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異世界初ご飯に感動!

続きです。中々冒険に出れてませんが、次から冒険らしくなっていきます。





冒険者ギルドを出た十華は、宿屋を探し始める。

出来れば美味しいご飯が食べたい。


「ネル、美味しいご飯の出る宿屋わかるー?お風呂があると尚嬉しい」


日本人だし、やはり、お風呂で温まりたい。

よくある異世界の体を拭くだけと言うのは辛い。



「そうですね、比較的オススメ出来るのが、噴水をこのまま真っ直ぐ抜け、

右手に曲がった所の路地裏にある、エーゲの泉という宿がオススメです」



さすが、なんでもよく知っている。一人だったら、とんでもなく苦労していたのではないだろうか。

有り難くそこへ向かわしてもらう。


「ありがとう、そこへ向かおう」



「ですが、マスターの今の所持金では、お風呂のある宿屋は難しいので、お風呂の代わりでしたら生活魔法の

クリーンを使う事をオススメします」


定番のクリーン!魔法は本当に便利だ・・・まだ魔法を使ったことはないが。

宿で部屋を取ったら色々と練習してみよう。



「えっと、ここを右に曲がって、この細い路地を抜けたさき?こんな所にあるの?」


十華は戸惑いながらも細い路地を抜けて行く。

普通はこんな所曲がらない。


都会に良くある、ビルとビルの間の路地をイメージして貰えばわかるだろうか。

それほどまでに細いのだ。人一人が通るのがやっとだろう。



しばらく進むと、本当にあった。


狭い路地を抜けた先には少し開けた場所があった。

道幅は車一台通れるか程度だろうか?



宿を探していると、すぐにわかった。

エーゲの泉という青色色に白で書いた大きい看板が見えたからである。

これは目立つ・・・裏通りにあるから意味があるのかはわからないのだが。



ここがエーゲの泉か。

思ったより綺麗な外観だ。



扉に手をかけ、ドアを引いてみる。

中に入ると、木の温もりを感じる暖かみを感じる清潔感のあるお店だった。


しかし、人がいない。お休みだろうか。

とりあえず大きな声で呼びかけてみる。


「すみませんー、誰かいませんか?」


足音がする、誰か来たようだ。


あ、イケメン!!ボソっ


「あ、すみません、そこのベルを鳴らしてくれたら来るようになっているので」


若い?今の自分が若いからか若いと言っていいのかわからないが、

二十歳くらいだろうか。髪色は薄い茶色で髪をポニーテールにして束ねている。瞳の色は茶色で身長は150cmくらいだろうか?少し小さめだ。


胸は控えめだが、小さくはなくちょうど良いくらいだ。


宿屋の制服だろうか?

フリルのついた、白いエプロンがよく似合う。

看板娘とはこういった女性の事を言うのだなと思った。



可愛らしい女性だ。

イケメン?と聞こえた気がしたが、まあ気のせいだろう。



全体的に日本にいた時より、綺麗な人が多い。

さすが異世界だ!


どうやら受付に置いてあるこのベルを鳴らせばよかったようだ。

マラカスのような変な形のベルなので、気づくことが出来なかった。


「あ、そうだったんですね。それはすみません。」



「いえいえ、お泊まりですか?」



「はい、1週間ほど泊まりたいのですが部屋は空いてますか?」



「わかりました、部屋は結構空いてるので、少し広めの部屋をサービスしますね。

(イケメンだし・・・ボソッ)

1泊1000アルト、食事付が200アルト お湯が100アルトです。食事とお湯はどうされますか?」


今度は確かに聞こえた、イケメンはこんなサービスまでして貰えるのか・・・

イケメン特典万歳!



