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ヒーローになりたくて  作者: CANA.
⚠day8 - またねからさよならへ【コルリス:trivial case】

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〈file4〉

店長と作った店。



店長と作った空間。



店長経由で友達になれた望命くんと眞人くん。



店長と過ごしたこれまでの日々。








全てが見たことのない走馬灯の様に蘇ってくる。

僕の宝物だった街も、店も、店長と過ごした時間も、全部。

幼かったあの日、店長に説明された時のことでさえ。




―――君に親はいない、瀬凪くんは捨てられたんだよ




そう教えられた筈なのに、なのに……。

色々な感情が込み上げてくる喉を抑えて、振動する唇を噛み締めて、店長へ一言だけ疑問を投げ掛けた。




「……店長は、僕のお父さん、何ですか……、?」


「……」


「答えて下さいよ、店長……!」


「……そうだよ……」


「……っ」




黙ったままの店長がやっとの事で口を開いたのは1分以上経った後だった。

僕はずっと騙されていたのだ。

店長にも、ずっと事情を知っていたであろう冬李さんにも。

店長にも事情があるのはわかってる。

僕より大変だった事も、そんな店長にずっと寄り添っていた冬李さんの事も。


でも、〝そんな嘘〟じゃなくて何か一言、言ってくれても良かったのではないだろうか。

〝捨てられた〟じゃなくて、〝親は亡くなった〟とか、それなら、それなら僕は……。

誰かに愛された事が無い何て思わなくても済んだのに。


いや、それは僕のわがままか。

店長は自分のことを親だと思わなくて良いとずっと口にしていた。

親になる資格が無いとでも思っていたのだろう。

そして、そんな店長達に僕はまんまと騙されていた訳で、昨日までは彼らの思い通りに事は進んでいたのだろう。

それが、ずるいなぁ……。

そこまで僕や望命くん達も騙し続けていたのだから。


僕と店長が黙れば、今度は僕の前にいる女が口を開き始めた。

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