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責任を取ってください!!!異世界ではこれが普通ですか?

少し長く書きました。

第一ヒロインになれるのか、今後楽しみにしてください。






20分ほど、待っただろうか?

メリカはよっぽど怖かったのだろう、全く目覚める気配がない。



「おう、待たせたな。部下に一走り行ってきて貰ってついでにこちらでわかっている事を、伝えてきて貰った。どうやら本当に死亡届けを出したみたいだな」


トーマスさんの話によるとこうだ。


冒険者、ルードとドグルは血相を変えて冒険者ギルドに駆け込んできたらしい。

門でもそんな血相を変えたやつが入れば何かしら聞いたりするから、

冒険者ギルドに入る時にした演技だろうとの事。


受付が聞いた話によると。


一緒にいたメリカという少女が、採取の途中にいなくなってしまって、

奥まで行ったかも知れないから探しに行った所。


オーク5匹に囲まれていた。

助けようと斬りかかったがその時には、既に遅く。

メリカはオークにやられて返事すらなかった。


遺品だけでもなんとかしようと思って

オークに斬りかかったが、オークは強く反撃を受け、命からがら逃げてきた。という話らしい。



「今ルードとドグルは治療院にいるらしい。警備の者に拘束させに行かせている。すぐに捕まるだろう。それよりさっき3匹って言ってなかったか?まー今はそれは聞かないでおくが」


バレた!

実力誤魔化すために3匹って言ったのだがこんなすぐバレるとは。


「すみません、助ける事に夢中だったのでどれだけ斬ったか覚えてなくて」


よし、完璧



「そんな訳あるか!!!」


「ですよねー。」


簡単にバレた。



◆◇◆◇


その時ルードとドグルは治療院にいた。

ルードの折れて潰れた腕を、治すためだ。

勿論、完全に治すような治癒を施せる人間がこの町にいるわけもないので、最低限の治療だ。



二人はギルドの受付に報告したが特に疑われる事もなかったので安心していた。


扉が開く。


警備兵が3人真っ直ぐ向かって来る。



「ルードとドグルだな、お前らは殺人の疑いがかかっている。今すぐ大人しくついてこい」



「おい、どう言う事だよ! 俺達は命からがら逃げてきたんだぞ?」



「証言があった、だからついてこい!」



「はっ 死んだ人間が喋ったわけじゃあるまいし、そんな訳あるかよ」


ルードとドグルは焦る気持ちを抑えながら精一杯反論する。



「その死んだ人間からの証言だよ!いいからさっさとこい!連れていけ!」


ルードとドグルは何が起きたかわからない。

抵抗むなしく、連れていかれる。



◆◇◆◇


誰かが呼びに来る声がした。



トーマスさんの部下のようだ。



「今、二人を拘束して連れてきたそうだ。俺はちょっとばかり、話を聞いて来るから、ここにいてくれ!多分1時間もかからないはずだ!」


どうやら捕まったようだ。中々優秀な衛兵達だ。


「はい、ではここで待たせて貰います」


その間暇なので新しいスキルを考える事にした。


十華には、小説を読んでいた時、便利だな。と思っていたスキルが合った。

それは地球の食材をお取り寄せするスキルだ。


異世界にある魔物のお肉など、地球と比べても遜色のないものは多く存在するが。

調味料や、精製の質などは比べ物にならないくらい地球は優れている。


こっちに来てからまだ、それほど大きくない始まりの町だけだが、ほとんど調味料を見かけていない。


美味しかった、宿の料理ですら、ニンニクのようなものなど、調味料ではなく、素材の味を上手く使って調理している。


地球の調味料が手に入れば、異世界食文化革命を起こせるのは間違いないだろう。



早速十華は創造の魔法を使う。

眩い光を魔法陣が放つ。


あっ やばい。


グラスの時と大違いだ。

魔力をそのまま注いで行く。


まだトーマスさんが来るまで時間がかかるはずなので大丈夫だろう。



魔力がぐんぐん吸われていく。



あれっ 、、、

魔力がさらに吸われていく。


10分、20分と時間が過ぎていく。


残り3割をきった。


しかし、止まらない。


2割・・・1割・・・・


残り魔力10/11000000


止まった・・・



「すみません、マスター。魔力切れになりそうだったので止めさせて頂きました」


あれっ 出来てないの?まさかこんなに魔力あって足りないの?!


「失敗?」



「はい、失敗・・・と言ったらいいのでしょうか。スキルをご覧ください」


スキルを開いて見てみる。


異世界ショップ(劣)・・・


詳しく見てみる。


異世界(地球)の物をお取り寄せ出来るスキル。

お取り寄せにはお金をチャージする必要がある。

現在劣化につき、お取り寄せ出来る商品はグルメのみ。

また、3つまで設定可能。一度登録すると変更不可。


なるほど・・・

食品、3つまでokって事かー。

スキル見てる感じ、全然魔力足らなかったのかな?



