チートで快適な生活をすると後戻りは出来ません。
続きです。
少しだけ自重開放です。
やっぱり自重してると息が詰まります。
今後の展開に期待してください。
門の前には既に狼の牙の面々が待っていた。
「狼の牙の皆さんおはようございます」
「おはよう二人共」
「「おはよう」」
みんなと挨拶を交わす。
こちらがミスドナツ商会のポンデさんだよ。
「初めまして、ミスドナツ紹介の商会長を務めます、ポンデと申します」
「初めまして、Dランクパーティー、エトワールのトーカとメリカです。今日はよろしくお願いします」
「それでちょっと言わないといけない事があるんだけど、僕達は来ないだの事もあったから、ちょっと森の偵察に暫くはこの町に居なければいけない事になったんだ。だから今日はエトワールの二人で護衛に行って欲しい。君達なら問題ないとのギルドマスターの判断だ」
「俺達は別に問題ないですけど、Dランクパーティーだけに守られる、ポンデさんはいいんですか?普通ならかなり不安だと思うのですが」
「いえいえ、問題はありません。狼の牙、そしてギルドマスターが大丈夫と言っているのですから、お二人の実力は保証されたようなものだと思っています」
「という事だから、二人共頼むよ!そろそろ向かう時間だから、僕達は戻るよ」
大商会の商会長ともなると度胸があるものだ。
普通ならDランク冒険者、しかも二人だけの護衛で王都まで行くとかありえない。
狼の牙と別れた十華達はポンデさんの馬車に乗り込む。
「では出発しましょうか」
これから向かう町は、トレンという町だ。
鉱石の採掘が盛んな町でちょうど王都との壁になっている山の麓にある。
エーゲの町の倍ほどの大きい町だ。
ポンデさんがこれからの事を簡単に教えてくれた。
◼️日程
トレンの町まで約4日間その間は野営だ。
そこからティラニアス山脈を抜け
王都との中継地点であるダンジョン都市シアビスまでが3日間
カプリの森を通過して、4日間ほど進むと王都アミナだ。
小さい村などは合間合間に存在するが、遠回りになるためよる事はない。
以上の日程を見て貰ってわかるように、Dランク冒険者では務まらない。
Cランクパーティーでも実力者な狼の牙ですら、単独では危険なので十華達が呼ばれたのだ。
1日目は特に問題もなく順調に進んだ。
今日は森の中の少し開けた所で野営だ。
ここは野営によく使われるスポットらしく、地面が踏み固められ草一つ生えていない。
食料は支給なので貰うのだが、干し肉などの野営用の食事なので美味しくないだろう。
ポンデさんはテキパキとテントを立てていく。
御者のおじさんも手伝っている。二人の作業はまさに阿吽の呼吸だ。
お互いに次何をするかわかっているように作業している。
長年一緒に旅をしてきたのだろう。
十華は、この先2週間自重するのも難しいと判断し、ちょっと大きいアイテムボックス持ちという設定に切り替えた。無限庫からそのまま設置済みのテントを取り出した。昨日改造したテントである。
「後ろで設置していたポンデさんは驚いている」
「まさかアイテムボックス持ちだとは驚きました、しかもテントを丸ごと入れているとは」
メリカは当然と言わんばかりの表情をしている。
「はい、ちょっとだけ容量には自信があるんですよ。野営の準備も苦手なので常に出せる状態で保存しています」
「さすがギルドマスターの信頼が厚いだけありますな」
ギルドマスターは知らないんだけどね。信用されているに越した事はないか。
ポンデさんの方もテントが完成したようだ。
「では、そろそろご飯にしましょうか、と言っても美味しいものではないので申し訳ないのですが」
「いえいえ、ありがとうございます。食べるものがあるだけ有難いです」
黙々と食べ続ける。
その間に確認だ。
「ネル、アイテムボックスにテントそのまま入れる人っていないの?」
「やっと呼んで頂けましたか。宮廷魔術師で麻袋大×10個くらいなので、異常です。あれほど自重してくださいと言いましたのに」
ちょっと失敗した。だが、テントを建てるのもめんどくさい。
家を建てて収納しなかっただけ褒めて欲しいものだ。
「マスターもう聞きたい事はありませんか!!!?」
「ない」
「・・・」
