1/5
硝子の人魚姫
きれいで哀しい夢を見たので書きたくなりました。
残念ながら思い通りに再現は出来てませんでした。
※行数と文字数とを整えたがるのは私の癖です。
他の方の作のばやいはあんまり気にしません。
なお、ルビは装飾および強調の意図ありです。
部屋のに中はPCとオーディオ
積み重なった本に埋もれている
掘り出されているのは数冊の絵本や画集
お気に入りだった女性イラストレーター
ヘッドフォーンを掛け椅子に凭れた
アルバムから曲とイメージが流れる
想い出は瓦礫となった邸の廃墟を彷徨う
陰鬱な嘆きのように歌い上げられる女声
従姉妹同士であった二人の少女
望まない相続による周囲の諍い
欲にかられた親族達が引き離す
片方は玻璃瑠璃色した
硝子の人魚像のように
繊細で綺麗な心した少女
性格は違っていても嫌いでなかった
口には出せなくったって好きだった
優しげな青年とは結婚した筈なのに
だんだん魂を病んでいき儚くなった
透き通った白いカーテンを風が揺らし
残された女性は少女のことを追憶する
いまあなたおらず
私だけ残された儘
あなたはどこへいった
あなたは何処へ…………