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最初の武器は国宝級

続きの投稿です。

明日から二日間用事で書けないので、明後日の更新となります。






ギルドを出た十華とメリカ



旅の準備を開始する。

お互いする事が違うので別々で行動をする事にした。



十華は食料や・野営に必要なものの買い出し。


メリカは、お世話になっている、工房のアルダおばちゃんにお別れの挨拶。



「んじゃ、また15時に噴水前で待ち合わせね」



「わかったのです」


メリカが行ったのを見送った後、十華は行動を開始した。



まずは食料からだ!

十華は商業エリアの奥の市場へ向かう。



「わー、見た事ない食材がいっぱいだ」



市場には見た事のない食材がたくさん並んでいた。


赤色の・・・バナナか?とても辛そうだ。


他にも、カラフルなキノコ・・・?



「これ、食べれるのか?」



「なんだ、あんた、レインボーママッシュは初めてかい?」



「あ、はい。とても奇妙な色をしていたので、どうやって食べるのかなっと」


思わず、呟いてしまったのが聞こえてしまっていたようだ。



「これはね、焼きにしても上手いけど、生でもいけるのよ、食べてみるかい?」


へっ これを生? いやいや、ないだろう。


「い、いえ、遠慮しておきます」


状態以上耐性あるからお腹は壊さないだろうけど。


「ほれ、食べてみ、何事も経験だから」


一口大に食べやすく切ってくれたものを渡されてしまった。

手に持ったからには、、、もはや食べるしかない。


覚悟を・・・決めるか。



パクっ

あれ・・・旨い



「お、旨いだろう?」



なんだろうこれは、ミックスジュース?

いくつもの果物が混ざったような味がする。



食べる度に果汁が溢れ出てくるようだ。キノコなのだが・・・



「これは、キノコ・・・なんですよね?」



「そうさ、キノコだよ。別名フルーツキノコとも呼ばれているけどね」


これは買いだ、異世界の食材は不思議だ。



「これ10本ください。後そちらの、赤いのはなんですか?」



「10本だね、銀貨5枚だよ。こっちはハバナだね、香辛料は高いからねー。ちょっとピリッとさせたい時に使うんだよ」



へー

唐辛子は高いから、その代わりになるものなのかなー

今はまだ、取り寄せも出来ないし、香辛料買うのはちょっときつい。となると、買っといて損はないかな。



「それも、10本ください」



「はいよー、両方で金貨1枚だね」


結構高い買い物になってしまったが、食料は必要だ。



次は、っと漁業の町なのでやっぱり魚だろう。

港の方に行ってみる。



「おー、知らない魚がいっぱいだ」


あれは、マグロ?だよな。


鮑に、ウニ?みたいなのもある。



とりあえず、金貨3枚・・・分くらい買っとくかー。

お肉は出発までまだ日にちもあるし、オークでも狩ればたくさん取れるだろう。



その他にも美味しそうなものを色々と購入した。



次は、テントかな。

色々と便利にはしたいが、やりすぎるのは良くない。

バレた時に大変だ。今の自分ではまだ危険でしかない。



わからないよう既存のテントを改造する事にした。



冒険者御用達の雑貨屋トレスに向かう。

これはネル情報だ。


貴族の買うようなものは買えない。

なので、冒険者のよく利用するお店を案内してもらっているのだ。



雑貨屋トレスについた。


おー、アウトドアショップといった感じかな?

