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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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蛇の鍵

(特別魔導国研究資料)(許可証)を持ってアリーズ家を訪ねる。が、通された階は丸々一つの空間で柱以外何も無かった。


言われるがままに、一つの柱に蛇の鍵を翳す。


「!」


「ようこそ。探求者」


「……[転移]の魔法陣」

どれだけの距離か分からないが、高レベルの〈空間属性〉〈装飾〉と素晴らしい器用さだな。


「おお。これはこれは、冷静で優秀な探求者だ。……ん?探求者ではなく単に許可されただけか。蟹の……」


「……はい。ヤウです。資料を見にやって来たのですが」


「……そうか。初めてだな?時間は有るかね。先に契約書を始めとした様々な書類を書いて貰わねばならないのだが」


「大丈夫です。……あの、ここは?」


「ふむ。場所は言えんが、旧都と言えば分かるかね?隠された都市、魔導国第十三都市、オフィウクスだよ。お嬢さん」


昔来た事有るから場所は分かるけど。第一都市の北東にずれた所だな。

「ここが!廃棄されたのだと」


「ああ。元の都市丸々は維持出来ないからごく一部だが、魔女を知っているかね?魔女の隠蔽結界の魔道具で隠されているのだよ。こちらにサインを」


「はい。……何故隠されて……」


「ふむ。例えば、あまり広めたくない技術の開発をしている、公に出来ない実験をしている。まあ、お嬢さんは資料を見に来たのだろう?見ればわかるさ」









成る程。……人体実験か。

そう言えば、最初に保護された時に利用した奴隷商。多分方向的に最終的にここに来る予定だったのかもしれない。


内容は最新のもので、人の仕組みの解明から、人魔具融合実験、魔導人形(人体素材系)。が主。その他に長期間の物で、ある程度の結果が出ている、スキル取得調査。それから……いずれ送られて来るであろう、魔女関連。


魔女は秘密の宝庫らしい。

不老不死らしいし、様々な高レベルスキル持ち。やはり、一定数の不老不死を望む者は存在する。高レベルスキルの効果の検証や、そこまで育てる関係で実行が難しい高レベルスキルの組み合わせ。


「ヤウ嬢も魔女には興味が有るのかな。不老不死について?それともスキルかな?」


「……存在そのもの。ですかね?あなたはどう思いますか?魔女は何を考えているのでしょう。私には、よく分かりません」

独りで過ごすあの時間はとても楽だった。自分のリズムで時が過ぎ、何百年もの時間はあっという間だった。昨日と同じ今日、今日と変わらない明日がやってくる。その繰り返し。


……自分は何が不満なんだ?


「ふむ。お嬢さんは面白い考えをするのだな。魔女の存在、それも極めて主観的なものか。……客観的な経歴の調査、スキルからの性格診断は行われて来たが、これは盲点だな。確かに、人は何らかの意思を持って動いている。しかし、我々が魔女のそれについて考え無かったのはその意思が感じられなかったから」


「……意思」

神様は承認欲求だけで動いているって言っていたが?


「ああ。そんな疑いの目で見てくれるな。とっさとは言え考えれば考える程そう思うしかないのだから。要するに、お嬢さんが言いたいのはこういう事だろう?

・何故、何時から、そんな所に居るのか?

・何故、生産し続けるのか?

・何故、」


「いえ!いいです」

途中まで聞いて分かった。他人の考察何か意味が無い。むしろ何か怖い。


「そうか。まあ、これはお嬢さんの疑問だ。ここまでにしておこう。……ああ。魔女の詳細な資料は第7研究室だよ。ここの資料は資料というよりは論文だな。資格の有るお嬢さんなら自由に見て良いからね。そして、どんどん発言してくれたまえ。些細なきっかけは時に何よりも価値が有る」


「……はい」


「私はこれで。ああ。今日は第4研究室で2人でのスキル合成実験が行われる。時間が有れば行ってみるといい」











そこそこの広さは有るが、人が少ない?

第4、……第4。……あった。

「見学者かい?そこを入った右側の部屋から見れるよ。けど、少し遅れているからその手前の部屋に資料が置いてあるから読んでみて!」


「ありがとうございます」

研究者がバタバタと、通り過ぎて行く。

部屋に入ると、数十人の人が思い思いに資料を読んだり、討論したりしていた。


「~!」

「いや!この式では~!」

「だから!~」

「では、~」

~~


「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……」


「この理論によって、~~

~ 「それは、」だから!~

~~ 「いや……」それから!~

~~~ 「あの、」従って!~

で、ここが、~~~」「……」



おお。凄い。聞くだけで勉強になる。資料も気になるが、とりあえず話に耳を傾けよう。〈並列思考〉〈聞き耳〉〈記憶〉をフルに使って。



「……時間ですが」


「   」ピタッ


一瞬で、静まり返ったかと思えば、一斉に、ぞろぞろと移動が始まる。


「おい。前のもっと低くなれ」

「そっちもっと詰めて~」

「……ん?ここはやはり空間投影具の申請をすべきだな」

「いやいや、それよりは空間拡張の方でしょう。やはり生で、~」

「それでは、始まりますね!」












どこかの、ラサルハ・オフィウクス・アリーズ

面白い話題だ!

魔女という存在。


私は、その意思の全てに意味は無いと断言する!

間延びした無駄な生に、何も考えて居ない思考。

趣味の範囲の機構のくせにLvだけが高い魔道具師をバカにしたかのような魔道具の数々。

その不老不死の体もスキルも、我々が更に先に進む為の踏み台でしかないと言うのに!


何て腹立たしい。魔女め!

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