7ギルドには、
今は4月。普通に前期に受かった。
流石に受けるの7歳が多いからか、作文。
・錬金についての印象
・自己アピール
これで字が書ける事、性格等を見るのだろう。自己アピールは苦手だが、卒業への意気込みを書いてみた。
何事もなく1年が終了。
寮が有るのだが、前期の試験に合格したので引き続き来年も使える。来年は、例年の試験内容を先生に教えて貰った所、9学年に挑戦した。数学で詰まる人が多いらしいが、理系だったし。
年齢が違うので、友達が出来る事もなく一人の学園1年目は終わった。別に休憩時間の度に職員室に突撃したとか、放課後、休日は図書塔に缶詰だったせいじゃないよね。先生とは仲良くなったかな?
休暇期間は何をしようか。
魔物討伐に行ってみようか。〈魔力操作9〉〈短剣5〉も有るし、Lv35にもなった。町の近くはランク1しか出ない。……余裕だよね?
魔物を売るのに冒険者ギルドに登録しておこう。ゆきじゃない【キャラクター】で行ってみよう。
そういえば、ダンジョンも有るけど、ランク1なら外の方が効率良いってフェルディさん言ってた。
適当な建物の陰に入って、【キャラクター】を使う。
今の自分はレイン。何と【キャラクター】で男にもなれた。
フェルディさんに言葉が丁寧すぎるって言われたので、ちょっと乱暴目に。髪が紺色で短髪、目は水色。世界にはよく居る色。
ギルドに入ると、早速値踏みの視線が受付から飛ぶ。
時間が昼前な事もあってガランとしている。が、そこはかとなく酒と血と獣臭。きっと魔物のせいだよ。冒険者共の臭いだとは思いたくない。
受付の美男に要件を告げる。
「登録しに来た!」
元気よく。
「おう、こっちだ。冒険者ギルドは実力が全てだ。良ければ名前書いて魔力流せ」
ギルドの宝玉を出して、爽やかに言うが内容は物騒。そして戦力でなく実力な所が肝。戦えなくとも索敵、回復何でもギルドに貢献できる奴が発言力がある。
うっかり、腕っぷしに頼って数少ない回復術師を怪我させた日には、周囲から叩かれ孤立する。パーティーも組めなくなる。
魔力を流し、自分のシステムと繋ぐ。
ステータスに新しく冒険者(白)と出たらギルド所属完了。
「ようこそ。お前さん、不思議な気配するねぇ。去年神子が召喚された。特徴と一致しねぇが偽装系の【固有能力】持ちか?」
【キャラクター】を使うと何となく全てが他人ごとに感じる。お陰でうっかり反応せずに済んだ。【固有能力】に反応してくるって化け物か。進化済なら有り得なくもないか。
「神子って神様に愛されてるんだろ?オレがそんな訳がない。」
「そうか。で、微妙に警戒してんのは何でだ?」
そりゃ。迫力満点の美男が凄んで来るからだ!
「あ、あんた何か変に注目するというか、怖いぞ」
Lvが高い食べ物は美味しい。同じようにLvが高い人は、美しかったり、格好良かったり。
高位冒険者のフェルディさんもワイルドで、格好良く見えた。
それの比じゃないこの人は恐らくLv100越え、最高位の称号持ち。何て称号だろう?
「称号?」
アラヤダうっかり。
「バレてたか。俺はここのギルマス、蛇の鱗人、"天眼"ルーカス」
「!全てを見通す者!本物?え、凄い!」
「照れるね」
レインのキャラ的に口から誉め言葉が、この方が受けは良いだろうとは思った。
「索敵の最高峰!攻撃力重視の風潮を、その索敵能力の有用性を示して、索敵、回復含めた実力重視に転換させた人物!称号持ちは、強大な魔物を倒して名を残すなか、ギルド自体を変えて冒険者全体の活動に貢献した特に印象に残った憧れの存在」
「そこまで誉められると、嬉しいものだな」
ルーカスはようやく表情を緩ませる。内心ホッとしているが、口が止まらない。
結局お昼を越えて話してご飯を御馳走になってしまった。
話は面白かった。
どうしてよりによって索敵能力の最高峰が!
