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異世界で生きていく  作者: ゆう
独りで生きるのは大変
30/156

27名付き

ちょうど60歳のある日、

町が騒がしくなった。どうやら高Lvの魔物が出たらしい。


「"白山覆い"だ!」


……!


覚えたの60年前だから思い出すのに時間かかった。

ロック鳥、"白山覆い"。半ばおとぎ話だ。


鳥系、ランク5のロック鳥で名付き。称号持ちと似た意味合いを持つ。手を出したらダメな相手。


そして、名前を付けることで魂、つまり本能だけから思考を持たせ話し合いで解決しようぜ!な魔物。討伐出来ない時の最終手段。理性に期待する感じの。


勿論名前を付けた瞬間は赤ん坊同然なのでその隙に殺ろうぜな時代も有ったが、失敗すれば一生人を恨む理性を持った魔物が誕生するので、今は懐柔作戦が主流。


そもそもどうして魔力の薄い人の方に来るのかといえば、通りすがりとかそんなもので、積極的に人を襲おうとはしない。高Lvの魔物からすれば人は高Lv(美味しい)のは一部な割りに小さいから。


ちょっと避けて行ってくださいって言っても本能だけの魔物は気にする事は無いが、ちょっと思考できればそれくらいならって避けてくれるかもしれない。まさに(地球の)蟻の気持ち。


それに、人に興味を持った魔物が人型になって紛れているのも有名な話だし、人里離れた場所で魔物の町が有るのも有名な話。


そんな理性を持っているはずの"白山覆い"がどうして近くに来たのか。



しばらくして、集合命令が出た。緊急事態と言うことで薬都の称号持ちが集められたのだ。


集まっても、研究バカ、戦闘狂、策謀家達しか居ないこの空間。称号持ちなんてそんなものだ。


しかも、招集が結構強引だったのもあって若干空気が悪い。


3人のギルマスと神殿長、薬都のトップが来る。


「おうおう。遅ぇじゃねえの。俺達待たせて重役出勤かぁ?大物ぶってんじゃねぇ!」


「緊急事態なのは分かりますが、私達はあなた方の命令を聞く義務はありません。ええ今回は、緊急事態ですからねぇ」


「それより、どうしてあれが?どうして私がここに来なくちゃいけないの」


それはもう好き放題。


それから戦闘狂は護衛、策謀家が"白山覆い"と交渉する事に決まった。研究バカは待機。

商人達と言い争うこと程不毛な事もない、と言うか不毛な大地並みにむしり取られる。なので会議で決まったことを読み上げるだけ。察した商人が早々に戦闘狂をなだめそれはもうスムーズに決まった。


個室が用意されているが、監視付き。この緊急事態に逃げ出さないように。しかし、交渉失敗した時に真っ先に逃がされるのも自分たちだったりする。バラバラにいても逃がせないし。流石称号持ち、この待遇。


それにしても、"万薬"はしっかり自分を見ていたな。"宝薬"は興味無さげ。自分はどっちもしっかり確認した。一番若輩の自分が興味無さげはあり得ない。

"万薬"からは接触が有るかも知れない。




しばらくして、薬師3人と"丸視"、他に5人が呼ばれた。


"白山覆い"の目的は子供の治療らしい。


気が付かなかったが、"白山覆い"の背中に鱗系ランク5のバジリスク、"彫像壊し"と子供がいたらしい。

"白山覆い"が山の様に大きい卵を抱えていたのは確認されている。昔は"山覆い"、山を覆う大きさの鳥と言うのから名付けられたが、それから卵を見て"白山覆い"と呼ばれる様になったと。


"白山覆い"と"彫像壊し"は名付けされ理性を持ってから夫婦になり、卵を産んだそう。


「ああ、神が見ていたのか進化して子が産める様になったのだ」


この方、"白山覆い"。人型で面会しています。

もう一人?


「私も進化した。人魔種と言う人でもある魔物と言う括りだな」


人型の"彫像壊し"。それから、その子どもも。


「子供の方はステータスに人魔種と人種の両方が乗っていると」


「ああ、それで人魔でもあるから私達と同じ様に餌を与えて生かして来たんだ。もう、私達を父母と呼んでくれてな」


神様が人型になった時、話せる様にもしたらしいが魔物だからか言葉のチョイスがおかしい。


「話がそれていますが」


「ああ、この子、"視毒伝い"と名付けたんだが」


「ちょ!それって見られたら毒になるんじゃ」


「ああ、そういえば人は弱いのだったな。大丈夫だ、と言うかその事でこの子の目が開かなくなったのを治して欲しい」


「将来毒を振り撒く存在を治せ、と?」


「そう言っている」


ずんと身体が沈みそうな程空気が重くなった。


交渉役は笑みが深くなり、護衛役の顔が険しくなる。一方呼ばれた待機組は心なしか目が輝いている。その子はまず間違いなく世界で初めての存在だろうからか、研究バカどもが。


