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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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迷子

俺が知ろうともしなかったせいで、俺が邪魔ばっかりをするせいで。


家は無くなり、劣勢の中徹底抗戦を貫いた血の繋がった家族。血は繋がらなくても産まれてから一番長く一緒に居た専属侍女は俺が足を引っ張ったせいで胸を貫かれるなるべく俺を逃がした。


今は、どこか分からない森と荒野の境で独り。


逃がしてくれた時の魔法陣で転移したが、人の住む方向も分からない。幸運にも、誰かの拠点だろう念入りに人だけが通れる結界が張ってある場所を見つけた。荒野の特に大きな岩、その大きな岩自体が〈偽装〉の結界のようで初め、せめて身を隠そうと大岩に近寄って手を着こうとして内側に転がりこんだ。


中は絨毯がしかれ、ベッド変わりに使えそうなソファーが有り、そして数ヶ月は有ろうかという食料と水が有った。


内側からは外が見えるようで、こんな経験したことも無かった俺はむしろ、近くを通る明らかに強そうな魔物を見ては震えて居た。


独りだからか、独り言が増える。

「棄てられた拠点とかじゃないよね。こんなに食料も入った高価そうなカバンだって有るんだし。そもそも、結界の魔導具だって」


……。魔導具で有名だった魔導国でも聞いたこと無い。


「とにかく、ここの主がいつ戻って来るか分からないし、食料もあんまり消費したくない。魔物にはたちうち出来そうもないし、なるべく動かないようにしよう」


ソファーで丸まって眠る。

「……お姉様……、お母様……」












数日後。

ショータは自身の姉と母が本当に死んだ事を知った。





ショータは産まれた時から【固有能力】が2つ有る。

それは、神子ではないが、異なる環境に連れてきた神様からの助力だった。神子、召喚される者と違いこの世界での母、家族を持つ。その為、助力である【固有能力】は神子より1つ少ない。それでも、【固有能力】が強力な事に変わりない。そして、その【固有能力】は20歳までは神様によって隠される。


結縁(けつえん)

相手の同意を得て、義理の家族の縁を結ぶ。

意識すれば互いに居場所や状態が分かる。

親と子として結ぶ際、親は子に命令出来る。


血界(けっかい)

自身の血による結界を張る。

結界の数、形状は自由だが、閉じて居なければならない。

強度は血の量による。

割れた時、その結界に使った分の血は再使用不可。

自身の血は自由に出せる。戻せない。『貧血』に注意。


母とは幼い頃、姉とは姉と呼ぶ許可をもらった時に家族の縁が結ばれた。それにより、母と姉、特に姉が奇跡的にも生きていると知りよろこんだばかりだった。


少しでも寂しさをまぎらわせようと、意識し続け母と姉を感じて居た時。ほとんど同時に母が、姉が居なくなってしまった。


「……あ"あ"、……あ"、あ"、……あ"……」


声にならない叫び。


「あ"……。……」

突然パタンと止めた。


涙は流し続けるままに立ち上がり外へ。


「……ずごじでも、お姉様、お母様の所に……」


ショータは迷子のように、もう居ない母と姉を求め歩きだした。










はあ。結界を出たのか。

何故?今になって。


「……だ、れ?」


「ああ?お前こそ誰だ。魔女の隠れ家から出てきたようだが?」


「……魔女、……。食料、助かっ、た。けど、もう、いい」


……壊れたか。まあ、家族を無くせばな。特に前世の分も両親という物に期待していただろうに。神様は残酷だ。

いや?大まかな流れは読むけど楽しみの為に細かい未来予測はしないんだったか。ルーレシア様が死んだのは細かい事か。……そうか。


なんにせよ、ルーレシア様の侍女はもう居ないが、命令された以上自分が責任持ってショータを育てないといけない。

それに、ショータの家族はまだ()()()()()


「ふん。ショータ・キャンサーか。キャンサー公爵家の者か?」

名前はステータスを見れば良い。会話しなければ誘導は出来ないしな。魔女とヤウと、繋がりは有るが、別人だと思わせたまま引っ張りたい。


「っ!……」

うん?完全に諦めた訳じゃないのか。反応はしたが、無回答。嘘発見機魔導具も有る。公爵家は没落した後だ。特定されるのは良い事ではないだろう。それを回避した?


「ああ。言っておくが、残党狩りではない。……自分はキリ。魔女と呼ばれる事が多いな」


「……」


むう。無視された。そのまま歩きつづける。当てもなく?のわりに進路は真っ直ぐ人里から離れて行くな。森沿いに歩くならともかく、感知系スキルも無いのに見通しも悪い森の中に進む。当然障害物は多いが、迷う事なく真っ直ぐに進む。……おかしい。


……まさか、転生者に何かスキルにならない能力が?だが、種族は普通に人。んん?


まあ、死なれても困る。適当に近付く魔物は殺しておこう。魔力を伸ばしてその先から、[ウォーターカッター]。魔力を伸ばす分、魔力消費は激しいがまあ、MPに余裕は有るし。


さすがに魔物が出ない事に何か思ったのかチラッとこちらを見たが、話しかける間もなく前を向く。


ッチ。面倒臭い。まだまだ数年しか生きてない上に勉強も嫌がる甘ったれが。まだルーレシア様の方が真面目だったぞ?この中身22の子供大人がぁ!


うっうっ。ルーレシア様ぁ。

仕方ない。


「おい?」


「……」


「お前がキャンサー家の者ならば、……あ~、お前の黒髪金目の専属侍女が居るな?」


「……」


「でだ。そいつとは少し面識が有って、」


「……!」


「お前の妹を預かって居る」


「……ッチ」


ああ?

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