24家出
弟子をとってから10年。まだ進化した事にはしていない。
チッ。しっかり寝たり休憩ばかりしている癖にLvは一丁前に上がって。しかも、見た目クラウの方が年下みたいだ。(クラウ見た目14、5歳、弟子16歳と17歳)この間、弟子に連れられて何時も行かない飯屋、レストランに行ったら兄妹に間違えられた。10年記念だと。
「師匠?」
「お前達、3年以内に自力で3店以上と納品の契約してこい、後マンションも」
なんだか、偉そうな口調になってしまった。
「はい?」
「また師匠の無茶振りだ」
「でも、ようやく自分の薬が売れるわ」
そして弟子も遠慮は無い。
「ああ、Lv21の薬は作れるな。ギルドで銅になってからだ」
「あの、契約する商人への紹介とかって」
「無いな。どうにかして自分を動かすか、'クラウの弟子'を使って商人に売り込め。大丈夫だ私はお婆さんが死んだ後で自力で契約結んだ時もっとレベルも低かったし、年も下だ」
「それは……」
「でも初めてじゃなかったんだろ?」
「状況的に同情的だったのも有るわね」
なんだかんだ言いつつ、1年で契約してくる。
よしよし。
……が、
「何故まだここにいる?」
「弟子ですし」
「金がねぇ!」
「家賃がわりに家事をしているわ」
「エーミル弟子なら師匠の言うこと聞け。カール最初に暮らしたマンション位なら大丈夫な位は稼いでいるはずだ。……ユーリカ、頼んで無いな」
「あ、師匠の食材費は僕持ちです」
「……まだ、皆伝とは言っていない。ここに来ればいくらでも教えるし薬草も渡す。自分は弟子を独立まで導く義務が有る。一人で生きる為の練習だと思え。……甘えるな!」
家を飛び出す。
弟子が追いかけて来るが、戦闘の1つもしたことの無い弟子に自分の〈隠密〉は見つけられない。
そのまま外に行く。
いくら頼んで無いとはいえ、弟子の作るご飯に甘えていたのは事実だ。それを「甘えるな」とは恥ずかしい。
今日この話をすることは決めていた。しばらく離れる事も。商人ギルドには、自分の住んでいる部屋の契約をこの先2年分まで払って有るし、店に話もしてある。
弟子用の薬草も弟子達が使う量から見て1月は持つ量職人ギルドに預けて有る。預ける時何故か生暖かい視線を感じたが?
店への納品の関係上、1ヶ月位しか離れられない。休暇だと思って 違う町に行ってみようか。魔導都市が良いな。確か近いはずだ。いくら近くても学園都市や神国には行かない。
そうと決まれば、別に隠れて移動する訳じゃない。薬都から出る魔車で魔導都市方面のに行く様な商人っぽい魔車に、
「すみません、乗せて貰えますか?」
「なんだ、お前は」
護衛の冒険者は訝しげに見る。
「おや、何処かで見た……ああ。調薬狂い殿でしたか」
ビンゴ!「はい」
……ひそひそ。
「調薬狂いだと」
「ああ、俺薬買ってる」
「ええ。少し高いですよね」
「そりゃ、黒の薬だからしょうがねぇ。今は弟子の薬も出回ってそれは銅だから安いぞ」
「効果が安定してるってのは、便利だぞ。魔物と殺るとき同じLvでうっかり買った回復時間長いとかの博打打たない」
「なるほど」
「~で、弟子と一方的に喧嘩しまして」
「そういう事情が、魔導都市でしたね、では一緒に行きましょうか」
「お願いします。目的地が一緒で幸運でした」
「では出発してください」
「私もこの出会いは幸運でしたよ。薬都に帰ったら……」
「はい。ウーリさん、フィデリオ商会ですね」
「……いやあ、クラウさんと出会えて本当に良かった。私はね、行商時代にフィデリオの若旦那様に救われてから必死に商会の為に努力してきたが、この幸運が、あのクラウさんと契約を結べた事が一番の成果かもしれない」
「自分をそこまで評価してくれて嬉しいです。ウーリさんこそ薬都から魔導都市と言う大きな都市への運送を任されるなんて信用されているではありませんか」
「いやあ、お恥ずかしい。うちの若旦那様はこんな私まで信用してくださって、護衛も金のしっかりした方まで付けてくださいました」
「ええ、フィデリオ商会は評判も良いですから~」
~5日後。
「お世話になりました」
「ええ、これからよろしくお願いします。どうぞフィデリオ商会をご贔屓に」
「ここが、魔導都市」
魔導都市は薬都とは変わった所だった。
魔道具が発達していて建物の表に階段は無く、浮遊具を使い飛んで建物の2階や3階等に直接入る。
薬都は比較的新しい都市だが、魔導都市は古い都市なのでダンジョンがあり、魔法使いが多く、魔石が簡単に手に入る。魔石は魔道具の燃料、魔力を貯められる。
また、魔法使いつまり高レベルな魔法属性持ちが集まるからこそ、魔道具が発達したとも言える。魔道具を作るのに魔法属性の付与と言う過程が有る。
浮遊具は個人の持ち物であり、町のほとんどの建物は2階、3階に入り口が有る。町全体で浮遊具を使う設計だ。他の町が全体を計画して魔道具ありきにするには、この町の様に職人が大勢必要になるだろう。そしてそれだけ集めるのは容易ではない。
故に、この光景は魔導都市特有と言えるだろう。
……門付近、案内看板より。
成る程。観光とまではいかないが、この町を宣伝することでより人を集め、活性化させようと言う狙いか。
十分人口密度は高いと思うが、この魔導都市の周囲1日以内の範囲の町ならもう少し拡大出来るため、衛星都市として利用しようと言う計画が進められている。
エーミルLv37 17歳 錬金24
ユーリカLv36 16歳 錬金23
カールヒェンLv33 16歳 錬金21
町の規模に上限は無いが、大都市と呼ばれる都市の大きさで実質限界。何故なら、それ以上大きくすると、魔物がランク1を発生した端から奪い合う状況になる。これはダンジョンである程度解決される。が、ダンジョンは1つの階層には同じLvの様々な魔物が出て、外と違いどの魔物に出会うかは運。よって相性の悪い魔物に出会って死亡が多い。
ちなみに、開拓する場所は沢山有るし、現に開拓村が有る。開拓村は黒以上の冒険者、職人が住み日夜ランク3以上の魔物と勢力争い、黒以上の商人が出資し、ランクの高い素材を都市に運び売る。




