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第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

俺の中の鏡の中の私

作者: 黒銘菓

なろうラジオ大賞参加作品展ですが、明らかにラジオの明るく楽しい空気と真っ向から反していて向いていないな…と思いつつ、悩みつつ、深夜に投稿です。

 旧校舎の三階女子トイレには大きな鏡が置いてある。


 今日も学校に行く。終わりまでの残りを指折り数え、意義も意味も見出だせない場所に向かう。

 登校すると上履きは何時ものように見当たらない。用意しておいたスリッパを履いて教室に向かう。

 教室には視線が幾つも、侮蔑嫌悪嘲笑邪険憎悪軽蔑無視悪意狂喜憐憫偽善………。

 反応するだけ無駄なので無視して席に着く、本を開く、本以外の視野を切り取る、無心。

 あと69回、この日を無心で過ごせばそれで終わりだ。

 罵詈雑言や本人に聞こえる陰口なんて聞こえない。

 投げつけられる何かなんて感じない。

 頭から滴るアルコール臭なんてない。

 自分の血の味なんてしない。

 『義務教育を受けた』と言う事実があればそれでいい。


 キーンコーンカーンコーン


 やっと1つ目のチャイムが鳴った

 休み時間、教材一式を鍵付きロッカーに入れて席を立つ。

 20分は長い。

 向かった先は旧校舎三階の女子トイレ。移動教室がない限り誰も来ない。

 私は鏡に向けて疑問をぶつけた。

 「どうすれば、いいの?」

 無心無言でも、ずっと苦しいまま。攻撃は止まない。

 「いっそのこと全員を暴力で黙らせろとでも言うの?」

 鏡は答えない。


鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡鏡


 旧校舎の三階男子トイレには大きな鏡が置いてある。


 クソ程イラつく。

 意味もねー癖に義務だ何だとうぜぇ学校。あんなどうしようもねぇ猿山に行って何になる?

 イラついたまま着いた。見ろよ、俺が来ると化物でも見ちまったみて―に目を反らし、挙句に陰口を叩くクソ共。()()()()()()()()()()()()()()()()

 聞こえてんだよ!文句あるなら目の前で言え!真正面から殴ってやる!

 ほざいていた連中を取り敢えずロッカーにあった箒で殴って黙らせた。


 キーンコーンカーンコーン

 やっと1つ目のチャイムが鳴った


 20分がクソ長い。

 向かった先は旧校舎三階の男子トイレ。移動教室がない限り誰も来ねぇ。

 俺は鏡をぶん殴る。

 「どうすりゃ良いんだよ?」

 絡んでくる連中を殴り倒した、人の物を盗んだやつを締め上げた、()にしようとしたから返り討ちにして全員病院送りにした。なのに罰は俺だけに来る。

 『暴力はいけない!』『奴等は良いのか?』

 『人の痛みが解らない!』『知ってるから返り討ちにすんだろうが!』

 『人間は言葉を交して解決出来る!』『お前ら俺の言葉を聞いたのか?』




 「黙って耐えろってのか!?」

 鏡は答えない。


 こういう時は逃げるのが一番。

 若い内は『それは出来ない!』という気持ちが心にあるでしょうね。

 確かに『何で自分が退かねばならないのだ?』『相手が悪い!』『逃げるのは嫌だ!』そう思うでしょう。


 だからこそ、考えてみて下さい。

 あなたの前には二つの道。

 1.逃げずに耐える。耐えても別に何も貰えない。

 2.取り敢えず逃げる。新天地が今より良い保証は無いが、仕切り直しが出来る。0からやり直しが出来る。少なくとも土台が固まった場所では0まで崩す事は出来ない。

 一応、三つ目として『周囲を巻き込んで武器にして晒しものにしてボコる』という手もありますが、相手が激昂して凶行に走るリスクが有るので無し。

 生きてりゃ取り敢えず勝ちって事で。死ねば勝負もクソも無い。楽な方へ良い方へ生きよう。楽じゃない方へ行くならゴールは良いものでないと。

 ゴールも無い茨の道をワザワザ歩くのは被虐趣味のある人だけ。


 なんて、老人の説教臭さ満載の後書き失礼致しました。

 私も未だ未熟なので、偉そうに言える立場に有るかと言えば、自身を持って『否!』なのですがね。

 深夜に寝惚けた戯言をほざいておると思って笑って頂ければ幸いでございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうして独りになってしまうんだろう。 どうして一人で頑張ってしまうんだろう。 話せる誰かが居てくれたら。 「逃げたい」とこぼせる味方を見つけて欲しいと思いました。 虐められた経験なんて傷に…
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