22薬都に帰る
クラウの姿で薬都に入る。
今は昼過ぎ、何時も薬草を買う店に行く。
「こんにちは」
「おお?もう戻って来てたのか。1週間って話じゃなかったか?」
「なんだか、冒険者が沢山出ている様で。何かあったかなと」
「ああ、正体不明の魔物が現れたって話だ。西門から出た荒れ地に……って、お前さん荒れ地に行ってたんだよなぁ。何か見たか?」
「荒れ地に?……特には。その魔物について詳しく」
とても嫌な予感が、見られたのはどれだ?スライムか?
「何でも山羊か羊に似ていたらしい」
「山羊か羊を見たんじゃないの?」うん?
「いや、それがとんでもない速度で走っていたってよ。3日前か?夜に普段より町の近くで山羊を見たって話が出て、次の日には羊。まあ、討伐出来るだろうと近づこうとした瞬間に猛スピードで走ってったって。昨日の夜にも今度は山羊が走っていて、感知高い奴が依頼で見に行ったが速度もおかしいが体力もおかしいってランクが高い擬態系の魔物でも出たんじゃねぇかって」
……。
「どうも夜に出る様だから、午前中に見かけた冒険者は寝ている間に運良く見つけられたらって奴らだな。本隊は夜確実にて、黒を集めてるらしい、魔法薬も売れるだろうよ。どうだ?薬草。今日は多めに仕入れたんだ、買っていくだろう?」
まあ、話も聞いた事だし。
「じゃあここからここまで、下さい」
「相変わらず豪快だねえ、まいど!」
家に帰るが、やっぱりやられた。
1週間空けるとは関係者には言ったが、空き巣が。悪評じみた'調薬狂い'のせいか、たまにやられる。家には、ほとんど何も無いんだから毎回ドアを壊して行くの止めて欲しい。
今回は、ああ紙入れた箱が中身ごとやられた。が、中の紙は白紙だ。でも取るものは無いって学習するのか、毎回違う人が来るっぽい。
まあ良いか。ん~?ああ、毒も引っ掛かってるな。Lv32の毒薬。箪笥に仕込んでおいたが、あの量だとLv20も有れば耐えきれるだろう。せいぜいHPが減って冷や冷やすればいい。
山羊や羊は、取り込まないから薬に使う部分を残して【等価交換】、減った麻痺薬や毒薬の材料もいる。
〈錬金〉の効率から、Lv20以下の薬草は【等価交換】を使って増やせる様になったが、20以下だとスキルレベルは上がらなくなったし、〈錬金〉で薬草のLvを上げるにしてもMPが足りない。
なかなか、動かないで増やすというのも時間がかかる。
色々、MP回復時間も含めて朝まで〈調薬〉〈錬金〉。魔物の乱入が無いから集中して出来た。
薬を納品しに向かう。
1週間分を置いていったが、昨日の話だと無くなっているかもしれない。帰って来た報告も兼ねて。
「おはようございます。クラウです」
「帰って来たか!薬は有るか!?」
「有ります。そんなに無いんですか?」
「ああ、昨日で全部持っていかれた。ああ、ちゃんと正規の金額でお買い上げだったが、在庫もだぁ?しかも今日の朝方になって件の魔物が見つからなかった、また薬は買いに来るかもだ。緊急だってのは分かるがうちは個人が相手だ!"万薬"だか"宝薬"だかに作らせろ!冒険者の奴らこの際だと溜め込みやがって」
なんか、すみません。
冒険者ギルドも薬を集めているらしい。今回に使う分だけでなく有事の際に使えるよう。進化する様な錬金術師と時属性魔法使い、空間属性魔法使いでインベントリの様な鞄を作れる。そのインベントリバックを薬都の冒険者ギルドは持っている。
「はい、はい。でも、昨日の昼頃帰って来たので今日は何時もの分しか有りませんよ?」
「それで助かる。と言うかやっぱり半日で何時もの量作れるんじゃねぇか」
寝ないで作るとは普通考えられない。
「まあ?自分も忙しいですし?」
「次から黒連中と同じでも良いか?今回の金」
「はい、……ちょうどです。いえ、薬のLvは今でぎりぎりなので」
「じゃあ量だけ増やすぞ。……ほら、次のリストだ」
「さらっと、種類も増えてますが。大丈夫ですけど」ジト目
「おう。次も頼んだ」どこ吹く風
この日は大丈夫だったが、次の日他の店からも納品の増量があった。
もう、お金は増えるけど忙しくなるなぁ。~♪
やっぱり擬態系の魔物だと落ち着いた魔物は当然発見されず。荒れ地に行っていたと言うことで、調べられはしたが「私は人です」で嘘じゃないのですぐに解放され、周囲は何時も通りに戻った。
それから、調べたらあっさり分かった、と言うか自分が薬師だと知っている人は目標だしねと疑いもせず詳しく教えてくれた。
"万薬"
創人種 草水人
器用、調薬に補正。筋力無い分器用はドワーフよりも高い、一般的な薬師の進化種。
個人としては、自分以上の調薬狂い。自分が調薬狂い3世だった。自分は数、"万薬"は種類を求める。様々な素材を手に入れる為に、権力者の元へ。200歳は越えているらしい。
"宝薬"
闘人種 植物人 薬樹
調薬、魔力操作、回復系に補正。調薬技術と回復魔法の高さが釣り合った状態で進化した種。後本人の性格。
個人としては調薬狂い2世。効率、効果を求める人。元はお金貯めてのんびり過ごす為に今頑張ろうと思って100年、進化して当初の目的を思い出す。今は権力者の元、材料揃った状態で求められたら作るだけの怠惰な生活。もうすぐ170歳。
"万薬"はお婆さんの目標、"宝薬"はお婆さんと同い年の関係で、お婆さんが2人の作った薬を持っていた。
とクレメルさんが言う。
「クラウちゃん、2人に会いたいの?よーしっ!この"細鋼"のクレメルに任せなさい」
「そう言えば、調薬の道具を作る最高位の人だった」
「なーに?忘れてたの?クラウちゃんもお金貯めてくれば作ってあげるのに。おまけしてあげるよ」
「この薬都の薬師がこぞって求める"細鋼"の作品をそんな風に言わないで欲しい、でも少し良い薬草我慢すれば今なら手が届く」
「うんうん。毎回薬の素材につぎ込むんじゃ無くて少しはお金を貯めないと。それに弟子とかどうするの?弟子育成はお金かかるわよ?」
「弟子取る気はない」
「え。でも、もうすぐ黒でしょう?金でも取れるけど黒になったら最低2人は義務じゃない」
「……」
「知らなかったの?しかも、進化する有力候補ってクラウちゃん人気……」
「……」
「ま、まあ。ほら、ね。あなたもお婆さんに育てられたでしょう?弟子育成も大事なことよ、経験よ」
「……仕方ない、弟子取る」ごそごそ
「え?これ……Lv51。とうとう黒ねクラウちゃん。おめでとう」
「うん。弟子ってどうやって見つけるの?」
「拾うか、紹介よ。紹介はギルドがしてくれるから信用できる人が来るわね、黒になってしばらくした人なら学園から来るだろうけど」
「弟子はどれくらい、出来るようになれば良いの?」
「適当よ。でもどこの弟子って言うのはついて回るから自分の評判にも関わるからちゃんと育てるの」
「分かった」
クラウは周囲の人から、護衛の冒険者を雇って外に行っていたと思われて居る。薬師が戦闘はしない。
この時、特に条件が無ければ一般的に狩った魔物は冒険者の物。なので、クラウは魔物を売れない。
クラウは仕事中毒入ってる。




