チートを嫌った日
続きです。
少し読み返して見た所、
長々としすぎていたので、もう少し展開を早めようかと思っています。
初投稿なので、練習がてら書いていますが、お付き合いよろしくお願いします。
門に着くと既にみんな揃っていた、
新米にも関わらず最後になってしまった。
「ちょっと、遅いじゃない。先輩待たせて何してるのよ」
ソラなら言うだろうなと予想はしていたが、まさか本当に言うとは。
「すみません、初の偵察任務なので迷惑かけないようにしっかり準備してたら遅くなりました」
「あらそう、いい心がけね」
「おい、お前らそんな事より早くいくぞ!先に狼の牙先行頼むぞ」
「任せてください、じゃあ行こうか、サイド頼む」
「おう、任せとけ」
斥候のサイドが先行する。
さすがCランクパーティーだ。とてもスムーズな足取りで進んでいく。
その後に十華達も続く。
しばらくし、森の前に着いた。
ここからは全員で行動だ。
オークの集落は奥の方だが、何があるかわからないので、慎重に進む。
途中ゴブリンが出たが、Cランク冒険者には敵わない。
前衛である、トールとグーマが次々と倒していく。
正直やる事がない。
十華達が目撃した場所の近くについた。
覗いてみると、たくさんのオークが目に入った。
「別れて調査しよう。気付かれたら即逃げろ」
グーマが、指示を出す。
「「わかった」」
狼の牙が西側、十華達が東側を調査する事になった。
少し大回りしながらも見える位置をキープして慎重に調査する。
「これは・・・まずいな」
「まずいわね」
ソラもグーマに続いて言う。
「何がまずいんですか?」
十華達には何がまずいかわからない。
「数とランクの高い進化種が多すぎるんだよ、これでは、王都からの応援の間の足止めも難しいかもしれない、それに時間が立つほどこの集落は立派になっていくだろう。一旦戻って合流するぞ」
マップで確認する限りオークは全部で200体ほど。
そのうち上位種であるキラーオークとオークジェネラルがそれぞれ20と10だ。
そしてオークキングが1体。
確かにこの町の冒険者ではとてもじゃないが、食い止められないだろう。
合流地点に戻ると既に狼の牙のメンバーが戻っていた。
グーマとトールが話し合っている。
「偵察は終了だ、すぐに戻るぞ、これ以上いて見つかるわけにはいかない」
どうやら戻るようだ。
ギルドまで急いで戻る、情報をいち早く伝えるためだ。
門をくぐると既にギルドマスターが待っていた。
衛兵と共に詰所の中へ入る。
「それでどうであった?」
トールが答える。
「想像以上でした。恐らく100体以上に上位種が20以上、キング種も確認しました。近いうちに攻めてくるでしょう」
「そうか・・・恐らくこの町は大きな被害を受けるだろう、しかし、少しでも住民を守りたい。Cランク冒険者のお主達には迷惑かけるが、少しばかり手を貸してくれないか?先頭を切って戦うものがいなければ冒険者達の指揮も下がってしまう」
これは死ぬかも知れない、いや恐らく上位種が来た時点で詰んでしまう。
それを承知でお願いをしている。
「僕達はこの町を守りたい」
「後方支援は任せなさい」
「仕方ねえな。こんな若い奴らばっかに手柄はやれん」
みんな覚悟を決めたようだ。
「俺達も、協力します」
「すまないが、みんな頼む。俺は今から町の避難指示と他の冒険者に緊急依頼を出してくる、防衛の準備進めてくれ」
衛兵と協力し、バリケードを作るのだ。
炎熱の二人はポーションを集めるため、急いで商業区に向かった。
十華達は少し皆から離れる。
「メリカ、ちょっとだけ用事が出来た。行ってくる」
「私も行くのです、オークキングの所へ行くんですよね?」
なぜかバレバレだった。
「そうだよ。でも、少し強くなったとはいえ、はっきり言うと今のメリカじゃ足でまといになる。だから一人で行きたいんだ」
「そうなの・・・。わかったの。気をつけて行って来てなの」
今回は緊急事態なのがメリカもわかっているのか、すぐに引いてくれた。
「じゃあ、行ってくるね。みんなをよろしく」
十華は一目のない所から集落の近くに転移した。
「さて、やるか」
今回するのは間引きである。
上位個体とキングを潰せば、なんとかなるだろう。
もしかしたら収まる可能性もある。
時間もかけていられないので、斥候と思われる巡回しているオークをマップで探して次々に葬る。これでしばらくバレないだろう。
上位種は部下のオークと共に柵の後ろに陣をひいている。
気配を消し、後ろに回り込む、そして風魔法のウィンドカッターをアレンジし回転に振動を加え強めたオリジナル魔法で一気にまとめて首を落とす。