あんまりいった事ないから、デパートとかにある、アウトドアショップしか知らないのだが。

割と賑わっている。冒険者には必須なアイテムが多いから、利用者も多そうだ。



テントや、下に引く麻布のシートや、山登り用?なのだろうか?分厚いブーツのような靴などが売っている。

硬そうだから、普通に冒険者ならキック力強化?とか安全ように普段から履くのだろうか。


まだまだ知らないことが多いなと思いつつ、テントをみる。



ここに売っていたのは3種類のテントだ。



日本のワンタッチテントなどのような便利な品ではない。


自分で設置するタイプだ。



とても簡単に出来ているが、大丈夫なのだろうか。

柱に対して、シートについている、紐を結びつけていく感じの作りで、

雨などの対策に上に防水皮のシートが取り付けられるようになっている。



大きさは、



・2人用テント:ギリギリ二人が並んで寝れるサイズ


・3〜4人用のテント:5人くらいまでギリギリ詰めれば寝られるサイズ


・5〜6人用の大型テント:このテントだけ大きいからかピラミッド型ではなく、四角い。その分6人で寝ても余裕があるくらいに広いようだが。


以上の3種類のようだ。



んー・・・2人用でも中を拡張する予定だからいいのだが、これから仲間が増えた時に、2人用テントに何人もいたら変だろう。



しかし、四角いテントは大きすぎる。

小さいアイテムボックスでは通らなくなってしまう。



3〜4人用のテントに決めた。


支払いをしようと、奥のカウンターまで行こうとしている時に

ふと目に入ったものがあった。


革でできたショルダーバックだ。


麻袋を使っていたが、肩にかけれる方が便利だ。

麻袋のように破れやすいといった事もないだろう。



ブラウン系の色味を少し深くした色合いで、見た目も気に入った。

後々自分で作る予定だが、今はこれでいいだろう。




「すみませんー、これください」



「はいよー、テントと鞄の二つで金貨3枚ね」



代金を支払う。



「まいどー」



痛い出費である。結局稼いだお金も大半使ってしまっている。



「また明日から少しは稼がないとだなー」


結構時間も過ぎていた、既に15時目前である。

時計が見えるのもこういう時役に立つ。



この世界の庶民は基本、どこかメインの場所などに付けられてる時計を見る。

個人で日本の用に腕時計など持ち歩いてる人はいない。



貴族は懐中時計のようなものを持っているようだが。

正確さに欠けるもののかなりの値段がするようだ。



急ぎ、噴水まで戻るとメリカがいた。



「ごめん、待たせた?」



「いま来たとこなのです」



「そっか、お別れはできた?」



「はい、なのです。すごく心配されたのです。そんな知らない男についてくなんて・・・って反対も凄くされたのです。でも最後には分かってくれたのです」



なんか凄い誤解を招くような説明してそうだが・・・

無事済んだならいいか。



「それは良かったね。こっちも買う物買えたから、後は残りの数日で、資金稼ぎと、メリカの戦力の把握かな」




「ありがとなのです。なんか頼ってばっかで悪いのです、何か手伝いたいのです」



「気にしなくてもいいよ。パーティなんだしね」


お金の事とか、色々気にしてるようだ。



「まだ夕食まで時間があるし、そこのカフェでも寄ってこうか」


この時、そんな事をいった自分を後悔した。



噴水が見える、おしゃれなカフェだ。

テラス席が空いていたので、そこに座る。



「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」


メニュー表が置いてあったので見ると、果実のジュースがほとんどだった。


アプリのジュースでいいかな。


「メリカ何にする?」



「これがいいのです」



「ん、どれ?」



そこには、カップル限定・・という文字が。



「あ、それオススメです。それになさいますか?」


店員が訪ねてくる。



「いや「はいお願いするのです」って俺は普通のアプリジュースでいんだけど」



「トーカさんは私とじゃ嫌なのです?」



「いや、メリカは可愛いし、そんな事はないんだけど」



「かわ、、いい、急に言われると恥ずかしいのです」


顔を赤らめて、上目遣いで見つめてくる。




「分かったよ。すみません、それでお願いします」


結局・・・頼んでしまった。



「はいかしこまりました」



メリカは嬉しそうな顔でニコニコとしている。



「なんか楽しいのです」



「そうか?」



