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荷物持ちじゃんけんにて

作者: ぺさ

中学生の四人組が、カバンやらショルダーバッグなんかを無造作に道路において、

円を作って盛り上がっている


そのグループの中で一番背がたかく、一番テンションが高い、ムードメーカーの中田が

いじられ役の、あきらに執拗に絡んでいた、

なんでも、あきらがじゃんけんで

遅出しをしたと言い、

この勝負は無効だとでかい声でわめいているみたいだ。


「あきら遅だしした!あきら、ノーカンノーカン」といって、あきらを指差して

中田は大袈裟に笑い、


あきらはそれを受け必死な形相で

「ちゃんとだしたよ!ちゃんと出したって」といって抵抗していたが

そのあきらのリアクションに対して

他の連中も面白がり

口々に「じゃあもう一回だな

ズルすんなよあきら~、

あきらズルしたから、もうあきらでいいんじゃない?」

と言いたい放題言っている。


「なんで俺になるんだよ!俺ちゃんとだしたって!」と半ば泣きそうになりながら反論する、あきらを見て

他の3人は、たまらなく面白いらしく

中田に至っては、もう手を叩いて喜んでいた

華奢で小柄なあきらにしてみれば、

野球部の中田や杉浦の

嫌がらせにしか思えないような

部活用の

大きな

ショルダーバッグと、

全員分のリュックサックを

自分一人で持たされることになるのは、 たまらなかった


だから、中田が荷物持ちじゃんけんを

やろうと言い出した時に

あきら一人だけ反対していたのである


「こんなの効率が悪いって、自分の荷物は自分が持とうよ、大体こんなことして何の意味があるの?」などと、独り言のようにぶつぶつと呟いて、どうにか回避しようとしていたけれど

そんな手が、中田に通じるわけがなかった

「うっせ、あきら、いいから、やるぞ」と

中田に一蹴され、あきらは渋々荷物持ちじゃんけんに参加することになってしまっていたのだ


だから少しジャンケンをするタイミングが遅れたぐらいで自分の負けにされるのは、到底納得はいかなかったが

他の男子全員に責められ仕方なくあきらは

「じゃあ今の勝負なしで

もう一回やろうよ!」と

ふてくされた態度で言って

仕切り直しになった


そして、四人が輪を作ってそれぞれが

緊張感を持ちながら

ジャンケンをしようとした時


近くから

「あれっ中田じゃん」と声が聞こえてきた


一斉に男子たちが、声のほうを向くと

同じクラスの川井たちが

こっちをみて、笑顔で指差して笑っていた


川井はヤンキーぽい女子で

軽く髪を染めて、眉毛も体型も細いが、背が高く、わりかし整った顔をしているし

男女問わず気さくに話しかけ差別しないので人気があった


「なんだよおまえら、」なんて言いながら中田が若干照れながら

川井たちの相手をしている


「あんたらなにしてんの?」


「あっ荷物持ちじゃんけんだよ」


「小学生かよあんたら」


「うっせーよ」


「ハハハハ」

等と、他愛もないやりとりをしてる中田を

無視し

、他の男子はニヤニヤ笑いながら共謀をはかり、

杉浦の「最初はグー!」とゆう声とともにジャンケンを勝手に始めた


「あっ、おまえらキタネーぞ!」と

中田が焦って、振り返って言った時には

もう遅かった


杉浦や、あきらや、山下が

「中田だしてないから、中田の負け~」

と言って手を叩いて喜んで

笑っている

「ざけんな!今のなしだわ!」

と顔を真っ赤にして憤慨してる中田をみて

川井たちも大袈裟にてを叩いて笑っていて

「うけるんだけど中田」

「中田の負けー」

「うちらの荷物もよろしく」などと

言って冷やかしていた。

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