内心で荒ぶるけど、今も恐らく見られているのでレインは称号持ちに会えてご機嫌な態度を。
「~♪」
勿体ないが、一応寮には戻らないで、宿をとる。
1年のが経ち、安全な安宿の場所は聞いている。
もう、寝る!
次の日。
レインは門から外に出ます。魔物を倒す予定であると昨日話したし。
街から離れてようやく、姿の見えない視線が途切れたのを【キャラクター】の発動によって確かめる。流石は天眼だよ!
金髪碧眼のダミー君になる。
ダミー君門から入ります。
「おや、身分証が無いのか。大丈夫、学園都市は誰でも歓迎だよ。通行税は要るが」
「うん。ダミーだよ。小銀貨だよね」
「確かに。ようこそダミー君」
建物の陰に入って、ゆきに。ダミー君に違和感を持たれる前に。
さっさと、雑貨屋で薬草を買って、寮に行く。
ゆきは偽装系持ちだと知られている。ルーカスは神子をチェックしている様だった。
タイミング的にも相当怪しまれるだろうが、長く続けてもボロが出る。
何も悪いことしてないし、向こうもいつか忘れてくれることを願おう。
ああ、もう!無駄な散財したし、魔物を狩りに行けなかったし、2度とレインを使えないし、ルーカスに目を付けられるし、散々だ!
星野 ゆき 1歳
神人種 Lv32
状態
HP3300/3000 MP3900/3900
〈スキル〉(ゆきでは表示されてない)
識字13 速読7 速記6 記憶8
柔軟2 持久力5 速度2 筋力4 器用6 HP増加1 MP増加7
HP回復1 MP回復7
疲労耐性5 睡眠耐性7 飢餓耐性6
魔力操作9 火属性1 水属性4 風属性1 土属性1
短剣5
気配感知2 魔力感知6 音感知1 視線感知3 暗視8 隠密4 隠蔽2
鑑定2 解析5 観察1
(演技11) 掃除5 洗浄6 調薬3 錬金6 数学13
レイン 17歳
人種 Lv32 (この年の平均くらい)
冒険者(白)
状態 成長期
HP3300/3300 MP3900/3900
〈スキル〉
省略(一般的なスキル達)
ゆきがLv29までになったのは〈識字〉〈数学〉〈耐性系〉のお陰なので、Lvの割に戦力は低い。
ルーカスはうっそりと嗤う。
直接見なくても感知の方法はいくらでもある。
(何をしたのか、見ている間は演技は完璧だったし〈解析〉結果もおかしな所は無かった、しかし何度か感知の反応が突然別人に変わった。)
(けど、見つけた。やっぱり神子か。
途中までは半信半疑だったが、俺の【固有能力】を抜けたのも【固有能力】を3つ持っている神子なら有り得なくもない。)
蛇は執念深い。
索敵の最高峰が半信半疑ながら騙されて、興味を持たないはずもない。
ダンジョンという物がある。簡単に特定のレベルの魔物に出会う装置みたいなもので、入り口からすぐの1階層にはLv1の魔物しかいない。例えばLv27の魔物と戦いたいなら、27階層に降りれば良い。ダンジョンから魔物は出てこない。
しかし、ダンジョンにばかり行けば外の魔物が増えLvが上がってしまうし、外ではある程度種ごとに特定の地域に居るがダンジョンだとLvしか共通点が無く対策が取れない。
ギルドの宝玉も神様の恩恵。盗んだり、悪用は神罰。必要になれば神様はくれる。
ギルドは冒険者、職人、商人と別れるが、神殿で繋がる。