「はいなのです。こっちに来てからは仕事に追われていたので、こんなにのんびりした事なかったのです」



あー・・・そうか。

働かないと生活出来ないし、日本みたいに休みって感じの休みがなかったんだったな。



「これからはもっと楽しい事もあると思うよ」



「はい、ついていくのです」


そんな事を話しつつ、雑談をしていると、ジュースが運ばれてきた。




「お待たせしました。こちらがカップルジュースとなります」



出た・・・ハートのストロー

テラス席にするんじゃなかったなー・・・

勢いでokしちゃったけどテラス席、しかも噴水の近くなので人も多い、とても目立つのである。



「飲まないんですか?」



「いや、飲むよ。先に飲んでいいよ」



「一緒に飲むのです」


恥ずかしそうに見つめてくる。

その顔に弱い。



「飲もっか」



「はいです」


その笑顔が見れれば・・・恥ずかしさなんて!

っと思っていたのだが・・・偶然なのか、必然なのか、目撃をされていたのである。


まー目立つとこにいるから当たり前ではあるんだけどね。



その後は宿屋に戻り、夕食を食べ、就寝した。



なぜか部屋はそのままだ。

そのまま流されまた一緒に寝てしまった。



一緒は嫌ですか?とか見つめられたら・・・嫌とは言えない。



今日も寝付けないかなーと思っていた。

だが、なんかホッとしている。




こっちの世界に来てからどこか自分は違うから、

異世界人とこの世界の人を区別して壁を作っていた。


だからなのか、メリカの肌の温かさがとても安心できた。

一人ではない、一人でも秘密を抱えたままでも、異世界楽しめるからと思っていたが、

こうして、理解してくれる人がいる。そしてこの温もり。大切にしたいものがこちらの世界にも出来たのだ。


頑張らないとな。



その心地よさに次第に眠りつく十華であった。




翌日また冒険者ギルドで噂が流れていた。

英雄とお姫様がカップルジュースを飲んでイチャついていた。

英雄は手が早い。



など色々言いたい放題言われている。



今日はメリカの魔法を試しに行く日だ。

オーク退治の依頼を受けてから、森に行く。



前回メリカが襲われた場所に着いた。



「大丈夫?」


っと、心配したがどうやら問題ないようだ。



オークが3匹ほど離れた所にいるのをマップで確認してから、まずは精霊魔法の実験を始める。

離れた位置であれば、音がなっても対処できるからだ。


逆に近づいて来てくれたらお肉が手に入るので、どちらにしても都合がいい場所だった。





「メリカ、ここで精霊魔法を使って見て。木に向かって全力で撃っていいよ」



「はいなのです。精霊さんあの木に向かって攻撃お願いなのです」



バッシャーン


ザザザザザザざ


ドーン!!



すごい威力だ。かなりの量の水が木に向かって津波のように押し寄せる。



そして木がその水量に押され折れる。

周囲の木を巻き込んで大木が倒れた。



「すごい威力だな・・・」


大精霊だから強いのかな?

手加減しないと大変だ。



「はぅ 精霊さん凄いです。びっくりなのです」



「次からはもう少し加減ね。森の木がめちゃくちゃになっちゃう。でもこれでオークも問題なく狩れそうだね」



「はい、行けそうなのです」



「じゃあ、ここから少し離れた所にオークが3匹いるからそこに行こう。手を出さないから任せるね」



「やってみるのです」



森を進んでいき、3匹が見える位置まできた。

まだ相手は気づいていない。



「メリカ、そこに隠れながら、倒せる?かな?」




「大丈夫なのです、精霊さん行くのです」



水の刃が3匹のオークを襲う。



ズシャっ


スサっ



ギャャァァァア  オークの叫び声が聞こえるが、傷は深い



2匹は一瞬で絶命し、1匹は致命傷によりやがて光となった。



「お疲れ、頑張ったね。これなら冒険者としてやっていけるね」



「はい、頑張るのです、精霊さん強いのです」




その後も何回か試して、オーク15匹を倒した。



「マスター少しオークの数が多いです。地図を少し範囲を広げて見てください。ここに集落があります」



なんとオークの集落が出来ていたのだ。

とりあえず、一旦報告が必要だろう。



二人は一旦町に戻ることにした。



冒険者ギルドに着き、マリアの受付に並ぶ。

そして今日の報告をする。



「ほんとですか!!?それは大変です。すぐにギルドマスターに伝えて来ます」



マリアが大きい声を出したので、酒場の方でも反応しているものが多くいる。



オークの集落だってよ。

どれくらいの規模なんだ?


