表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で生きていく  作者: ゆう
独りで生きるのは大変
9/156

8学園生活

失敗した。

9学年に入るのまだ早かった。

試験の知識と魔力量(一定以上でクリア)は大丈夫だったし、15、6歳は『成長期』持っているから余裕は持ったつもりだったが、肝心の〈錬金〉レベルが低かった。


Lv帯が自分よりも下でも錬金術師になるべく、特化して上げて来たのだろう。

特に中等(5~8学年)から高等(9~12学年)では定員が半分になる。生徒の質も格段に上がっている。


要するに、自分は頭でっかちな技術不足で、苦労している。


しかし、学費は神殿持ちでも錬金素材は自費だ。お金が足りない。


これはもう、外で拾ってくる(魔物討伐)しかない。別に売る訳でもないからギルドには行かない。

あ、解体どうしよう。(冒険者はギルドで解体して貰える)


「こ、怖くなんかありません」

思わず声にでた。ギルマスよりも解体のが怖くない。ぞわぁ。


「ゆきさん。ぷるぷるしてどうしたの」


「あ、ファティマさん。ちょっと、金策について考えていただけです」


(……わざとらしい)

(これだから、貧乏人は)

(落ちこぼれが、ファティマ様の気を引きたいだけだわ)

ひそひそと隅の方で、陰口叩かれてるのは知ってる。実際、実技の成績は散々だ。筆記の点だけ高いことが更に気に食わないのだろう。

神子は敬われてはいるが、権力を持つ訳ではない。良くも悪くも普通に学園の生徒でしかない。


そんな中普通に話しかけてくるファティマさん。色々と強い。


「~で、外に行きます」


「まあまあ。危険ではなくて?よければ私が用意しますよ」


「いえ、これも経験です」


この方、皆様に慕われ、髪も目もピンクゴールドなふわふわしたものとは逆に、腹の中は真っ黒。

うっかり素材を貰った日には、学園を出たあと実家に連れ去られてしまう。タダより他に高い物はない。


錬金の実技が悪かろうが、【固有能力】を3つ持つのが神子だ。上手に利用されてしまうだろう。恩返しとしてならば神殿も手は出せない。


錬金術師は需要もあり儲かるが、初期投資は多い。

この学園に入る程経験を積めるのは金持ち、つまり大商人、名工の子ばかり。(貴族?金より見栄な人達)お陰様で〈話術〉を覚えてしまった。



さっそく図書塔で、解体について調べてみる。


「お姉さん、解体についての本を借りたいです」


「解体はあそこの男に声かけてちょうだい」


言われた男の人に案内して貰って、3冊事典を借りる。夜に読んで次の日には返す。返すとき、借りるときに預けたお金が返ってくる。


「相変わらず早いわねぇ。ちゃんと夜寝てるの?」


すっかり覚えられてしまった。






2日毎に1日の休日、外に行く。少し歩いて、おもむろに鑑定。


植物系ランク1。緑色の一般的な草。


薬草

植物系ランク2。HP回復系の薬に使われる。


説明略


薬草


毒草

植物系ランク2。HP減少系の薬に使われる。


魔草

植物系ランク2。MP回復系の薬に使われる。




薬草と毒草、魔草を抜いて行く。


草原は見晴らしが良く、()()()()()()()()は近くの冒険者が討伐してくれる。良かった。自分から行かない限り、戦闘にはならなさそう。


インベントリに放り込んで行く。

日が暮れる前に帰り、インベントリから順番に出した成果を〈観察〉〈解析〉していく。


〈観察〉は生き物を観るスキルなので死体として

魔物種 植物系 薬草 Lv11

状態 一部

HP1100 MP1100

〈スキル〉

光合成11


〈解析〉は物を観るスキルなので物として

薬草 Lv11

耐久 8/11 (1日1減る)

分類 素材 生物(なまもの)

品質 並(悪、並、良)

効果 HP回復1


耐久は採った時の丁寧さで変わり、耐久10割で良、耐久が3割切ると悪で効果に毒がつく。

0になると、


生ゴミ11

XX 3/3

分類 生物

効果 ランダム1(毒80%、病気19%、呪い1%)


↓さらにXXが0で


スライム Lv11

HP11/11 MP11/11

〈スキル〉

ランダム1(レベル1の毒や病気等を振り撒く)

【固有能力】

対価無し(スキル使用にMP等消費しない)

消化帰化(身体に取り込んだ物を魔力に分解して空中に放出)


要は掃除屋。しかし、レベルが上がると厄介なのですぐに倒す。

見た目は動く液体。色は元に依存なので大体黒っぽい汚い色。


ともかく、Lv11の薬草は32本有った。インベントリは種類(名前とLvが一致する物)毎に入るから仕分けに便利。他にも薬草12や薬草13とか、毒草、魔草もあり、錬金の練習が出来る。


とりあえず、〈錬金〉してみる。

Lv11の薬草2つの合成、〈錬金7〉〈器用6〉で成功率は7割位。出来上がりが〈魔力操作10〉で、Lv17前後になる。


また、薬草11と水を合成して、ポーション3が出来た。作ったのを〈解析〉


ポーション Lv3(錬金製)

耐久3/3

分類 ポーション HP回復

品質 良

効果 HPを300即回復。



前に〈調薬〉(薬草13と水)で作ったのが、


魔法薬 Lv3(調薬製)

耐久3/3

分類 魔法薬 HP回復

品質 良

効果 HPを3割、1分程で回復。(〈調薬〉レベルで時間は変化)


どんどん〈錬金〉していく。合間に薬草17だと成功率が3割を切るので、【等価交換】で薬草12×2と()に交換したり、魔力が切れて解体の本の内容を復習したり、筋トレしたり。


気がつくと、朝。

慌てて教室に行く。


……あ。

「おはようございます。ファティマさん。何時もより教室が騒がしいです?」


「あら、おはようございます。何でも一月後の特別授業に講師として"天眼"様がいらっしゃるそうなの」


「……それは素晴らしいですね。技術部門でもこれだけ騒がれているとはどのような授業なんですか?」


技術部門の生徒は乱暴だと冒険者を苦手としている人が多い。


「ご自身の経験談、授業と言うより講演です。ほら、ギルドの風潮を変えた様にこの学園の技術、戦闘、魔法部門の対立も少しでも変えられないか、との学園の思惑ですね」


それから、進化した人はどの分野からみても憧れらしい。見た目も良いし。


欠席する方が少ない。出ておいた方が良いだろう。

草も魔物

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