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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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舞台裏3

【貫通】は状態維持に関しては弱かったようだ。

いや、普通は『貫通』なんて付けば状態を解除しないとHPが超スピードで削れ続けるし、厄介なのだけど。自分の固有能力も反則だった。

槍が抜かれた瞬間、他者からの状態はあっという間に【独立】に押し負けた。つまり、解除された。治った。


それでもHPは1割も削られるし、痛いものは痛いし。ちょっと試したい事が有ってそのまま倒れたままに。案の定、ステータスは見えないが、自分に死亡判定を下したようだ。1割とはいっても普通にLv100位のHPを越えている。あの男、進化前の人なら指でつつくだけで穴あくだろ。


昔倒した魔物の血をこっそり流す。隠す気は無いから直接[転移]させても良いが、派手にやろう。カモフラージュにもなる。


血は同Lv液体の中でも魔力保有能力が段違いだ。魔導具に刻むような、魔法陣を血を〈魔力操作〉で操って描く。もちろん隠蔽もしつつ魔力を血にたっぷり含ませて。陣が完成してからは隠蔽に割いた分も念入りに魔力を込める。余裕綽々とくっちゃべってくれてたおかげで、良い仕上がり。


陣を発動。無事翔太様は転移。


しかし、ここが血で作った魔法陣の欠点。魔力が多過ぎて発動後に残ってしまう。ある意味何度も発動するといえばそこまでなのだが、うっかり操作をミスって陣が崩れちゃった、えへ(棒)。


魔力が暴走を起こす。[転移]は元々〈空間属性〉の魔法。つまり、暴走の結果、空間はねじれる。……と、血に残った魔力が尽きる。空間が一瞬で戻る。この時、戻る衝撃が波となって周囲を襲う。それこそ〈空間属性〉を使える者は防げるが。


全力で隠密しつつ、周囲を見る。ッチ。あの槍の男は生きてるか。攻撃全振りで防御は弱いと思ったが。


ちなみに、この時点で感知した限りキャンサー家で生き残っているのは逃がした翔太様とルーレシア様だけ。ルーレシア様は妊婦と言う事と、いざというときの人質に捕らえられた。だからこその余裕だったようだが。


家、といっても結界内の狭い都市。搭はさっきの衝撃波で完全に崩れた。ルーレシア様の所はきちんと[〈空間属性〉複合結界]で守った。見張りは弱かったのか運が悪かったのか死んでいた。今の内にルーレシア様を拐おう。











神様の夢。のち、現実。


「……ルーレシア様?」

自分でも笑ってしまいそうな程、頼りない声。ルーレシア様は数日経った今も目覚めない。原因は状態を見れば分かっていた。神様も言っていた。


場所はずっと、ずっと行った所。人類の生息圏外。魔女について調べられていると分かったのでもう少し行った所。これ以上は倒す分にはまだ余裕は有るけど、拠点の維持が面倒臭くなる。だから、〈隠蔽〉の結界を十重ね、〈隠密〉の結界を二十重ねて念入りに。


上等な、どんな都市でもお目にかける事も出来ないベッドには、海色の美しい女性がこんこんと眠って居た。側には同じ色の赤子と言うにも小さい未熟な子が、水槽のようなものの中に、液体の中に漂っていた。


その側に呆然と立つ寝起きの女性。黒髪に金目の猫又の女性。


海色の女性は、どんな高Lvの薬でも目を覚まさなかった。

ただ、最期にと、危険だからと試さなかった、執念か偶然にもできた呪いの気付け薬、を飲ませた。止めになるかもしれなくともただ、目を覚まして自分を見て欲しい、と。


「……ね、ぇ。ヤゥ。ぁりがとぅ……ともだち、に、なっ……くれ……。こ、も……たち、お、ね、ぁぃ……ね」


「……」

ただただ、声が聞きたかった。だから、自分の声も、水滴が落ちる音も邪魔だった。


「なか、な、……で。……ね、え。……ヤウ。こぇ、き、たぃ、ぁ」


「……ルゥレシア、様。……ああ。ルーレシア様。この姿と名はルーレシア様に捧げます……」

もう、二度とこのキャラクターは


「 」

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