俺はパス。


これは稼ぎ時だな!



など色々な意見が飛び交っている。



マリアさんが戻って来たようだ。



「すみません、マスターがお呼びです、こちらへどうぞ」


後ろをついて行く。

どうやら3Fに向かうようだ。



階段を登り3Fに着く。ここがギルドマスターの部屋なのだろう。

丁寧にマスタールームと書いてある。



コンコン


「マスター、トーカ様とメリカ様をお連れしました」


いつもと口調は違って、とても真面目な雰囲気だ。



「入れ」


渋い声が聞こえる。

そのままマリアさんについて中へ入る。



そこには、人間?ドワーフ?ではないか。

立派な髭のおっさんが立派な椅子に腰をかけていた。



「おう、お前らが、英雄さんとお姫さんか」



「あ、はい、トーカと申します」



「メリルなのです」


「とてもオークを倒せるようには見えんな。しかし、何かとてつもない、雰囲気を感じなくもない・・・か。それで報告をもう一度してもらっていいか?」




「はい」


十華は話し始める。


森でオークを狩りしていた事。


奥の方に進んでいると、気配をたくさん感じたので、覗いた見た。


すると・・・


木などで出来た、柵が置かれ、多くのオークが統率されたかのように部隊に分かれて徘徊していた事。



「そうか・・・それは確実にジェネラル以上がいるな」




「一回り大きいオークと大きい爪の生えたオークなら何体か見ましたよ」



「それは本当か!だとすると、そいつはオークジェネラルとキラーオークに違いない。そいつらが、何体もいるとなると、キング種が現れたのかもしれない」



マリアさんがとても慌てている。



「キング種ってなんですか?」


トーカはオークキングだろうとわかってはいたが、実際どれくらいの強さかわからないため聞いて見た。



「キング種は、それ1体で災害を起こせる、最上位種だ。今回はA級であるオークキングがそれに当たる。実質S級に近いAだ。この町に来てしまったら町は・・・大きな被害を受ける。それにしても、なぜ、こんな所に集落が・・・」



「なるほど。では、すぐに倒しに行くんですか?」




「いや・・・この町の冒険者では上位でもCランク。行っても死ぬだけだ。マリア、王都のギルドにすぐ救援要請を出せ!すぐにだ。後騒ぎにならないように、冒険者の口止めを忘れるな。それとCランク冒険者を今すぐ連れてこい」



「はい、かしこまりました」


慌てて出て行くマリアさん



「王都の冒険者ギルドにすぐ連絡が取れるんですか?」


2週間もかかる所とどうやって連絡を取るのだろう。

スマホ的な何かがあるのだろうか。



「念話石を使う。魔力をかなり使用するので、緊急時にのみだが・・各冒険者ギルドと連絡を取れるようになってる」



「なるほど・・・でもどんなに早くきても1週間以上かかりますよね?」



「ああ・・・とりあえずCランク冒険者とお前らで、状況の調査だけ行ってもらいたい。避難させるのか、食い止めるのか・・・判断をしないといけないからな。」



「わかりました」


しばらくすると、

コンコン


「入れ」


Cランク冒険者なのだろう。

マスタールームに姿を見せた。

その中にはクマさんもいる。



「Cランクパーティ、狼の牙5名、Cランクパーティ炎熱のお二人とCランク冒険者グーマ様をお連れしました。また王都に応援要請をしました、即Aランク冒険者以上の者を手配するとの事です、ただ依頼に出ているものが現在多いため。間に合わない可能性が高いとの事です。」



