スーパーパワースーツ
「スーパーパワースーツ」
「……」
「スゥゥパァーパワァースーツゥ!」
「いや、反応なかったからって言い方変えられても」
「おいおい、なんだ助手よ、浮かない顔をして……。
せっかく、私の渾身の発明品の実験台になれたというのに」
「だからですよ。この前、この宇宙服みたいなスーツを着た田口君の腕が
有り得ない方向に曲がったの、博士も見ていたじゃないですか」
「あれはちょっとした配線ミスだ。もう解決した。さ、起動するぞ」
「え、もう!? ちょっと、待っ……おお、今のところ……上手くいってますね」
「よし、そこのバーベルを片手で持ち上げてみるんだ……おお、いいぞ」
「すごいじゃないですか! これは文句なしの成功ですね!
介護、引っ越し、あらゆる業界が欲しがりますよ!」
「うむ、よし、楽にしていいぞ。あとはこちらで操作する。そのまま車に乗るんだ」
「え? なんです? 記者会見でも開くんですか? こんな夜中に」
「いや、田口宅に向かうんだ。訴訟を起こすとか私を脅してきたからな。
やはり明確な目標は成功を引き寄せるのだなぁ」