?」


「そう……じゃなくて……え、何してるんですか……?」


「見て分かる通りだが?依ちゃんとここでゲームを」


「……最初から説明お願いします……」




コントローラーを手に持ったまま、二人は僕らのいる後ろへと振り返った。

その二人の内の一人は、クレインサーベイの助手(アシスタント)でもあり、望命くんの叔父でもある夏阿冬李(なつきたとうり)


そしてもう一人は捜索願を出されている失踪した少女・黒羽 依(くろはね より)だった。


望命くんが説明をお願いすれば、冬李さんは至極当然の様に昨夜の事を語りだした。


昨夜、忘れ物を取りに事務所に戻った冬李さんは、扉の前で蹲る依さんを保護。

事務所で事情を聞こうとしたが、依さんに聞く前にすやすやと寝息を立てて寝てしまっていたので、今日聞こうと思っていたのだが、忘れてしまっていて、今に至る。

この様子じゃ、警察にも連絡していない様だ。


ドアノブに傷が付いていたのも、鍵を引っ掛けてしまったから出来たものらしい。


そこで、僕は違和感を感じた。

依さんの身体に、無数の痣と傷がつけられていたからだ。

家から飛び出して来ただけで、こんなにも傷が出来るとは考えにくい。

なら……。




「……冬李さん、警察には?」


「まだだ。忘れてしまっていたからな」


「……じゃあ、ここで良いか」


「?何が?」


「決まってるでしょ。さぁ、〝裁きの時間〟だ―――」

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