「わかった。ここで今から話す事は口外禁止とする!わかったな?」



「「「はい」」」


「では時間がないから簡潔に言う、暗常の森の奥にオークの集落が発見された。ジェネラル、キラー種数体と恐らくキング種が出現したと見て間違いないだろう」



ザワザワザワザワ


みんな動揺しているのだろう、ごちゃごちゃ何か言い合っている

そこで口を開いたのが炎熱のリーダのソラだ。


赤い髪にキリッとした目。まさに魔女といった感じの服装をしている。



「Cランク冒険者のあたし達にできる事は無いと思うけど、何させるつもり?まさか倒せとか言わないでしょうね」



「ああ、そんな無茶は言わん。ここにいる9人には一緒に偵察に行ってもらいたい。状況をしっかり把握することが今は先決だ。ここにいる、9人はこの町の最大戦力に等しい。頼む、行ってくれ!報酬は勿論はずもう。偵察のみで、構わん、1パーティ金貨5枚出す」



偵察だけで金貨5枚とは、それだけこの状況はやばいのだろう。

十華は自分なら倒せる気がしたが・・・


災害級を見た事は無い。

オークを瞬殺できるとは言え、Cランクなのだ。

恐らくAランク冒険者なら似たような事も出来るだろう。



今回はS級に近いA級。

ヘマをしたら致命傷になる可能性もある。

それにメリカもいるのだ、無理は出来ない。



みんな各パーティーで相談をしているようだ。



一様・・・相談をしてみる。恐らく行くだろうが。



「メリカ、俺達は行くと言ってしまったけど本当にいいんだよね?キング種もいるみたいだし、何があるかわからないけど・・・」



「はい、町の人達のために行きたいのです。それに・・・トーカさんならもしかして。」



メリカも俺なら倒せるかもしれないと思っているようだ。


だが・・・ここでオークの集落。

しかもキング種を倒したとなると、目立ちすぎる。

色々な所で知られる事になるだろう。



十華の顔を見て、メリカもその事に気づいたのだろう。

深くはいってこないが、心配して大丈夫だよっと言うかのように手を握ってくれた。



「僕達、狼の牙は依頼を受けます」



「私達も受けるわ」



「はい、俺達も受けようと思います」



「そうか、みんな有難う」


ギルドマスターが頭を下げた事でみんな、慌てている

こう言う時に頭を下げれる人はきっと信頼できる人なのだろう。



俺だって・・・町には仲の良い人も出来た。

宿屋のルミアに

受付のマリアさん

一緒に酒を交わした、冒険者達。


わからない範囲で頑張ってみるかー・・・




「ねー、それよりそこの二人は使えるのかしら?噂の王子様とお姫様でしょ?オークを倒したとは聞いたけど、実際新人冒険者にはこの依頼は荷が重いのではなくて?」


あー、自分に自信がある系の見下す系の人だ。

赤い髪の気の強そうな人にありがちなパターンだ。

とてもめんどくさい。


威圧でもしてやれば納得するかな?

十華が、考えていると・・・



「この通りだ、わしに免じて信用してくれ。俺の見立て通りなら、確実に役に立つ」



「ちょっとー・・・ギルドマスターに頭を下げられたら、私が悪者みたいじゃない。ちょっと試してみようかなと思っただけよ」


ギルドマスターはやり手だ、頭一つで纏めてしまった。

ここは自分も冷静になり、ことがうまく進むよう運ぶべきだと思った。



「はい、新米なので、学ばせて貰いたいと思ってますので、お願いします。戦闘では足手纏いにならないよう、努めますので」




「任せなさい、私が教えてあげるわ」



こう言う人って頼られると弱いんだよね。


ソラの後ろではもう一人の魔女っぽい茶髪にメガネの子が何か呟いてる

イケメンなのに・・・人間まで出来てる・・・ボソッ



この体になって聴力も良くなったのか、聞こえている。



「僕達は元々、護衛の任務で一緒になると聞いてるので。その前に戦力確認できてラッキーって感じですよ」


狼の牙のリーダのトールが言う。爽やかそうな口調だ。良い人そうで良かった。

まさにリーダという感じだろうか?



