冒険前準備
とりあえず、徐々に修正をしながら誤字を見つけたり、文字足しをして行きます。
明日の投稿で、ついに、門の外へ討伐に出かけます!
長めに書く予定です。
んーーーー っと背筋を伸ばす
どうやら目覚めたようだ。
「寝ちゃったのかー。今何時だろう?」
時間を確認すると、まだ朝の5時だった。
冒険者ギルドが開くのは朝の7時からなのでまだ早い。
クリーンの魔法を唱えて体を綺麗にする。
喉が渇いたので、下覗いてみるかな。
けどこんな早い時間にいるわけないか。
「マスター、水魔法で水を作ればいいですよ」
「飲めるの?お腹壊さない?」
「はい、魔法で作った水はどちらかと言うと魔力が豊富に含まれているので通常の水よりも重宝されます」
へー。 魔力を含んでるから、飲めないと思っていた。これはいいことを聞いた。
まずはコップを作ろう。
せっかく創造の魔法があるのだから、綺麗なガラスのグラスにしようかな。
「クリエイト」
ベネチアングラスをイメージしてクリエイトしていく。目の前に広がる魔法陣の中心に徐々に構築されていく。
時間としてはほんの15秒ほどだったが、集中していたためとても長く感じた。
「出来た・・・」
綺麗だ。まさに旅行に行った時に見たベネチアングラスだ。欲しかったんだよねー。
魔力はどれくらい減ったのかな。
◼️ステータス
魔力 1000000/10000000
あれ?減ってない?!
「いえ、1万ほど消費したのですが、マスターの異常な回復力により10秒ほどで
回復してしまいました」
おー、、、、、
まさかグラスを見つめている間に回復しているとは・・・・
「もっと色々作ったり試して見たほうが良さそうだね」
「はい、マスターの魔力を持ってしてもまだ今の状態だと作れないものがたくさん出てくると思います」
「今日からレベル上げも兼ねて討伐するから、宿に戻ったら色々作ってみるか!」
早速水を飲むために魔法を行使する
「ウォータ」
グラスに水を注ごうとするが、
バシャー
グラスから大量の水が溢れ出た。
「調整したんだけどな・・・割れなくて良かった」
風魔法と火魔法を使って、ドライヤーのような魔法を作ってみる
「よし、無事に乾いたな」
ゴクゴク
ゴクゴク
プハァー
「うまいなー朝起きたての水はさらに格別だ」
そうこうしているうちに、6時になった。
カーンカーンカーンと鐘が響く。
外で物音や人の声が聞こえ出した。
食事は何時からだろうか。聞きそびれてしまった。
とりあえず、下へ降りて聞いてみようと思い、1Fに向かった。
綺麗なお姉さん?おばさん?と言うのは失礼だろう。
受付に立って何かをしている。
「おはようございます。朝ご飯って何時からか聞きに来ました」
「おはようございます。あなたがトーカさんね。ルミアから聞いてるわ!」
何を聞いてるのだろうか?疑問に思ったが、とりあえずスルーすることにした。
「はい、トーカです。よろしくお願いします」
「ご飯は朝の6鐘がなったら用意出来てるから声をかけてください。持っていきますので、好きな席に座っててくださいね」
ルミアさんのお母さんだろう。どこか似ている。
優しそうな方だ。
十華は適当な席に座った。
「お待たせしました。置いておきますね。朝はみんなバタバタしているので、食べ終わったらそのまま置いて置いてくださいね」
「ありがとうございます」
朝ご飯はパンとスープのようだ。
これが黒パン!!!異世界名物・・・・と思ったが普通の白いパンだった。
食べてみると、ふんわり柔らかい。
ここの料理はどれもすごく美味しい。
スープは昨日の夜とは違い、シチュー?のような感じだ。
知っているシチューよりも少し濃厚で味が濃く、
パンをつけて食べるのに合うように作られているようだ。
今日は冒険者ギルドで初依頼を受けるので、ささっと食べて、
部屋に戻って準備をする。
準備といっても、荷物は無限庫なので、着替えをするだけである。
時間も6時50分と冒険者ギルドが開く7時間近となったので、
受付で挨拶を済まし宿を後にする。
ルミアさんは朝の担当ではないのか見当たらなかった。
初依頼。なんかワクワクしてくる。
テンション高めな十華は足早に冒険者ギルドに向かうのであった。
歩いてると獣人や、稀にドワーフ?だろうかを見かける。人族のが多いので、普通にしていたら、一昔前の日本くらいで済まされる範囲だ。
しかし、猫耳に、犬耳、小人のような髭の生えた人を見かけると日本では、ないんだな。
違う世界に来たことがよくわかる。
ギルドについた十華にたくさんの視線が注がれる
なんだろう?なんかしたかな?
