〈file2〉
「ほんまにありがと〜、店長〜、瀬凪く〜ん!」
「本当にありがとうございます……!」
「よかったね、二人とも」
「ほんまやで!瑠依ちゃんが提案してくれたおかげやな!」
「私は何も言ってないよ〜」
お礼を言い続ける彼らに、私はいつも助けてもらっているしお互い様だよ、何て言葉を返しながら心中考えていた。
どう捜査する事が正しいのかを。
もし、もしこれでその女の人がただただ踊りたいから踊っているだけだとしたら……疑ってかかると言う事は失礼と言うもので。
しばらく唸りながら考えていると、後ろから声が聞こえた。
柏木さんが起きたのだ。
むくりと起き上がった柏木さんは、掛けていた毛布をありがとう、と言って僕に返す。
どうやら僕に依頼すると言う案は柏木さんが眞人くんに提案したようで、少し違和感を感じる。
何故相談所の方に来たことが無い彼女が、「Consultation center・colrisu」の事を知っているのだろうか。
その答えを数時間後に知ることになるとは、この時は思ってもいなかった。
「う〜ん……、深夜なら、さっそく今晩張り込みで……でもどこに泊まればいいんだろう……」
「なら、俺達の事務所に来る?寝にくいだろうけど、一応来客用のソファーならあるし、俺達も少し用事があって今日と明日、事務所を開けることになってるんだ。だから1日くらい泊まりに来ても平気だよ」
「……じゃあ、事務所貸して貰おうかな」
夜にしか解決できない依頼となれば善は急げ。
早速今日の夜、泊まり込みでそのビルの屋上を見張ることにした所までは良かったのだが……肝心な泊まり込みする為の場所があの辺りには無い。
廃ビルの様な所があれば、寝袋と食料を持って行けば泊まりも出来るのに……。
唸りながら考えていると、望命くんはズボンのポケットからチャリ、と音を鳴らしながら何処かの鍵らしき物を取り出し、僕の前に差し出す様にしてそう言った。
そのキラキラと光り輝く銀色の鍵は望命くんの事務所、「クレインサーベイ」の鍵だったらしく、今日、明日はクレサイの皆は何かしらの用事で事務所を留守にしているのだとか。
せっかく望命くんが提案してくれているんだし……と一応店長に許可を取ってから鍵を預かった。
一応貴重品なので、無くさないようにと店長から諸々警告を受けた。
早速今日の夜、宿泊の準備を済ませてクレインサーベイの事務所に向かうため、一刻も早く勤務を切り上げられるよう店長に頼み、OKを貰ったので夕方、また楽しみに「クレインサーベイ」の事務所へ向かうとしよう。