ズサッ ズサっ ズサッ
それを何回か繰り返した事で、上位種はほとんど片付ける事が出来た。
後はキングだ。
集落の中央の小屋の中にいるようだ。
小屋といっても粗末で、気を組み合わせて作った簡易な小屋だ。
中を覗いてみようとしたその時。
ドカーンッ
何かに十華は壁事吹っ飛ばされたのだ。
木にぶつかり止まった。
「痛い・・・一体何が」
「すみません、マスター気配を薄くする事が出来るようです。マスターの侵入に気づくと即座に剣を薙ぎ払いました」
どうやらオークキングの剣に飛ばされたようだ。
家の壁を挟んでいたので、切られずに済んだが、凄い威力だ。
ステータスの強さから油断していた。相手はS急に近いA級、強いのだ。
家の中からオークキングが現れた。
大きい・・・それに立派な鎧と大剣で武装している。
凄い威圧感だ。今までに感じた事がない・・・
これが恐怖。
「俺で勝てるのか・・・」
圧倒的存在感に不安がよぎる。
ステータスは強いが実戦はほとんどない。
だが、町のみんなを守るためにはやるしかない。
次の瞬間オークキングが動いた。
大剣を十華目掛けて思いっきり振る。
慌てて避ける。
自分のいた場所を見て冷や汗が出た。
地面が剣で切っただけで軽いクレーターになっているのだ。
これは食らったらこのステータスがあっても相当痛いだろう。
魔法なら、近づかずに倒す事が出来る。
だが、派手に魔法で倒せば、気付かれてしまう。
剣で倒すしかない。
先制は十華だった。
仕返しとばかりに相手の懐に加速して飛び込み、斬りつける。
だが、剣で弾かれる。
オークキングは弾いた後の勢いを利用して斬りかかって来る。
これはやばいと思い、後ろに飛ぶ瞬間に、光魔法を凝縮してオークキングの目の近くで発光させる。
驚いたオークキングの剣先が逸れた。
その隙に、剣を一閃する。
ギャッ
オークキングの腕を片方切断する事に成功した。
これで多少動きが鈍るだろう。
怒ったオークが剣を振り回しながら近づいて来る。
剣を打ち払いながらしばらく打ち合う。
すると、オークキングの剣が氷始める。
一瞬では、武器を凍らせるのは難しいが、
十華の愛刀氷花の属性効果で徐々に凍らせていったのだ。
そして、次の瞬間オークキングの剣が
パキンっ
折れた。
その隙を見逃すわけもない、思いっ切りオークキングに斬りかかる。
ズシャァ
致命傷を負わせる事に成功する。
オークキングは膝をつく。
トドメを刺すため近づこうとすると
「グガァァぁぁぁ----ーーー」
オークキングの咆哮が響く。
あまりの大声に十華は一瞬体が硬直してしまった。
その隙にオークキングが十華に飛びつく。
そして十華の腕を握り潰そうと力を入れる。
ギュ、、
何も起きない事に
オークキングが唖然としている。
十華のステータスの高さにただ握っただけの力が効くわけがないのだ。
しかも先程の一撃で弱っているオークキング、もはや勝つ見込みはなかった。
驚いたが、すぐに冷静になった十華はオークキングの首を刎ねた。
「はぁ、びっくりした」
「オークキングが傷を負っていなければ、ひびくらいは入っていたかもしれません。マスターなら回復魔法ですぐに治せますが」
我ながら恐ろしい・・・オークキングの握力で、ひびしか入らないとはびっくり人間もびっくりだ。
オークキングを倒した事で、レベルがたくさん上がった。
レベルアップ音がうるさい。
確認は後にして、急いで、無限庫にオークを収納する。
倒したオークは
オークキング×1
オークジェネラル×10
キラーオーク×20
オーク×100だ
正直やり過ぎたかもしれない。
上位種は全滅
オークは残り69体。
これなら町の冒険者でも被害はあるだろうが、なんとかなるだろう。
しかし、上位種不在、オークもいなくなっている。
この状況を、はいそうですか。と済ませてくれるだろうか。
疑われる事はないと思うが。
とりあえず急いで転移で町の近くまで戻る。
「ただいま、状況どお?」
「こっちは準備万全なのです。トーカさんはどうでした?」
「えっと・・・」
素直に話す。
「やっぱりトーカさんは優しいのです。これで町は大丈夫なのです」
十華なら当然だと思っているのか驚かない。
メリカは町の人が助かった事を素直に喜んでいる。
間引いて全滅させれるのに敢えて残し、駆け引きみたいな事をしている、自分が嫌になる。
俺は優しくなんて・・・
全て自分のためだ。
カランカランカラン
町中に鐘の音が鳴り響く。
オークの軍勢が森から出たようだ。
まだ時間はあるが、オークの足でも30分もしたら辿り着くだろう。