「マスター・・・昨日のクマさんの件ではないですか?あの方ここでは上位冒険者ですし。」
あー なんかいたな。
十華はあまり興味のない人は覚えないので、すっかり忘れていた。
視線を気にするのはやめてそのまま奥にある掲示板に向かう。
とりあえず、依頼を受けるために依頼書を見ようとするが、良い依頼を取ろうとする人達で揉みくちゃになっている。
これを潜っていくのは骨が折れるな・・・・
十華はとりあえず落ち着くのを待つ事にした。
「おい」
んっ なんだろう
肩に手が触れた。
敵意は感じられない。
振り向いて見るとそこには。
「あ、クマさん、おはようございます」
「おう、おはよう!ってクマさんじゃなくてグーマだこら!」
相変わらずのクマさんである。
十華はとてもめんどくさいなと考えていた。
撃退しとけば良かったのかなー。
こんなにすぐ絡んでくるとは。
「あ、はい、グーマさんですね。すみません。
それより、何かようですか?」
「おおぅ・・・別にクマさんでも構わないが。依頼書が取れないんだろ?
俺がとって来てやろうと思ってな」
あれ? やっぱりこの人いい人か。
見た目と言動もあり、悪役にしか見えないが。
「あ、はい、ありがとうございます。Fランクの依頼を適当にお願いできますか?討伐も問題ないと思います」
「Fランクの依頼だな。薬草採取と一角兎の討伐は常時依頼だから、受ける必要はない。となると、ゴブリンの討伐だな、ちょっとまってろ」
「おい、ちょっとどけおまえら!」
クマさんが叫び近づくと、もみくちゃになっていた人が道を開けていく。
おいおい、そんな取り方ありかよ!っと思ったが、ツッコまないことにする。
「ほれ、取ってきたぞ!初めての討伐は危ない。俺がついて行ってやろうか?」
いやいや、むさくるしい、男と冒険とか、全然嬉しくない。
このままパーティーを流れで組むことになったら
俺の異世界生活に・・・重大な支障が出る。
リア充潰されたけど、異世界でおっさんと一緒だから楽しいです。
とかになってしまう。
「ありがとうございます。でも、人に頼ると癖がついてしまうと嫌なので、
一人で行こうと思います」
これはナイス言い訳だろう。
「そうか・・・ 気をつけろよ?」
なんかいい人キャラが定着してきてる。
「クマさんも、そんな怖い顔してるんだから、他の人怖がらせないようにね」
「うるせー さっさと行け!」
受付のマリアさんの所に並びに行く。
今日も相変わらず綺麗だ。
美人は三日で飽きるというが、2日目にして全然飽きていない。
あの獣耳を是非触ってみたい。
「マスター、この世界でその発言はセクハラです。捕まりますよ?」
やっぱり、獣耳は大事な人にしか触らせないとかいうパターンか。
「その通りです。獣人は結婚するまで、耳や尻尾は家族以外に触らせません。
どうしてもとおっしゃるなら、奴隷でしょうか。」
出た・・・奴隷
日本人には嫌悪感がとてもあるが・・・
小説を読んでる時奴隷は定番だった。
秘密は守ってくれるし。
異世界から来た主人公には必須とも言える仲間だ。
「んー、でも奴隷とか買ったら引かれない?冒険者って奴隷とか買うの?」
性奴隷などが一般的であれば、買ったその日から周囲に引かれる可能性がある。
せっかく異世界に来たのに変な目で見られて町にいずらくなるのは避けたい。
「冒険者の方だと、戦闘奴隷が一般的ですね。高ランクの冒険者は連れている事も多いです。奴隷のドロップ品は全て主人に行くので、パーティーを組むよりも独り占めできる分収益が上がったりするようですね」
なるほどなー。
どちらにしても、この能力は誰にも言えない。
他の人とパーティーを組むことは出来ないし。
奴隷でもそのうち見に行って見るかな。
一人は寂しいし。
えっ けしていやらしい目的ではないですよ?
