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無用少女のフェアリークエスト~勇者候補を降ろされたので妖精さんと旅に出ます~  作者: ふぃる汰


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17話 冒険者ギルド



「さあ到着だ。ベルベルちゃん、ここが冒険者ギルドだよ」



「ここがギルド……あの有名な」



「有名かどうかは分からないけど」



 あ、好きだったファンタジー小説とかRPGゲームに出てきたから、わたしの中では有名ってだけなんだけどね。



「もしかして、ここでクエスト……お仕事とかを受けることができるんですか?」



「その通りだよ。さすがベルベルちゃん、異世界から来たばっかりなのに飲み込みが早いね」



「いや、それはまあ趣味というか予習復習というか……とにかく、アサツキさんはここでお仕事を受けて生活をしてるんですね」



「今はそうだね。この街……ヘイリオスは王都だからさすがに栄えているけれど、辺境の村とかだと冒険者ギルドがあまり機能していなかったりするから。そういう所では占い師をやったり、薬草を買い取って薬を作って売ったりしていたこともあるよ」



「へえ……なんか、プロの旅人さんって感じ。尊敬します」



「あはは、プロの旅人ってなにさ。それに、ベルベルちゃんもこれから暮らしていくためにはお金を稼がないといけないわけだし、ここで受けられそうなクエストを探してみてはどうかな?」



「クエストって、わたしでも受けられるんですか?」



「ランクの低いクエストなら受けられるよ。最初のクエストを達成すると、その段階でギルドカードを作ってもらえるんだ。報酬が良いクエストランクの高いヤツなんかはギルドランクを上げていかないと受けられないよ」



「なるほど……」



 アサツキさんは『ちょっと依頼見てくるね』と言い残し、高ランクのクエスト依頼用紙が張り出されている掲示板まで向かっていった。

やはりアサツキさんはギルドランクが高いらしい。



「わたしもなにか見てみようかな」



 アサツキさんが向かった掲示板とは逆方向の、低ランクのクエスト依頼を募集している掲示板を確認してみる。



「えっと、クエスト初心者が受けられるのは1番下のクエストランクEの依頼……お庭の草むしり、ペットの散歩、乾燥肉の加工作業……あ、これは長期依頼。なんだかアルバイト募集みたいね」



 たしかに初心者向けというか、なにか特別なスキルとか魔法が使えなくても出来そうな依頼が多い。うーん、なにかもっと異世界っぽいクエストはないかしら。



「まあ、魔物討伐とかあってもわたしには出来ないんだけど……あら? なにかしらこれ」



 掲示板の端にひっそりと貼られている依頼用紙を発見する。



「えーと、なになに、クエストランクF……ランクF? Eランクより下のクエストもあったのね」


 ・依頼No.00103

・クエストランク:F

・依頼人:マスター・モリブデン

・依頼内容:宿にいる座敷妖精をなんとかしてほしい

・報酬:50000エル



「な、なにこれ……? ランクが低いのにすっごい報酬が高いわ。ってか座敷妖精って、もしかして妖怪の座敷わらしのことかしら? それにこの依頼人って、わたしが借りてる宿屋の……」



「ベルベルちゃん、なにか良いクエストは見つかったかな?」



「あっアサツキさん。あの、これって……」



「ん?」



 様子を見に来たアサツキさんに、さっき見つけた謎のクエストを確認してもらう。



「んー……ああこれかあ。これは『フェアリークエスト』だよ」



「フェアリークエスト……?」



「文字通り、妖精に関するクエストでね。これは難易度に関係なく一律でFランクに分けられるのさ」



「妖精さんに関係する依頼は、なんで他と分けられてるんですか?」



「妖精は人間相手みたいに会話が成り立たないし、かといって魔物みたいに討伐することもできない。ある意味、最も難易度が高いSSSランクのクエストよりも難しい。不可能のFってことさ」



「不可能のF……そうなんですね……」



「いやそこは冗談だよ。フェアリーのFね、フェアリーのF。うわ、今のボクめちゃくちゃ恥ずかしいじゃん」



 討伐ができないっていうのはどういうことだろう……いや、それはまあそれとして。アサツキさん、そういう冗談とか言うんだ。お茶目ポイント+5ね。



「っていうかこれ、マスターからの依頼なのか。もしかして2-4にいるあの子かな……まあでも、さっきも言ったけど妖精との意思疎通は難しいからね。フェアリークエストを受けて完遂できる人は滅多にいないから、ダメもとで出した依頼というか、掲示板の賑やかしというか、サンドイッチに付いてくるパセリというか、大体そんな扱いなんだよね」



「パセリ、美味しいのに……」



 掲示板のすみっこにひっそりと貼られた、受けてくれる人をいつまでも待っているその依頼用紙は、まるで助けを求める妖精さんのように見えた。



「うん、決めました……わたし、これ受けます!」



「えっ?」



「フェアリークエスト、やってみます!」



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