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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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騒動

薄暗い部屋の中。2つの金色が何故か見える。先程から声を上げても護衛も、侍女の一人も来ない。

「あ、貴女……。何?……何なのよ!」

「……しかえし」

「!………。い、嫌!私、私は何もしてないわ!」

「……うそ」

「……違うの。あれは侍女が……!あ、貴女ね!今まで私のお友達の部屋を荒らして来たのは。訴えてやる!私に恥をかかせて」

「……もんだいない。あしたはない」

「……うそ……。ねえ、嘘でしょ!嫌!いやあああ」







「お嬢様昨晩より、○家の○様が行方不明になられたようです。お部屋に入った後、その方の侍女も外の警備も気が付かないうちに忽然と姿を消したようです」

白々しいなあ。


「まあ。この間は部屋が溶かされる事件、その前は部屋の物が数百年経ったかの様に朽ちて居た事件……。警備が心配だわ。アルお兄様とお話ししなくては」

ああ、その時は〈時属性〉でアホみたいにMP喰われたなあ。しかも、〈隠蔽〉しながらだったし。


「では、そのように準備致します」


「お願いね。事件の度に警備の見直しはしているのだけども……情報が漏れてる?Lvの関係でどうしても穴は有るけど。内通?……まあ、ともかく。行方不明者が出た以上一度学園はお休みするしか無いわ」


「はい。……では、失礼します」







そうだった。学園はルーレシア様の家が運営する場。侍女としては一応真面目にやってるつもりだったけど迷惑をかけるとは。失敗した。しかも、ずいぶん昔と同じような感じで。

まあ。始めから自分の勉強に利用しようと思ってたんだし、所詮はごっこ遊びか。


むしろ、学園なんて多くの子供が動いて、仕事を増やすは騒がしいはって場所を一時でも離れられる事に喜ぼう。





学園は休みになった。

「良くも悪くも原因が分からない以上自分で寮を出た、と言う可能性が無いわけでも無いわ」


「はい」


「ねえ、ヤウはどう思う?」


「あるいはどちらも、と言う可能性があります。その令嬢が警備の者と結託して抜け出した。初めは自分の意思だが、その後巻き込まれた。もしくは、部屋に入る前に入れ替わっていた」


「成る程。警備にこだわり過ぎましたか。いえ、しかし前の部屋が荒らされたのは……」


「……」


「ヤウ」


「はい。私見ですが、別の者の犯行の可能性もあります。そもそも朽ちた部屋は最低でも高レベルの〈時属性〉や気付かれないよう〈隠蔽〉〈隠密〉が必要です。複数と言う意見が有りました」


「ああ。そうだったわ」


「溶けた部屋は恐らく消化薬でしょう。そのような特殊な薬、製作者をまだ割り出せずにいます。裏に薬師も存在しているのでしょう」


「そうね。複数だわ」


「それも、今回の行方不明と関係が有るのかは分かりませんが」

うん。誘導はこんなものか。










結局、各家からの護衛を増やされて学園は再開した。それどころか、第十二都市の治安維持隊にも他の都市から人員が追加された。パイシーズ侯爵家としては学園の評判は落ちるし、魔導国同士とはいえ他家の者が入りまくるし、大変らしい。


自分にとっては、都市の治安は良くなったし将来もルーレシア様はキャンサー公爵家に嫁ぎ自分も付いていくのは決定事項なので特に問題は無い。あの家の出だと言われる事は有っても失態は家の問題で公爵夫人と面と向かって敵対する事も無いだろうし。よしよし。






学園再開からそう経たない頃。


「……!………。~~~」

このうるさいバカは何?

行方不明者はパイシーズ家に手を出したからだ、なんて噂がうっすら有るのを知らないのだろうか。実際はパイシーズ家の損害も著しい為噂の域をでないが。

それより、ルーレシア様にそんな言葉を聞かせないで欲しい。落ち目だとはいえ侯爵家で勢いの有る公爵家の婚約者なのだが。


「ですから、私はきちんとリーブラ家にも認められたルーレシア・パイシーズですわ。伯爵家の者が口を出して良いものではありません。私の侍女についても悪く言うのはやめて下さいません」


「……」

ルーレシア様は知らないかもしれませんが裏でこういう手合いを処理して来たのは自分。だから止めないで欲しかった。


「騒がしいな。何が有った」

ヴァーゴ侯爵家子息、ザヴィーヤ。言いにくい名前だ。

お前こそ何でここに?8年だろ?


「……そうか。家の者が失礼した。追って処罰する。ルーレシア嬢、何か償いをしたい。今度空いている日は有るか?」

はあ?


「……いえ。結構ですわ。そちらの我が家を侮辱した方が正当な罰を受けるのならばそれで」


「……わかった。だが、後で何か贈らせてもらう。……そちらが噂のヤウ嬢かな?今度は貴女も会に来ると良い。では」

大分おしの強い人だった。


「……悪い方では無いのよね。ヤウ。貴女は魔道具が好きだから本が読めるよう学園の間はなるべく自由時間を作っていたのだけどごめんなさいね。次の会には付いてきてちょうだい」


「かしこまりました」

そういう事か。普通に侍女は入ってはいけないのかと思っていたが、良く考えればお茶汲みは誰か侍女がするか。むしろこっちがごめんなさいだ。







[~~~]

「ふう。全くパイシーズ家のあの娘は、~~」

「そうですね!」

「ああ。しかも元孤児ではないか。仮に血を引いていたとしても……なあ?」

「はい。全くです」

「忠告してやろうにも我がヴァーゴ家にはいい顔をして、それ以外では変わらないだろうなあ。ここは、身分はしたでも忠言してやる奴が居ればなあ」

「はい。パイシーズ家の家臣は上の言いなりで、そんな事する奴は居ないですよ」

「ああ。我がヴァーゴ家の家臣ならばパイシーズ家だろうと言うべき事は言えるだろう」

「はい。……私、……俺様が……」


[過去視]終了

ッチ。

ザヴィーヤが、けしかけたのか。一瞬でも悪い奴じゃないと思ったのが恥ずかしい。しかも、処罰をみるに厄介払いにも利用されたか。


まあ、何故8年が1年の教室の近くに来たかもわかったし、事前にどんな奴かも知れた。

お茶会では警戒しとこう。もう一人の侯爵家の方も調べないといけないが、ザヴィーヤの部屋にも分かりにくいイタズラを残しておいてやろう。


ああ。もう一人の侯爵はザヴィーヤの婚約者だったか。よし、調べるついでに下着をとって来てザヴィーヤの部屋にばら蒔こう。

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