特に聞きたいことなど、すぐに思いつくものではない。
ネルには悪いが、登場は待って欲しい。
そして干し肉・・・本当にまずい。やはり耐えられそうにない。
2週間の間による町は2箇所のみ。テントもばれた事だし、料理くらい良いよね。
「すみません、やはり馴れない味なので、ちょっと調理をしても良いですか?」
「調理でしょうか?私は構いませんが、こんな所で出来るのですか?」
何を言っているのだろうか?といった表情でこちらを見ている。
まずは、土魔法でバーベキューの時に使うようなコンロを作る。
左右と後ろを壁にし、上側の焼く部分を網が置けるようにくり抜く。
そして森で狩りをしていた時に丸ごと乾燥させて薪にしておいたものを下にくべる。
今度は火魔法で火をつけ、風魔法で風を軽く送りながら薪に火を移していく。
魔力操作も上手くなったものだ。
無限庫からフライパンと網を取りだす。
網を引きその上にフライパンを乗せる。
そしてオーク肉を出し軽く塩と胡椒を振って下味をつけ、フライパンに乗せて焼いていく。
ジュージュージュー
そこに醤油と砂糖を加え甘辛く煮詰めていく。
醤油の香りが食欲をそそる。
隣で見ているメリカとポンデさんは涎が滴りそうな顔をしている。
片面焼けた後に風魔法でお肉を4つに切り分け、裏面を焼いていく。
焼き加減はレアだ。照り焼きソースで煮詰めたオーク肉のステーキが完成だ
無限庫からローテーブルを出す。
そして食器を並べる。全てミスリル製だ。
お皿にオーク肉のステーキを並べ、水魔法で冷えたお水をコップに注ぐ。
「出来ました。食べてください」
「ありがとうございます、私達の分まで」
「いえいえ、2人分作るのも4人分作るのも変わらないですから冷めないうちにどうぞ」
「では、お言葉に甘えます」
パクっ
パクパクパク
ポンデさんは夢中で食べている。
それを見たメリカも夢中で食べ始める
「「うまーーーーーーい」」
「この深く濃厚な香りと味、そしてこの甘味砂糖でしょうか?この深い味を出している調味料はなんでしょう。食べたことのない味です。こんな美味しい食事は王都のレストランですら食べることが出来ません。砂糖といい、その調理器具、そしてこの調味料、トーカさんは一体何者なのですか」
「ただのDランク冒険者ですよ」
「そうですね、すみません。私とした事があまりの美味しさについ詮索をしてしまいました」
「いえ、お気になさらず、わかってて自分のためにやったのですから」
「私は毎日これでいいのです」
「毎日は体に悪いから、違うの作るから大丈夫だよ」
「私はトーカさんなしではもう生きてはいけないのです」
「大げさだよ、とりあえず片付けをするので、食べたものはここに置いといてください」
みんなの食器をまとめてクリーンで洗う。
そして土魔法で作ったコンロと燃えている火をそのまま無限庫にしまう。
一度してしまうと自重するのも疲れるので気にしなくなっていく。
エーゲの町での苦労は一体なんだったのだろうか。
「では今日は美味しいものも頂きましたし、人数も少ないので最初は私が見張りをしましょう」
「いえいえ、ポンデさんそれには及びません。テントの中にいてもしっかりと敵の反応などがわかり近づいてくると音がなる魔道具を持っていますので、そのまま寝ていただいて問題ないです」
「なんと・・・!そんな魔道具があるのですか。それなら安心ですね。お任せして寝ることにしますね」
「はい、こちらも寝ます。また明日からお願いします」
「メリカ先にテント入って」
びっくりさせて見たいので、先に入らせる
中に入ったメリカ、固まっている。
「おーい、おーい」
「はっ メリカは夢でも見てるのでしょうか、トーカさんが凄いのはわかっていましたが、これは反則です!これがトーカさんの故郷の家なのでしょうか?」
「こんなに広くないけど、日本のものを中心に揃えたよ」
「とりあえず、明日も早いから寝る準備しようか。まずはお風呂の入り方から教えるね」
お風呂の入り方を説明する。
まず脱衣所で脱いで、それをカゴに入れる。
お風呂に入る前に一度体を流してから入る。
シャワーと、シャンプー、トリートメント、ボディーソープの使い方を説明する。
最後に温まって出るだけ!