「まさか、治さないとでも言うつもりか?……対価か?」


「対価……いえ危険だと言っているのです。将来は、まあ人を選び敵対しないならば良いでしょう。しかし、あなた方の言うとおり私達人は弱い。目を治した瞬間、毒で死んでしまうかもしれません」


おい。今対価の所で目が光った気がしますが。確かにランク5、いや進化したと言っていたからランク6の素材。

待機組の目がギラギラと"白山覆い"達を見つめる。応援している様だ。

"白山覆い"達は引いている。


「……どうあっても治せないと言うのか?」

若干の威圧。脅しに入る。


が、援軍が。


「失礼ながら。ここの"丸視"が御子を〈観察〉しました所、毒自体のレベルは低く、称号持ちがすぐに死ぬ事は無いでしょう、しかし……」


「ほう。では治療も可能ですね。しかし、何でしょう」


"白山覆い"達がじっと成り行きを見守る。


「毒に感染力があり、それを防ぐのに……」


うん。感染と言っても触れた人が素肌で触れている人まで、つまり布で覆えばそれ以上は感染しないな。

魔物は無駄に感覚が鋭いから嘘じゃないのが分かるだけにすっかり騙されている。


「防ぐのに、何だ。対価なら何でも差し出す。だから子を治してくれ!」


「頼む!」


……ああ、必死ですね。


でも自分も素材は欲しい。


「では、この契約書にサインを。条件は~。対価として、~」


「え!それは……」


「しかし、先ほど、~。ですので、~」


「う、うむ……」


「~。では、よろしいですね」


「……分かった」


「はい。契約完了です。後はこちらの薬師、錬金術師、阻害魔法使い、鑑定師等総力を持って治療させていただきます」


「頼む」


うん。鮮やか。力ずくで来ないのは、称号持ちに囲まれ現在人型のせいで実は負けるから。さすがにこの人数を人型の2体で相手は無理。商人からの牽制(子供が人質)、も入っていた。



結果から言うと、『呪い(閉目)』だった。呪いは解除するか条件を満たさないと効果が永遠に続く。術者は呪いの内容によって対価を支払わなければいけない。

呪い(のろい)の場合は闇属性、呪い(まじない)の場合は光属性。いい効果ならバフ、悪い効果ならデバフといった具合に術者の思い込みで、同じ効果を出せる。しかも、どちらも阻害属性で解除できる。


何が言いたいかと言うと"視毒伝い"君の呪いは()()()()だった。


しかも、Lvの高い。


"丸視"さんの見立てでは、同じ様な名付きの魔物が()()で目を閉じた、らしい。


"視毒伝い"君はまだその毒のコントロールが出来ないらしく、あちこちで毒を振り撒いては、魔物に追いかけられていたらしい。それを不憫に思った、名付きが原因の目を閉じたと言うのが真相らしい。


シド(視毒伝い)君、それ、どうして言わなかったの?今なら両親居ないから言ってみ」


「……ちち、はは、つよい。おわれる、よわい」


「シド君が追いかけられていたのが、弱いからだと。強い両親に知られたく無かったんだ」


「……ん」


「ほー。でも、私達はシド君の両親の依頼道理、君の目を開かせるけどいいね。呪いだから、君の意思が成功率関わるんだ」


「……ん。ちち、はは、しんぱい」


「ああ、心配かけたからね。じゃあ目を開くんだって思っててね」


いよいよだ。とわくわくしながら見守る外野(クラウ含む)。


今回"丸視"の〈解析〉結果から、"万薬"が選んだレシピを錬金術師が高め、付与師が追加効果を付けた素材で自分が途中まで調薬。魔力を込める時から"宝薬"が調薬。追加で阻害属性を付与。


完璧。これで治らない呪いは無い。




毒解除薬を大量に消費(自分以外に)したが後日、ランク6の素材を貰い狂喜乱舞している称号持ち達の姿が見られた。

小鳥→鳥→大鳥→鳳→ロック鳥

小鱗→蛇→毒蛇→冠毒蛇→バジリスク

石の'彫像'にして"壊す"。バジリスクの主食は石か毒。

子供はコカトリスの人魔か人。

親が人魔で、名前が既に付いて居るので、将来どちらか選ぶ。


Lvと魔物と言うものが有るため強者には寛容な世界。特に名付きの魔物を崇拝する地域すら存在する。なので、クラウ達が呼ばれてからの交渉は始めから対価交渉だった。


一応、子供は将来人種を選択する事も契約されている。


大都市は、称号持ちが多いからランク5はまあ、殺せる。

それこそおとぎ話に成る程昔は、もっと称号持ちも少なく、都市の規模も小さく、一つの都市にここまで称号持ちはいなかった。

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