「俺はこの二人とは顔見知だし、元々こいつの事は実力で疑ってねえから、問題ない、何かあれば俺が守るしな」


クマさんやっぱり良い人!!!!



「では、話し合ってなるべく早く向かってくれ。俺は領主館に行ってくる」



「じゃあ、最年長の俺が仕切る、いいな?」


クマさんが言う。



「まずは、簡単に自己紹介を済ませよう、といっても、みんな見知りだから二人にだな。改めて俺はグーマ、大剣使いの前衛だな、年齢は30だ」




「じゃあ次は僕達かな」


リーダのトールが話し始めた。



◼️狼の牙



・剣士兼タンクのトール  男 19歳

爽やかな好青年だ。少し長めなショートヘアー 茶髪、茶目  



・弓使いのペル  男 18歳

童顔な顔に身長150cmほどの小さい体に大きな弓を持っている。茶髪に茶目



・回復魔法と風魔法が使えるマリン 女 19歳

おっとり系巨乳だ。髪の色は青ロングヘアー、瞳はグレー



・火魔法と土魔法が使えるチョコル 女 19歳

綺麗なアッシュブラウンの髪色でショートヘアー、瞳は茶目



・短剣使いの斥候サイド 男 20歳

ベリーショートな薄茶色の髪にちょっとヤンチャそうな雰囲気だが、誰よりもパーティ想い




以上が狼の牙のパーティーメンバーだ。

非常にバランスが良さそうだ。



「じゃあ次は私達の番ね」


ソラが話し始める。



◼️炎熱


・火魔法使いのソラ 女 20歳

赤いミディアムヘアーにきつそうな目、魔女のような格好。瞳の色は赤

火魔法しか使えないが、上級魔法まで使えるとの事。



・水魔法と回復魔法が使えるカプリ 女 20歳

メガネをかけた、大人しそうな雰囲気の子。茶髪に茶目で左右どちらも三つ編みをしている。



「以上ね」


トーカ達の番だ。

なんと言えば良いのだろう。



剣士?魔法使い?