「わかった?」
「わかったのです」
「じゃあ先に入ってもいいよ、リビングで待ってるから」
「そう言って先に入らせて覗く気なのですね。よく考えたものですよ」
「じゃあ先入る」
「ムゥー。覗いてもいいのですよ?」
メリカをドアの外に追い払って、お風呂に入る準備をする。
久々のお風呂に感動すら覚える。
シャワーを浴びシャンプー、トリートメント、そしてボディーソープで体を洗い、
待ちに待った、湯船に浸かる。
檜で出来たお風呂は香りだけでも至福だ。
気持ちよく浸かっていると突然扉が開く。
「トーカさんお背中流すのですよー」
「えっ ちょっとメリカまっ」
気持ちよく浸かっていたので、咄嗟のことに反応が出来なかった。
こちらではお風呂の習慣は貴族くらいなので、タオルで前を隠すなどメリカは知らなかったのだ。
十華は唖然とし、しばらくメリカの大きな胸を見続ける。
「見過ぎなのです。恥ずかしいのですよ?」
はっ ・・・思わず固まってしまった。
「とりあえず前隠そうよ。年頃の女の子が男の前で裸はダメでしょ」
「でもトーカさんにいつも与えて貰ってばかりなのです。返せるものがないのです」
メリカなりに、考えての事だったようだ。
だが、ここでメリカを受け入れてしまってもいいのだろうか。
恩を感じてる女の子に手を出すのは違う気もする。
勿論、こちらの世界に来てからは御無沙汰だ。したくない訳ではない。
「ありがたいけど。自分のためにしてる事だから気にする必要はないよ?」
メリカを置いて出ようと思ったのだが、
湯船を出れない状況になってしまった。
なぜ出れないかは察して欲しい。
「これはメリカの気持ちなのです。だから早く洗いに来るのです」
中々立ち上がらない十華に痺れを切らした、メリカが無理やり湯船から出そうと近づいてくる。メリカは可愛い。言動はちょっとあれだが、可愛いのだ。そんな子が裸で迫って来たら立ち上がれる訳が無い。
「ちょ、ちょっと待って、今はダメなんだって」
メリカはお構いなしに十華の手を引っ張りあげた。
「きゃっ」
「だから言ったのに・・・可愛い子の裸見たら男はこうなるんだよ」
「今のは違うのです。何か魔物が出て来たかと思ってびっくりしたのですよ」
ある意味魔物ではあるが、それは苦しい言い訳だ。
「じゃあ、とりあえず座るから背中洗って貰おうかな」
咄嗟の事で唖然としてしまったが、慣れればどうって事はない。
無心・・・だ無心。
「はいなのです」
ボディーソープを泡立てるメリカ。
泡と共に柔らかい手が背中に当たる。
やっぱり人の手で洗ってもらうと気持ちいい。
最初からやって貰ったら良かったかもしれない。
「気持ちいですか?」
メリカが抱きついた状態で、顔のすぐ傍でそんな事を言う。
大きな胸が背中に押し付けられる。これはまずい。
「メリカわざとやってる?」
「トーカさんは胸が好きなのです」
この子は馬鹿なのか、考えているのかどっちなのだろうか。
「そんな事してると本当に襲うよ?」
これで辞めると思っていた。
「じゃあ、前も洗うのです」
「あ、ダメ。メリカ待って」
異世界の人は積極的なようだ。
小説の世界では、それはダメって止めに入って終わるはずだった。
結局洗って貰った段階で、辞めさせて一緒にお風呂に浸かっただけだったが、
異世界に来て一番ドキドキした一日となった。
まだメリカとする気は無い。
「じゃあ、そろそろ寝ようか。メリカの部屋案内するね」
5つの部屋のうち一番奥が十華の部屋だ。
その手前には左右に2部屋ずつある感じになっている。
自分の部屋を少しだけ広くしたが、作ったのは自分だしそれくらいはいいだろう。
「こっちが俺の部屋ね、左右どっちの部屋でも使っていいけどどっちにする?」
「いらないのです。トーカさんと寝るから、部屋必要ないですよ?」
せっかく部屋を作ってあげたのに、どうやら一緒に寝るようだ。
言っても聞かないのはわかっているのでそれ以上は言わないでおく。
「じゃあ、荷物とか置いたりする部屋を決めて」
メリカは左の部屋を選んだ。
部屋に入るとすぐにメリカはベッドに飛び込んだ。
「なんなのです、このベッド。ふかふかなのです」
喜んでいるので良かった。
最初は襲ってもいいのですよ?とか言ってたが、疲れていたのか誤魔化してるうちに寝てしまった。
十華はと言うと、全然眠れない。メリカがお風呂で変なことをしたものだから、どうしても意識してしまう。
少ししか興味なかった相手が思いがけない事をした事で凄い興味を持ってしまう事はないだろうか?そんな感じだ。
仕方ないので、新しいステータスと、お取り寄せについて確認する。
◼️ステータス
名前 トーカ
種族 人族
職業 冒険者
年齢 15
レベル 11→79
生命力 2100→8900
魔力 11000000→79000000
力 2100→8900
体力 2100→8900
知力 2100→8900
敏捷 2100→8900
幸運 2100→8900
◆スキル
全属性魔法lv10
鑑定lv10
隠蔽lv10
索敵lv10
隠密lv10
魔力操作lv10
身体能力強化lv10
危機感知Lv1→10lv
錬金lv10 New
鍛治魔法lv10 New
魔道具作成lv10 New
◆ユニークスキル
創造
知識庫
無限庫
マップ
異世界ショップ(劣)→(下級)
◆加護
創造神の加護
◆称号
異世界転移者
リア充を潰された者
女神の寵愛を受けし者
キング種、ジェネラル種、キラー種などを倒したからだろうかなりlvが上がってステータスも上昇している。女神の加護の効果もあるので、凄まじい。
異世界ショップは劣から下級に上がった。
内容は取り寄せ出来る物の登録リストが倍の6個に増えた。
◼️現在の取り寄せ
醤油・味噌・砂糖
◼️追加した取り寄せ
胡椒・米・カレー粉
以上だ。
これでカレーを食べることができる。
異世界に来て初めての米だ。
明日のお昼にでも作るのもいいかもしれない。
カレーを楽しみに、眠りにつく十華であった。