「お湯はいらないので、食事だけお願いします。」


クリーンがあるし、たまには拭きたいけどその時は水魔法でも試してみよう。

今はお金がないし、節約節約・・・日本にいた時みたいにはいかないのである。



「では、宿泊代が7,000アルトで・・・、食事代1,400アルト・・・

なので、えーっと」


十華はお金を取り出し支払いをする。


「はい、8400アルトですね。銀貨8枚と銅貨4枚ここに置きますね」



「計算早いんですね、ちょうどいただきますね。

お食事は夜の鐘の6の時間にご用意致します。それではお部屋にご案内しますね」



この宿屋は3F建てで1Fが受付と食事スペース

2Fに6部屋、3Fに3部屋あるらしい。


3Fの方が部屋がかなり広くなっていて普通だと銀貨2枚取るようだ。

イケメン補正は素晴らしい。



今回は3Fの角部屋に通された。303のお部屋だ。

角部屋だが、路地裏の立地なため、海が見えたり景色がいいわけではないようだ。



「こちらになります。こちらが鍵になります。出る時などは鍵を閉めて貴重品管理はしっかりとお願いします」



「ありがとうございます、また6の鐘の時に会いに行きますね」


あっ 、ご飯に行きますねというつもりが、会いにと言ってしまった。



顔を赤くして、 私に・・・会いに・・ぁぃに。。。と俯きながら呟いている。


この世界の成人は15歳と聞いているから、婚期的には遅いくらいだろうか?

日本での生活が長いため、普通に若くて可愛い女性にしか見えない。



「ぁ、はい。お待ちしてますね、ルミアといいます。よろしくお願いします」


これは絶対勘違いされた。可愛い人だから結果オーライだろうか。



「はい、ルミアさんまた後で」



「マスターはハーレムでも作る予定なのですか?」



「へっ 、そんな予定ないって!そりゃー可愛い子や綺麗な人が多いけど。

日本にいたから一夫一妻が当たり前だからなー」



「こちらの世界では王族や貴族、高ランク冒険者では一夫多妻は珍しくないようです。

強い遺伝子を残すのが大事とされています」



おおぅ。さすが異世界。嫁が10人とか20人とかそんな人がいるんだろうな。

そんな気は全くないが。めんどくさいだけだしな。



「とりあえず、明日は仮身分証を返しに行くのと、簡単な依頼を受けようと思う」



「はい、マスターであればこの町の魔物であれば、危ないことはないでしょう」



「とりあえず、魔法とかの確認をしたいと思うから、付き合って!」



「かしこまりました、まずは危なくないように結界を張るのがいいでしょう」


十華は結界魔法を作成した。


まずは、魔力操作は覚えたが魔力を実際に使ったことがないので、

魔力を動かしてみる。


「魔力ってこの全身にモヤモヤとなんか温かいものがあるやつ?」



「はい、その通りです。魔力操作を既に覚えているので、意識して頂ければ、

簡単に動かすことができると思います。」



全身を巡るモヤモヤとしたものを動かして見た。

手のひらに集めて見たり、全身を駆け巡らせて見たり。



「おおぅ、自由自在だ、属性も自由に変化させれるのか」



「それはマスターだけですからね、魔力操作lv10あってこそです。普通は詠唱しないと属性に変化は起こせないです」


女神の加護恐るべし・・・



「あ・・・詠唱知らないんだけどどうしよう?ネルわかるよね?」



「マスターでしたら、無詠唱が使えるので、問題ないかと。普段は詠唱短縮という事にして、スキルの名前だけ唱えればいいと思います。スキル名は女神様に貰った図鑑があるので覚えましょう。オリジナルでマスターなら魔法を使うこともできますが、目立ちたくないのでしたら、ある程度記憶しておくべきかと思います」



良かった・・・漆黒の!!!とか炎よ・・・とか聖なる・・・とか

そんな恥ずかしい事みんなの前で堂々と言えない!!



そもそも詠唱省略ですら、恥ずかしい。

異世界に来たのだから慣れて行くのだろうか。



留めだ!!ファイヤーアロー!!とかいうの?なにそれ恥ずかしい。



とりあえず図鑑をチェックするか。

簡単に火魔法と風魔法をチェックして見た。



◼️火魔法


◆初級 

ファイヤー:火を点ける魔法

ファイヤアロー:火を矢の形にして飛ばす魔法


◆中級

ファイヤボール:火をボール状にして飛ばす魔法

ファイヤーウォール:火の壁


◆上級

インフェルノ:業火で周囲を焼き払う範囲魔法

ファイヤーフェニックス:炎を纏った火の鳥が敵を覆い尽くす



◼️風魔法


◆初級

ウィンド:そよ風を起こす魔法

ウィンドカッター:不可視の刃を飛ばす魔法


◆中級


ウィンドストーム:小さい竜巻を起こす魔法

風の守護:風を纏う魔法、攻撃を弾くことができる。

ムーブ:軽いものを持ち上げる魔法


◆上級

テンペスト:大きな竜巻を起こす魔法

エアリアルブロー:圧縮した風を打ち出し、暴発させる魔法




脳内メモに書き書き!