「じゃあ次は俺達ですね」


◼️エトワール


・魔法剣士のトーカ


これが無難だろう。登録通り火魔法と風魔法が使えるが、基本は剣を使うと言う事にした。



・水魔法使いのメリカ

精霊魔法は言わない方がいいだろう。精霊を通し水魔法も使えるので、水魔法使いとした。



「以上です」



「何よ魔法剣士って!中途半端な魔法は危ないわよ?」



「大丈夫です、基本は剣なので、火魔法は得意なソラさんにお任せするので」



「あら、そう、任せなさい」


って言っても偵察だから基本は火魔法とか気づかれる魔法使わないんだけどねー

と思ったが、言わないでおく。変に揉めてもめんどくさいのだ。



「よし終わったな、パーティ単位のが動きやすいと思う。俺と炎熱、エトワールでちょうど5人で1チームとしよう。狼の牙も普段通りの5人のが上手く動けるだろう」


クマさん案外頭回る



「そうですね、僕達もその方がやりやすいです」


トールが答える



「わかったわ、私達もそれで構わないわ」


それに合わせるようにソラが答える



「俺達も問題ないです」


トーカも了承しておく。




「じゃあー10分で準備して門の前集合だ」


「「「はい」」」



各自準備が始まった。


部屋からみんなが出て言った後、十華とメリカは部屋の中にいた。



「えっと何準備しようか?」



「準備いるのです?Fランクだったので・・・わからないのです」



「そうだよねー。俺もイマイチ何準備していいかわからない」



「トーカさん、その剣で行くのです?」


トーカが持っている剣は初心者用のただの剣だ。

しかも、こないだメリカを助けた時に欠けている。



「さすがにこれはまずいか・・・何か作るかな、メリカのも一緒に作ろう」


ミスリル・・・オリハルコンとかはまずいよなー。


んー、でも何度も変えるのもめんどいな。



「ミスリルを使ったらまずいかな?」



「まずいのです。そんな高い装備持ってたら、誰かに襲われそうで怖いのです」



「だよねー。ミスリルで作って、外装だけ偽装しようか」


自分で言うのもあれだが、いい案だと思った。

まだ目立つわけにはいかないのだ。



「それなら問題ないのです」



十華は創造魔法でミスリルの塊を造る



眩い光が収まるとそこに残ったのは、大きなミスリルの塊。



「やりすぎなのです!トーカさん。それ売ったら大きな屋敷が買えるレベルなのです」


量がわからず、ちょっと多めに作りすぎたようだ。

また使うと思うしいいよね。



「ちょっと多めにと思ってね」



「マスターは自重を知らないですからね」


ネルが久々に呟いた。軽く、返答しておく。


「なんか最近扱いが雑です」


だって登場シーン少ないんだもん。

そのうち増えるって!




次に鍛治魔法を作る。


◼️鍛治魔法

素材と魔力を合わせ、イメージに沿った武具を作る

素材の質と魔力の量、イメージ力により成功率や結果が異なる。






あれ、インゴットにしないと、魔力多くかかるのか。


錬金も作る事にする。



◼️錬金

素材と素材を合成してより質の良いものを作り出す。

魔力の量やイメージの度合いで素材の質が変わる。




これでいけるだろう。

まずは錬金でミスリルをインゴットに変える。


とりあえず全部変えてしまおう。

魔法陣の上にミスリルを置いて、錬金した。



すると綺麗な、ミスリルのインゴットが大量に出来た。

一体どう言う理屈なのだろうか、異世界に理屈とか言っても意味ないのだろうが。



続いて武器の作成だ。


余り知識がないので、ここはネルとイメージを合わせる事にする。


「ネル、国宝の日本刀で龍とか花の紋様が付いてる感じの探せる?」



「はい、いくつか候補がありますので共有します」



共有して貰ったのは、この4つだ。



◼️国宝:三日月みかづき宗近

太刀/刃長80cm

三条宗近の作。「天下五剣」の中でも最も美しいと言われる。



◼️国宝:童子切どうじぎり安綱

太刀/刃長80cm

足利将軍家から豊臣秀吉、徳川家康、徳川秀忠、松平忠直に継承され、

越前松平家の高田藩から津山藩に継承された。



◼️国宝:大典太おおでんた光世


太刀/刃長65.75cm

典太光世の作。足利将軍家の家宝であったが、足利家の没落により

流出し、豊臣秀吉の所有となり、その後以降、前田家第一の家宝として伝えられた。



◼️御物:鬼丸おにまる國綱

太刀/刃長78.2cm

山城国の名工、栗田口六兄弟の末弟である国綱の作

北条け、足利家の重宝、その後は織田信長を経て、豊臣秀吉へ伝わったと言う説と、直接秀吉へ贈られたと言う二説があるが、その後明治天皇の元に取り寄せられ、皇室の所蔵となった。