十華の番が来たようだ。
「おはようございます。マリアさん」
「あっ トーカさん、おはようございます。早速依頼ですか?」
笑顔が朝からとても眩しい
「はい、お金を稼がないと行けないので!このゴブリン討伐でお願いします」
「わかりました。ステータスプレートを出してください」
十華は無限庫を通し、ポケットからプレートを出す
「はい、受注できました。十華さんのステータスであれば失敗する事はないとは思いますが、クエストが失敗した場合はクエスト依頼報酬の約2割の罰金がありますのでお気をつけください」
「わかりました。そういえば討伐ってどうやって証明するのですか?」
ドロップ?っとさっきネルが言っていたし、討伐部位みたいなのが出るのだろうか。
「はい、説明致しますね。ステータスプレートを出してください」
言われた通りにステータスプレートを取り出す。
「裏面を見て魔力を注いでください。」
ん、裏面に何か載っているのだろうか。
魔力を注いでみる。
◼️受注クエスト
ゴブリン退治 0/5 未完了
あーなるほど・・・受けたクエストがここに表示されるわけね。
これはなんとも便利だ。
「これでわかるわけですね、これは便利だ、ありがとうございます」
異世界っぽさにテンション上がったので
ニコっと満面の笑みでお礼を言う。
「あ はい、、えっと、」
ん、 なんか歯切れが悪い、動揺しているようだ。
今は何もしてないんだけど、何か余計な事しちゃったかな。
「どうしました?」
尋ねてみる
「へっ あ、なんでもありません。ゴブリン退治頑張ってくださいね」
頰を赤らめて、動揺を隠すように返事をする、マリア
十華はそれほど、鈍感すぎる事もないが、
異世界に来たばかりで、いきなり可愛い受付に惚れられると思うほど
自惚れてもいないのである。
しかし、十華は女神様により、イケメン補正を貰っているのだ。
誰しもが惚れると言う事はないが、十華の満面の笑みを見てしまったら
顔を赤らめてしまうのは無理もないだろう。
「ありがとうございます!!初依頼行って来ますねマリアさん」
「はい、行ってらっしゃい」
笑顔でお見送りをするマリアであった。
そんな様子を酒場で準備をしている冒険者達は、
嫉妬の目で見ているのを十華が気づく事はなかった。
冒険者ギルドを出た十華は準備をするため、雑貨屋を目指す。
宿を目指す通りの道に見かけていたので、マップを見なくても道は覚えている。
真っ直ぐ行くだけなのだが。
噴水を越えて、真っ直ぐ行くと雑貨屋や、屋台、武具店など
お店がたくさん並ぶエリアについた。
所謂商業エリアという所だ。
西には冒険者ギルド
東には商業ギルド
北には領主館があり、少しお金を持った人達が住むエリアだ。
南には門があり、庶民が多く住むエリアである。
雑貨屋を見つけた十華は、中に入ってみる。
今回買うのは、ドロップアイテムを入れておく袋だ。
無限庫があるが、これを使うと、厄介事の種にしかならない気がする。
雑貨屋に入ると、そこには、麻袋や、木で出来た、お皿やコップ、スプーンなど日常で使いそうなものがたくさん売られていた。
商品は木で出来た机に無造作に置かれている。
麻袋の大きさは小が小さいコンビニの袋くらいだろうか。中がスーパーで貰う袋ぐらい。
大がホームセンターとかで貰える大きい袋くらいだ。
基本は無限庫に入れておけばいいので、
中くらいのサイズの麻袋を買うことにする。
「すみませんー」
そう、これだけ色々物色しているが、誰も人がいないのである。
なんとも物騒だ。
ん。。。誰もこない
「すみませーーーーーん」
足音が聞こえる。
「なんじゃい、そんな大声出さんでも聞こえとるわい。年寄り扱いせんでおくれ」
うわぁっ
びっくりした。どうやらお店の奥にいたようだ。
「すみません、誰もいないのかと思ったので、大きな声を出してしまいました」
70歳は過ぎてるよな?白髪混じりの髪を束ねたお婆さんだ。
少し目つきが鋭い。色々な修羅場をくぐって来たような印象を受ける。
「お前さん、見ない顔だね。新人かい?」
「はい、初めまして。トーカと言います。昨日冒険者登録したので今日は素材を入れる袋を買いに来ました。これからもよろしくお願いします。」
「おお、冒険者にしては礼儀正しいね。嫌いじゃないよ。上のランクを目指すなら大事な事だ。忘れない事だね。それで、その袋かい?」
麻袋を指してお婆さんがいう。
「はい、これください」
「300アルトだよ」
十華は銅貨を3枚出して渡す。
