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ヒーローになりたくて  作者: CANA.
@day10 - 家出少女は突如目の前に現る【クレインサーベイ:trivial case】

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60/97

〈file5〉

「瀬凪くんは、〝家出した子が一番最初に行く所〟って知ってる?」


「?警察とかじゃないの?」


「うん、俺もそう思ってた。でもね、違うんだって。

眞人が言うには、だけど」


「違う?」


「〝その子にとって一番安心できる場所〟に行くらしいよ。

例えば……信頼できる探偵の事務所、とか」


「!」




望命くんの唐突な質問に疑問を抱きながらも僕が答えると、彼は微笑みながら首を横に振った。

「眞人が言うには」に突っ込まなかったのは敢えてだ。

彼の事情は、僕も幾許かは知っている。

眞人くんも昔、恐らく今の彼女と同じ状況……いや、多分もっと悲惨な状況にいただろう。


家出した子供が一番最初に行く所、か。

僕には皆目見当もつかない。

一番安心できる場所……穏やかな下町だろうと、ここが犯罪都市である事に変わりはない。

そんな街で安心できる場所と言えば、知り合いの探偵がいる事務所、位なのでは無いだろうか。


自分で自分の事を信頼できる探偵と言うのか、と思いつつ、僕は足を止めていた彼が走り出す前に通りを左に曲がった。


今はまだ春。

だが、今日は真夏日のように暑かった。

日がジリジリと僕らを照らし、服の襟にじわりと水滴が染み込む。




「今事務所には?」


「誰もいないと思うよ。今日は休みだし、冬李さんも自分の家に帰っているはず」


「じゃあ、やっぱり扉の前にいるのかな?」


「……まだ、可能性の話しだ。

事務所に必ず来ているとは限らない。でも……」


「もし、僕らの推測通り、昨日の夜から扉の前にいるとすれば……」

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