正直どれがいいのかわからない。

どれも凄そうだ・・・といったくらいだ。



一番刀身の綺麗な三日月に、雪月花の模様を入れたら、

カッコいい気がした。



「ネル、このイメージで共有して!!!」



ネルに頼みイメージを鮮明に送り込んでもらう。



「鍛治魔法」


集中する。

インゴットに魔力を送りながら、徐々に徐々に形を変えて行く。

硬い魔物でも折れないように、どんな魔物でも斬り裂けるように。


輝く刀身に、透き通るようなまるで、光に映る雪月花。


徐々に、輝きが収まっていく。



残ったのは、透き通るような、刀身に雪月花の模様が輝く、

見てるだけで吸い込まれそうな、刀だった。



「これは・・・予想以上のものができた」



鑑定してみる



◼️銘 未登録 幻想級

攻撃力+500

不壊 斬撃強化(大) 氷属性付与(切り替え可能) 専用化 偽装



トーカにより作られし刀。

太刀/刀身80cm

光り輝く刀身からは、雪月花が咲き乱れる。

その刀身に触れたものは全て氷結してしまう。




ちなみに幻想級がどれほどなのかと言うと。



一般、レア、秘法級、伝説級、幻想級、神級となるので2番目だ。


現在伝説級の装備は国宝となっており、幻想級は発見されていない。



これはまた危険なものを作ってしまった。

出来たものは仕方ないが、とりあえず偽装をして刀身の輝きをなくし、鉄っぽい感じにしておく。


これで大丈夫だろう。

斬れ味とかは変わらないが、トーカ意外に持つことはできない。




「カッコいいのです。見てると切られてもいい気がしたです」


なんか危ない発言しているが、それほどまでに綺麗なのだ。




「次は、メリカの杖だな、どんなのがいい?」



「んー、使ったことないので、よくわからないのです」


そういえば、貧乏冒険者で、採取くらいしかしたことないのだったな。



「じゃあ、一般的なロッドの先に宝石がついてるような感じのを作るよ、杖自体をミスリルで作って、先に魔力を込めたサファイヤを付けよう」



創造で大きなサファイヤを造る。

そして錬金でサファイヤを凝縮し拳大のサイズにする。


これで魔力のかなりこもった宝石になったはずだ。



続いて、鍛治魔法の出番だ。

ロッドのイメージを固めて。先端は宝石を包むように、作っていく。

花の蕾をイメージしている。魔力を込めると開くのだ。

結構おしゃれではないだろうか。


魔力を込めてイメージを形にしていく。

光が収束していく。


「できた」


ロッド部分は透き通るようなミスリルの銀色。

先端部分にはサファイヤ。それを包むように透き通るスカイブルー色の蕾。


とても幻想的に仕上がった。


「綺麗・・・・なのです。こんなの貰ってもいいのですか」



「メリカのために作ったものだからね」



「ありがとうなのです」



突然抱き付いてきた。ちょっとドキッ っとしたが

調子にのるので、頭をナデナデして誤魔化す。



鑑定をして見た。


銘 未登録 伝説級

攻撃力+250

不壊 魔力増大(中)魔力回復力(中) 専用化 偽装

水魔法使用時威力5倍


トーカの作った杖。光り輝くミスリルのロッドに透き通るスカイブルーの蕾。

その先には、凝縮された、深青のサファイヤ。水魔法使用時に大きな効果をもたらす。

なんで伝説級になったんだろう?同じように魔力を込めたはずだが。



「おそらく、イメージ力の違いが出たのかと思われます。マスターの作った刀は、実際にあるものを参考にしています。しかし杖はマスターの中にあるイメージを元にしたので、その差が出たのではないでしょうか」


なるほどな・・・ネルとの情報共有によって、

ただなぞったりする写し絵や、色を塗るだけの塗り絵のような状態で作っているから、

出来るものも高品質になるのか。



自分で1から高品質にするにはもう少し慣れが必要なようだ。



メリカの杖も偽装で、木の杖に見えるようにしておいた。



「これで、誰も国宝級の武器だとは思わないでしょ!」



「はい、大丈夫なのです。蒼蕾そうらいにするです」



「もう名前決めたのか!、しかもなんかカッコいい。メリカなのに・・・」



「メリカなのにとは失礼なのです。トーカさんこそ名前決めたんですか?」


なんとなくこれを見た時に思ったのだ。



氷花ひょうかこの刀の名前だ」



「ムゥーなんかムカつくのですよ」



「なにさ、ムカつくって、メリカほどひどいセンスしてないからね、っとそれよりそろそろいかないと、10分経ってる」



「急ぐのです」



慌てて二人は門へ向かうのだった。




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