「私はアルメダだよ。お前さんは、大物になりそうな予感がするから期待しているよ」
最初怖いとか思ったけど、意外といい人だった。
「はい、アルメダさんありがとうございます。また来ます」
十華は、雑貨屋を出て屋台へ向かう。
お昼ご飯を買うためだ。
通った時に凄くいい匂いがして気になっていた。
美味しそうな串焼きのお店を覗いてみる
「おう、兄ちゃん、1本どうだ?」
試食させてくれるみたいだ。お言葉に甘えよう。
「ありがとうございます!是非」
こんな美味しそうな匂いをしたものを断るわけがない。
パクっ
うわー、美味しい。 塩胡椒がかかってる訳もなく
肉って感じの味だが。その肉肉しい感じが肉好きにはたまらない。
赤身の部分のお肉をそのまま焼いた感じだろうか。
昨日のオーク肉には劣るが、屋台でこれが食べれるなら十分である。
「どうだ?」
「うまいです!!!!」
「そうだろそうだろ!俺がやってるんだから当たり前だがな!」
ハッハッハッハハハ
豪快な笑い声でドヤ顔をしてくる
居酒屋の店長とかにいそうな、タイプだ。
ダンディーな顔に程よい髭。布を頭に巻いている。
大工仕事にいそうなおじさんといったほうがわかりやすいだろうか。
「20本ください!!!それよりこれなんの肉ですか?」
無限庫に入れとけば時間も止まるし、何個合っても困らないだろう。
100本とか欲を言えば欲しかったが・・・
冒険前に時間を食うわけにはいかない。
「おおう、そんなに食べれるのか?これは一角兎の肉だが」
確かに一人でそんなに買ってたら変か。
「ネル、アイテムボックスってスキルである?」
「はい、あります。しかし、時間停止もついてないですし、容量も魔力依存なので、それほど大きくはないですね。宮廷魔術師くらいで、麻袋大×10と言ったところでしょうか。スキルとしては、希少ですがいない事もないのでそこまで問題にはならないと思います」
なるほどなー。麻袋大が10個でも十分すごい気がする。
日本でそんなのあったら簡単に富を手に入れることが出来るだろう。
しかし、時間停止もついていないとの事なので、余り見せびらかすようなことはしない方がいいだろう。
小さめのアイテムボックス持ちということにしよう。
だが、ステータスプレート見せた時に突然アイテムボックス増えていたらおかしいか?
「大丈夫です。ギルド員が見れるのはステータスのみです。スキルは各自または、見せたい相手に開示するよう念じないと他者は見ることが出来ません」
そうだったのか。あそこまで偽装する必要はなかったのか。
「いえ、鑑定持ちがいるので、それはそれで必要です」
あっ
そうだった。鑑定スキル持ちがいたらバレてしまう。
偽装は結局必要だったということか。
「持ち帰りなので、全部食べる訳じゃないですよ!」
「ハハハ!今すぐ焼くからちょっと待ってろ!」
5分ほどで焼きあがった。
笹のようなもので5本ずつ包んでくれている。
「ありがとうございます」
十華はそのまま無限庫に突っ込む
「おう、ってアイテムボックス持ちか?珍しいな」
あれ、珍しいって言われた。
希少だけどいなくはないって・・・始まりの町だとほぼいないんじゃないか?
これはまずったかな。
「はい、小さいですけど。便利です。また来ますね」
よし、言えた。完璧。
屋台を後にし、門に向かう間に、
リンゴに似た、アプリ、みかんに似た、ミプルを購入した。
その他にも塩、小麦などを残りのお金をほとんど使い果たし購入した。
門に着くと、初めてこの町に入った時にいた衛兵さんがいた。
20大半ばくらいだろうか?日本にいた時の友達などと同じくらいな印象だ。
衛兵だけあってガタイがしっかりしていて、いかにも好青年な衛兵と言った感じだ。
「すみません、仮身分証返しに来ました」
「お、昨日のだな。ステータスプレートを出して貰えるか?」
ポケットから出して渡す。
「はい、これです」
確認している。
「よし、大丈夫だな。返金分の銀貨2枚だ」
常に少しの銀貨を入れてるのだろうか?ポケットから銀貨を2枚取り出し、
十華の手に渡してくる。
「ありがとうございます。冒険者になったのでこれからよくこの門にくるのでよろしくお願いします」
「おう、頑張れよ!俺の名前はトーマスだ!よろしくな」
おー、見た目トーマスだわ。
うん、トーマスだ!なんかしっくりくる。
「はい、トーマスさんお願いします。では、討伐行って来ます!」
「気をつけろよー!門が閉まるのは夜の6の鐘のなる時間だからそれまでには帰ってこいよ!」
十華はトーマスさんに了解!と手で合図し、門を後にした。