その他のスキルも一通り読み終わった。


若くなったからか、それともこの体がいいのか、記憶力がいいようだ。

簡単に覚えることができた。



よし、まずは結界魔法でこの部屋を覆って、サイレント機能もつけておく。

結界魔法はユニークに当たるようで、使える人はいないらしい。



「試して行くか。本当にこれ打っても大丈夫なんだよね?」


結界とか、本当に魔法当たっても大丈夫なのかな?十華は心配していた。

宿屋破壊とか、せっかく異世界来てお尋ね者にはなりたくない。



「問題ありません。聖級魔法でも問題なく防げます。ただし、結界内は別なので加減してくださいね」


まじか!聖級って国家の宮廷魔術師総出で魔力をそそぐ魔法じゃなかったっけ。

チートって小説で読んでたけど、実際なってみると、ただただ凄い・・・・


自重する必要がないんじゃないかとつい思ってしまう。



「じゃあ、とりあえず火魔法と風魔法から練習するか」


まずは安全そうな風魔法から。



「ウィンド!!」



ビュゥゥゥゥゥンーーーーーゴォォォォオォ



これでは暴風ではないか・・・

力加減を間違えてしまった。

こんな恐ろしい初級魔法があるのだろうか。



初めてなので少し力を入れすぎたようだ。

魔力操作lv10でも初めてだと少し・・・少しね?ズレがあるようだ。



「マスター・・・それで上級スキル打ったら流石にマスターにも被害出ますよ?」



「い・・いやぁ・・・魔力操作lv10だから暴発はないから最初は気合いを入れて見ようかと思ってだな、てかウィンドだぞ?ただの!こんな事になるのがおかしい」



「マスターの魔力量は異常なのですから、そこは慣れるしかありませんね」


魔力操作MAXでも操作を誤る魔力量って・・・・

これからさらに増えて行くのに。。。。。



それから十華は6の鐘がなるまでの時間色々な魔法を一通り試した。



普段は火魔法と風魔法を中心にやって行く予定だ!

水魔法とか聖魔法で回復も考えたが、厄介な想像しかつかない。



6の鐘が鳴り響く、

カーン、カーン、カーン


外を見ても薄暗くなって来ている。

日本で言うと秋くらいなイメージかな?


