リア充は妬まれます
続きの投稿です。
主人公珠希十華はとてもリア充だった。
毎日楽しい日々を過ごす中、それは・・・突然起こった。
仮想通貨バブルにより、経済が大きく動き億り人と呼ばれる人がたくさん世の中に誕生した。
億り人とは億単位のお金を手にする事ができた人である。
十華もその中の一人。
3年前に友人に誘われてなんとなく200万円分だけ購入したオープン前の仮想通貨。
世間では全然話題にも上がらないので、
オープンすらしないのかな?損したかな?くらいな気持ちでほとんど諦めていた。
やがて2年が経過した・・・
バブルは突然やってくる。
急に世間が仮想通貨のニュースで持ちきりになった。
興味がなくても自然と情報が入ってくる。
友人から連絡があった。
どうやら、十華の持っていた通貨もオープンしたらしい。
なんと、5倍になった。
諦めていたお金が200万円から1000万円になったのだ、嬉しくないわけがない。
仮想通貨バブルに乗ろうと周囲も購入ラッシュだった。
今まで交流のなかった、小学生や、中学生の頃の、今では友達と言えるかわからず
顔も覚えてないような人達から
購入を促す連絡や勧誘がたくさん合った。
「今買ったら5倍になるから!!すぐ買ったほうがいいよ!!」
「俺50万しか入れてなかったんだけど、250万になったから!証明できるし、1回会おう」
中には、、、、
「今入れたら100倍になるから、貯金全部管理してあげるよ!」
管理って何様だよ!!笑
お金というのは人を簡単に変えてしまうのだ。
十華はそこまで執着もなかったので、
5倍になった事だし、十分と思いすぐに売ろうとしていたのだが、半ば諦めていたので
ほとんど調べたりしていなかった事もあり、口座の開設などにとても時間がかかり、
少しずつ日付が過ぎて行った。
1ヶ月・・・・2ヶ月・・・と
十華が口座も開設し、いざ売ろうとする時には、2ヶ月が過ぎていた。
仮想通貨バブルも留まるところを知らず、さらにヒートアップしていた。
十華の持っていた通貨は80倍の高値をつけていた。
これには十華もビックリした。
十華はすぐに売ろうと思っていたが、
年末にいい日を迎えれるようにもう少し待って年末に売ろうかなと思い、少し売却を遅らせる。
別に欲が出た訳ではない。
占いとかスピリチュアル的な事が割と好きだったのだ。
5倍でも問題ないと思っていたので、下がってしまっても、
高く売れる事に変わりはないので、良い年を迎える、いい流れが作れると思ったのだ。
流れはとても良い方向に進行した。
仮想通貨熱はさらにさらにヒートアップして、年末のバブルは凄いものとなった・・・
オープン前に購入していた十華の仮想通貨は、400倍に膨れ上がっていたのである。
「これ以上上がっても、管理出来ないし、十分過ぎるから、売却かなー何が起こるかわかんないし!」
いい流れが掴めた事に感謝をし。
十華は全てを売却した。
総額で8億円というお金を手に入れた。勿論税金も取られるのだが。とても大金である。
それからは、仕事を辞めた。元々自営業なので辞めるとはいっても、会社を畳んだだけだ。
しかし、これからまだ人生は長い。お金が減り続けるのは困る。
なので、十華は思い切ってマンションを購入し、住むところを確保した!
そして堅い投資や不動産などに手を出しつつ、将来生活に困る事ないように最低限の困らないだけのお金が入る状態を確保する事にした。
それからしばらくは忙しかった。
色々な投資話を聞きながらも、堅いものに絞って厳選した。
怪しいものには手を出さない。
これだけのお金があるのだから、これ以上望むものでもないだろうと考えていた。
そんな日々も落ち着き。
やる事もなくなったので、時間が出来た。!
有り余る時間それを有効に使おうと。
彼女と海外旅行に行ったり、
好きなアプリに廃課金。一度俺ツエーーーーみたいな圧倒的なのをやってみたかった。
意外とやってみると最初は楽しいし、頼られて嬉しいが、すぐに飽きてしまった。
何事もほどほどが一番楽しいようだ。
美味しいものを食べるのが好きなので食べ歩きや一見さんお断りのお店に行ってみたりと
充実な日々を送っていた。
そして突然、バブルは去った。
なんとも呆気なかった。
世間はバブルがこのまま続く、もっと上がると期待していた。
だが、わずか2ヶ月・・・・ バブルは突然はじける。
自慢げに億り人になったー!!!などと叫んでいた人や、この先億り人になるまで持ってやると
思っていた人も急激に下がった価格に動揺し、安く売却する事になった。
バブルに乗ろうと年末に購入した人は、大損をし。
安くなった価格で少しでも元を取ろうと必死に売却をした。
FXなどで稼ごうとしてた人達は、急激な価格の変動により返しきれない借金を多い、自殺者もでた。
十華はとても運が良かった。絶頂の時に全て売れたのだから。
あの時に欲をかいていたら、この充実した日々はなかったかも知れない。