門の前へ急いで戻る。
既に大勢の冒険者が集まっていた。
狼の牙と炎熱そして、クマさんが代表して前にいる。
「おう、お前らも早く来い!」
呼ばれるとは思わなかった。
だが、今は緊急事態。素直に前に出る。
「よし、揃ったな。今から防衛戦を始める。Cランクパーティ狼の牙、炎熱、そしてグーマ、Dランクパーティエトワール、この者達を中心に戦闘をするから、サポートの方を皆に頼みたい。今回は死ぬ者もたくさん出るかもしれない。だが、皆の力なら必ず、この災害を乗り越えられる!町を守れるのは俺達冒険者だけだ!命は大事に、命をかけて守れ!行くぞ!!!!お前ら!!」
「「おおおおおおお」」
凄い歓声だ。みんなが一丸となって戦う覚悟を持った。
しばらくすると、地面が揺れ始めた。
オークの進行である。
冒険者達は一斉にオークに向かう。
十華達も参戦する。
町へオークが行かないように適度に間引きながらも、先頭の狼の牙についていく。
さすがCランクパーティーだ、上手く連携して倒して行く。
ズシャ
ブギャッ
十華の刀の一撃で首が次々に飛んでいくオーク。
怪我をする人が出るも、重症な人は出ていない。
「怪我をしたものは後ろに下がり、支援に回れ!」
次第にオークの数も減っていき、やがてゼロになり無事に防衛に成功した。
だがギルドマスターは浮かない顔をしている。
「おかしい、上位種を一度も見ていない。聞いてる数よりもオークも大分数が少ない、偵察どうなっている」
「森の方を見張っていたが、一向に出て来やしねえ」
サイドが答える
「狼の牙で偵察を頼めるか?」
「わかりました、僕達に任せてください」
狼の牙はすぐに森に向かう。
その他の冒険者は怪我をしたものを除き、ギルドに待機となった。
先頭をきったメンバーは残された。
「この状況どう思う?お前ら、実際に見たお前らなら何かわかるかと思ってな」
ギルドマスターも困惑した様子で皆に尋ねる
「こんな状況わかるはずがないじゃない、普通あれだけの、オークが来たら上位種がいないはおかしいわ」
ソラが当然のように言い張る
「トーカ。お前、何か隠してないか?」
突然クマさんが指摘する
「へっ あ、何も隠してないですよ」
焦って変な声が出た。
「メリカ、お前もだ、何か隠してないか?」
「メリカは何も知らないのです。トーカさんが全部倒した訳じゃないのです」
「やっぱりか・・・」
「グーマよどういう事だ?」
ギルドマスターが尋ねる
「みんなが防衛準備をしてた時、二人はまだわからないだろうと思って、探してたんだよ。そしたらトーカだけどこを探しても見当たらない。トーカが戻って来たのは、オーク襲来の間際だ。それまでどこにいたんだ?それになぜあんなに辛そうな顔をしていた。俺はそういうのに敏感なんだ」
クマさんに問い詰められる
「俺にキング種を倒す力なんてありませんよ。考えすぎです。
メリカも、急に言われたもんだから、変な回答になっただけです」
嘘をついてしまった。
「そうか・・・悪いな、つい疑うようなことをしてしまって。お前の戦闘を見てたらそうじゃないかなと思えてしまったんだ。これでも俺はCランクだ、自分より強いやつくらい戦闘を見ればわかる」
十華はオークを一撃で倒していたのをグーマは見ていたのだ。
「私達も後方から見てましたわ、たまに動きが見えない時もあったもの、何を隠しているのかしら?」
次々にある追及に対し、どうしたものかと、十華は考える。
みんなの視線が痛いし、これ以上嘘を重ねるのも辛い
「もうよせ、トーカも困っておる。いい方向に傾いてるいるならそれで良いだろう。まだ偵察も戻っておらん。本当にキング種がいなくなったかわからんだろう」
ギルドマスターは何か感じ取ったのか、フォローを入れ、その場を鎮めてくれた。
狼の牙が戻り、オークの上位種が見当たらず、集落も数体のオークがいる程度で空になっていたと報告があった。
ギルドに戻り、皆に伝えられた。
その日はギルド内で防衛を祝して、祝いの宴会が開かれた。
十華は少しだけ顔を出し、メリカを残し、こそっと宿屋に戻った。
ベッドの上で考え事をしていると扉が開く。
「トーカさんがどっか行っちゃったからここじゃないかなっと思ったのです」
「ちょっと気まづくってね」
「トーカさんがいなければこの町は壊滅していたのです。誇って良い事なのですよ?」
「そう・・だね。ありがとう」
メリカが隣に来て頭を撫でてくれている。
いつもと逆だ。
いつもならからかう言葉の一つも言ってる所だが
今日はこの落ち着きに言える言葉が浮かばない。
十華はそのまま眠りについた。




