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ヒーローになりたくて  作者: つむろ.〈CANA.〉
⚠day15 - 傷付いた心を縫い付ける為に【最終章】

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〈最終話〉

「さ、コルリスに帰ろう?

店長も麗羽も冬李さんも、きっと待ってるよ」




僕が差し出した手を流した涙を拭っていた望命くんは取らず、代わりにこう口にした。




「……立てない」


「「、は?」」


「ここまで登ってくる事に体力使いすぎて寒いし、眠いし立てない。

眞人、背負って」



「はぁ……?お前、俺が体力無いの知ってんだろ?」


「嫌だ。眞人がいい。

眞人が背負ってくれなきゃ、俺ここから動かないからね」


「子供かッ!……ったく、ほら」




望命くんが頬を膨らませて眞人くんに抗議すれば、彼はすぐに諦め、この頂上という場所でしゃがみ、望命くんを背負った。

先程とは打って変わって弱く仰ぐ風が僕の頬を優しく撫でる。

望命くんを背負った眞人くんが立ち上がると同時に、あの長い階段へ続く扉を僕が開いた。


今度は扉が重くない事に安堵しながら、眞人くんの行った道を辿って彼らに追いつく。









「……眞人」



また永遠に続く階段を下っていると、望命くんがカンカンと金属音しか響いていなかった延朴塔に、一つの音を響かせた。



「ん?」


「瀬凪くん」


「何?」


「……ありがと」


「「……」」




望命くんの突然の感謝の言葉に僕と眞人くんは顔を見合わせ、クスリと笑った後、2人揃って望命くんの名を呼んでからある一言を彼に差し出した。




「「胡琶(くるは)/望命くん」」


「?」


「「おかえり!」」



まるで一人ぼっちの少年に手を差し出す様に、光を灯すように、傷付いた心を縫い付けるように、望命くんにその言葉を差し出す。

すると、彼は先ほどの鬱々とした表情ではなく、吹っ切れたような優しい顔で僕らを見つめた。



「!……ただいま」












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