「そういえばネル、この世界の時間について教えて欲しいんだけど」


まだ1日目で特に必要がなかったから聞いてなかったが、常識として知っておくべきだろう。


「わかりました。では、向かいながら説明しましょう」



この世界の1日の時間は地球と同じく24時間です。

一月が30日の12月まで有り年間360日となってます。



曜日の数え方は、火の時、風の時、水の時、土の時、光の時です。

週は5日間 月に6週あります。


余りこの世界ではお休みという概念がないので、ほとんど毎日働いてるのが

普通です。



「ありがとう、地球に似ている部分があるのは助かるなー」


階段を降りるまでに色々説明をしてもらった。


1Fに降りるといい香りがしてくる。



「あ、トーカさん、お食事ですね、こちらへどうぞ」


どうしたらいいのかなっと見渡しているとルミアさんが声をかけてくれた、

どうやら案内してくれるらしい。



「はい、お願いします」



「こちらのお席に座ってくださいね。今日はオーク肉のステーキと

ジャイアントフィッシュのソテーが選べますが、どちらになさいますか?」


おー、異世界ならではの魔物料理・・・

少し抵抗はあるが、美味しいのがテンプレだ。


そもそも魚よりお肉が好きなのである。



「オーク肉のステーキでお願いします」



「かしこまりました。飲み物はエールにします?それとも果実水ですか?」


エールは一度飲んで見たいと小説を見ていて思っていたが、

余り元々ビールとかそういったものが好きじゃない。


お酒を飲むなら十華はワインが好きだった。


これから飲む機会もあるだろうし、今回は食事重視で果実水かな。



「果実水で、お願いします」



「はい、では少し待っててくださいね」


ニッコリと微笑んで厨房の方に戻って行く。

少しドキっとする。



周りのお客は3組ほどだろうか。

美味しそうな料理を食べている。



あれがオークステーキか・・・

ジューーっといい音と香ばしい香りが、お腹を刺激する。

お昼前に転移したのに、まだ何も口に入れていないのでお腹がぺこぺこだった。



果実水が来たようだ。


「先に、果実水置いときますね」



「ありがとうございます」



喉も渇いていたので一気に飲み干す


ぷはぁー

スッキリとした飲み心地だ。

なんの果実だろう。何種類かの果物をつけてあるのだろう。



それから5分ほど待っただろうか、

待ちに待ったオーク肉のステーキが来た。



前菜には色は黄色いがレタスのようなものとピンク色のトマトのような野菜に柑橘系のドレッシングのようなものがかかっているサラダだ。


スープもある、何スープだろうか。


早速サラダから食べてみる。


「いただきます」


日本にいた時はサラダから食べると

太らない!と言う噂を信じてやっているうちに癖になってしまった。



「美味しいな・・・」


少し酸っぱいかなと一口目は思ったが、食べれば食べるほど

素材の甘みが伝わってくる。


シャキシャキのレタスに、プチッっと甘いトマト、

異世界に来て初めての食事に感動していた。



スープはタマネギとジャガイモのスープだった。

野菜の旨味だけで味付けされているスープでとても飲みやすく温かさにほっこりする。



いよいよメインのオーク肉


魔物と聞くと少し、抵抗はあるが、

この音と、香りを見てしまったら、涎が止まらない。


ジュージューと今もなお焼ける音が早く食べてくれとアピールしてくる。

この香りは、にんにくかな?


鼻を刺激する香ばしい香りが十華の鼻を突き抜ける

先程の他の人の香りの比ではない。


レアに焼かれた、お肉にナイフを入れる。


スッ 柔らかい。少し力を入れただけで切れた。

フォークで刺すと肉汁が滴るのが良くわかる。


一口、パクっ


「うわー、こんな美味しいのか。魔物の肉」


口に入れた瞬間とろけるように、甘い良質な脂が口に広がる

ニンニクがアクセントになっていて、クドさも少なく、

どれだけでも食べれそうだ。


オークはCランクの魔物との事だったし。

そのうち大量に確保してやるぞ!!っと決心した瞬間だった。



それからは早かった、、、圧倒言うまに完食してしまった。


まだ食べたいと思ってしまったが、これからたくさん美味しい料理に出会うだろう。

なので、腹八分目に抑え、果実水をおかわりし、喉を潤し席を立つ。



「あ、トーカさんどうでした?」


ルミアさんだ。



「初めて食べたのですが、凄く美味しくてびっくりしました。

ルミアさんが作ってるんですか?こんな美味しい料理作って貰える方が欲しいものですね」


料理上手で美人、これはモテそうだ。まさに看板娘



「ぁぇっ まだそんな、出会ったばかりですし。でも、これはお父さんが作ってるんです。」



顔を赤くしながらも、自分が作っていない事でちょっと凹んでいる。

また余計なことを言ってしまったかもしれない。



「あ、そうだったんですね。美味しかったです。っとお伝えください」


そそくさと退散する。



部屋に戻ると、時間は19時を過ぎており、辺りは真っ暗になっていた。

1時間ほど食事をしていたようだ。


時間についてはマップ機能に時計がついてるので、分単位でわかったりする。



とりあえず寝る準備も早いけど、体だけ綺麗にしておくか。


「クリーン」


ふわぁっと光に包まれると体の汗など、不快感がなくなった。


これはとても便利だ。

勿論お風呂の気持ちよさはクリーンとは別の話なのだが。



それからは眠くなるまで、明日のマップの確認をしたり、装備を作って見たりした。


「はぁー 疲れたあ。そろそろ、寝るかな」


ベットに座って作業をしていたのだが、そのまま倒れ込むように眠りにつく。



「マスターお疲れ様でした」



ネルの声も聞こえないくらい、疲れていたのだろう。

返事はない。ただの屍のようだ。




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