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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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齟齬

さて、翔太は自分が転生者だと明かすのかどうか。


自分は翔太に知っている事は知られない様にかつ翔太が暫定転生者だと知られない様に動くが。

転生者は下手に前の知識が有る分、この世界との齟齬に苦労するだろう。代々神子の世話をしてきた神殿ならノウハウも有るのかもしれないが。



初めの食事の際も血、と聞いて拒否したが、この世界ではごく一般的な液体素材だ。よほど低Lvか特殊な物以外の液体薬のベースも魔力保有量の観点から血が使われる。


下手をすれば貧乏な家では赤子は親の血を飲んで育つ。ここで、恐らく神様のイタズラだろうが、幼少期に人の血で育つと稀に変異人種、吸血人(ヴァンパイア)に変異するらしい。

普通の人と変わらないが、血でHPやMP回復できる。そして夜行性。日に当たると焦げるとかは無い、AB型Rh-ですか珍しいですね。な、種。


それ以外にも昔は居なかった、下半身魚で固定な人魚とかが変異人種として最近では"亜人"なんて呼ばれているらしい。そのうち種として定着するかもしれない。




……で、そういったこの世界の情報をいかに他人に知られる事も違和感もなく伝えられるか。


別に翔太が転生者だとバレても問題は無いが、神様に頼まれた通りに翔太の面倒をみるのが難しくなるかもしれない。

というか、普通に赤子の中は14歳とか気持ち悪いだろう。そんな気持ち悪い存在の味方だとか思われるのは、嫌。



そして今日もせっせと世話を焼く。

「はい。翔太様、お食事です。今日はこの魔導国首都の南ダンジョンから取れたLv80の果物の汁です。今日も豪勢ですね。Lv80なら黒冒険者、ベテランパーティーが依頼を受けたのでしょうか」


「あー」


「はい。甘いですね。滅多に食べられない高級品です」


「ぶー」


「そうですね。明日はまた血でしょう。今日はルーレシア様、翔太様のお母様の誕生日ですので」


「クスクス。お話ししているの?今日もありがとう。ヤウ」


「はい。ルーレシア様お誕生日おめでとうございます」


「あー!だあー!」


「ふふっ。ありがとう。ヤウ、ショータちゃん。……ヤウは初めこの仕事を渋って居たけれど、きちんとやっているようね」


「はい。赤子が言葉を覚えるのは周囲の言葉を聞いてでしょう。……ルーレシア様の方は、その……」


「……ええ。でも、ほらまだ、体型戻って居ないから」


「お綺麗です。……社交や視察も貴族の仕事です。一度であきらめてはいけません」


「……今日は休憩。せっかくショータちゃんとヤウに癒されに来たのに。……だって、いつもはヤウが……」


「……私が離れる事を想定して居なかったのは事実です。申し訳ございません」


「ヤウは悪くない。ヤウは守ってくれて居ただけだわ。それに、決めたのは自分。ちょっと悪口言われた位、自分で対処しなきゃ」


「……あー!」


「そうね。せっかく来たのだしショータちゃんといっぱい遊びましょう」






本当に、自分とルーレシア様が離れる想定をしなかったのは痛い。ちょっと。……大分甘やかしてきた自覚はある。ルーレシア様は忠言も言っていたと思っている。確かにルーレシア様自身を高める為にはいろいろ言っていたが、貶められた時の対処は全てヤウがやってきた。


そして、今。ルーレシア様は初めて味方が居ない社交や悪意ある現実をみせられる視察で、弱気になっている。出産後で不安定なのもある。

社交では中立を味方に付ける事も大事だし、視察でも悪意が有ろうが現実は現実。直視しなくてはならない。要は、捉え方、受け止め方。自分がどう行動するか。そこを学んで来なかったつけだ。


心配だ。

……チガウ。今キャンサー家は難しい立場のはず。神様の頼まれ事の為にもなんとか。


「……ヤウ?」


「はい」


「ショータちゃんが眠ってしまったわ?」


「では、寝かせてあげましょう。赤子はよく寝る物です」


「そうだったわね。孤児院でもそうだったわ。案外赤子の抱き方は覚えて居る物ね。……孤児院に戻りたい……」


「……」


「ふふっ。……私、ちゃんと幸せよ。素敵な旦那様も可愛い子も美しい友達も居るもの。これ以上を望めば罰が当たってしまうかも」


「……はい」

そうでなくとも、誰にだって理不尽は訪れるし本当にそれが不幸なのかは分からない。ああ。所詮自分は自分の為にしか行動出来ない。










魔導国、議会。

羊「~では次、リーブラ」

秤「はい。以前にも出したが、技術者が減っている」

牛「以前にも言ったが、平民の、技術者だろう?特に問題は無い」

獅「ああ。むしろ蛇含め貴族下の研究者や技術者は増えているはずだ」

蟹「平民の技術者が減った所で家の魔工場で賄えるだろう」

瓶「本気で言ってる?」

蟹「ああ?」

魚「公爵の方々も少しは民に近づく努力が必要では……」

双「ちょっと。僕にも言ってる?」

秤「言ってない」

馬「どういう事だ?」

山「ああ、サジタリアスは最近景気が宜しいようで」

双「魔物素材が高騰してるの!キャンサーで量産されてる加工品が安いわりに。だから職人は加工品が売れないし、素材も高くて買えない。技術者が育たないんだ」

馬「でも、公爵ん所の研究者は増えたんだろ?」

蠍「サジタリアスでは軍が居れば冒険者は要らないと仰せで?」

馬「んなわけがねえ。役割がちげえ。こっちは魔物を狩ってんじゃねえ。魔物から都市を守ってんだ。なのにいつもいつも縄張りがどうの」

蠍「はいはい。じゃあ冒険者を追い出さないのは?」

馬「だから、魔物を狩るのが冒険者だろ?守る軍とも、一定の獲物しか狙わねえ()()とも違って、どんな魔物にも挑み様々な素材を持って帰る」

蠍「どうして、それを技術者に当てはめられないのか」

牛「平民の技術者の存在意義だと?」

瓶「分からない訳が無い」

蟹「だが、魔工場があれば」

瓶「はあ。魔工場で作った製品のLvは?」

蟹「……11~35辺り」

獅「何!それ以上は」

蟹「無茶を言うな!素材からして集まらん」

双「そこだよ」

牛「……そうか!」

瓶「まず、平民の技術者が居なくなる事で、我々が作る物以外は出回らなくなる。Lv36以上を作れる技術者もだ。我々が作る物にも限界は有る。結果、市場にはLv35以下という粗悪品だけが出回る」

蟹「粗悪品だと……!」

獅「いや、良く考えろ。量産としては品質も安定して良い物だが、Lvだけを見ると……なあ」

蟹「……くっ」

山「……現在、素材の価格が高くなっている事は言いましたね。素材不足が原因です。そして素材の高騰に伴い加工品も……インフレですね」

蟹「……どうしろと」

双「原因は明らかだよ。キャンサー、魔工場止めなよ」

女「待ってください。国内の事ですので口は出して居ませんでしたが、工場製品は輸出についても……」

経済はよく分からないけど、ニュアンス的にキャンサー家が不安定とだけ。

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