「後どれくらい魔力あればいけるんだろ?」



「そうですね、、マスターが創造している間、調べていたのですが、恐らくまだ10倍ほど必要かと思われます」


今の魔力が1100万だから1億1000万必要って事!!!???

lvも11で1lvあたり100万だから。。。。


後9900万か。

lvで言うと110lv必要だ。


女神が本来与えるようなユニークスキル。

流石に別の世界からのお取り寄せは簡単には出来ないかー。


3つでも何か手に入れられるのだ・・・今は満足しておこう。

女神様の加護もあるし、そのうち上がるだろう。


創造のスキルで作れたら楽だったのだが、お金や、食品は作れないのだ。



とりあえず設定してみる。

醤油・砂糖・味噌


こんなとこだろう。

砂糖にしたのは、胡椒と迷ったが・・・甘味を食べたい気持ちが勝った。

この世界にもあるかもしれないが、恐らく高い。甘味を見かけたことがないことから、それは見当が付く。買えたとしても精製も日本とは大違いだろう。


醤油は万能過ぎるから外せない。


味噌は個人的に大好きだ。それに何より、作るまでが面倒くさいので、自分でやろうとは思えない。



設定が終わったので、


一度お取り寄せをやってみる。

半透明のウィンドウの右上にチャージと書いてある。

恐らくここからお金を入れるのだろう。


チャージを押し、残りの銀貨3枚を入れてみる。


すると、銀貨が吸い込まれていく。

画面を見てみると、所持金の所が3000円と書かれている。きちんとチャージ出来たようだ。



そのお金を使って、とりあえずショップにある、商品を一つずつ購入していく。

っと言っても、今は3商品しか並んでいないのだが。



購入を押した。

しかし商品が届かない。



「マスター、無限庫とスキルを統合しました。無限庫をご覧ください」


確認してみると、

砂糖1kg

味噌1kg

醤油500ml


よくスーパーなどに売っているサイズの物が入っていた。


これは便利だ、ダンボールとかが落ちてきたりするパターンだと、人のいるところでは使えない。


いずれ冒険者をしていれば、他のパーティーと組む事もあるだろう。

その時に不便なことはしたくはない。


バレることなく出来るに越したことはないのだ。


十華は調味料を手に入れれた事でこれから先のご飯が美味しくなるのを想像して、ニヤニヤしていた。



すると、終わったのだろうか、扉が開く。トーマスさんだ。


「待たせたな!終わったぞ。 それより何ニヤニヤしてんだ、まさか寝てる嬢ちゃん見てニヤニヤしてたのか?」



「えっ 違いますよ!!!断じて違います。これだけは否定します」



「冗談だよ!あまり本気にするな」


いやいや・・・こんな事がメリカに知れたら

俺は変態扱いされてしまう。


全力で否定する。



「はははっ それで、どうなったんですか?」



「ああ、認めたよ。最初は全然認めなかったんだがな、本人が偶然居合わせた冒険者に助けられて生きている事を話したら、血の気が引いた顔をして、怯えた表情になったんでな、ちょっと問い詰めたら、そこからは素直に話した。ほとんどお前さんに聞いた通りだったな。二人は冒険者登録の剥奪で犯罪奴隷行きだ」



「そうですか、解決して良かったです。また狙われたら大変ですからね」



「まーそうだな、鉱山行きだから、ほぼ死刑みたいなもんだ。安心しろ」



「起きたら、メリカにも伝えようと思います」



「おう、詰所には俺以外にも暇な奴がいるから交代で見てるし、お前は休んできてもいいぞ?目が覚めたら呼びに行かせる」


疲れたし、ゆっくりしたい気持ちはあるが、

ここで、帰るのは男としてどうなのだろう。


怖い思いをしてなんとか助かった。そして、泣き疲れて眠っている。

そんな女の子が目を覚ました時知らない衛兵達しかいなかったら、とても不安になるだろう。



安心させてあげるならここにいるべきだろう。



「いえ、起きた時に知らない人がいるよりも、まだ見知った自分がいる方が、安心すると思うので、今日はここで起きるのを待とうかと思います」



「そうか・・・まあ好きに使え。何かあれば外に誰かいるだろう」



「ありがとうございます」


十華はここで待つことにした。


しばらく、して思った。


助けたはいいけど、何もこの子のことを知らない。

パーティーを組んだ理由も、冒険者としての能力もだ。


悪いとは思ったが、勝手に鑑定をして見た。



◼️ステータス

名前  メリカ

種族  人族ハーフエルフ偽装中

職業  冒険者

年齢  15

レベル 10


生命力 80

魔力  120

力   30

体力  50

知力 100

敏捷 30

幸運 10


◆スキル

精霊魔法(封印中)

索敵lv1

裁縫lv2

剣術lv1


◆ユニークスキル

魔力視(封印中)


◆加護

水の大精霊の加護(封印中)


◆称号

追放者

精霊に愛されし者




「・・・ハーフエルフだったのか、なぜ隠しているんだろう」



だが、隠している以上本人が言わない限り聞くべきではないだろう。



ステータスは魔力特化だが、魔法は使えないようだ。

これではゴブリンすら倒せないだろう。


気になるのは、封印中のスキルだ。

追放者という称号があることから何か訳ありなのは推測がつく。



こういうのを見るとめんどくさいとは思いつつ、放っておけない十華である。



「おせっかい・・・だよなー。おせっかいは人を傷つけることもある・・」


十華は日本での事を思い出していた。


基本的に十華は物事を良い方向に考える人間だ。

そんな人間に悩んでいる人間の気持ちを理解する事など出来ないのだ。



落ち込んだ、親友。励まそうとしたが逆効果。

そんな考え方できるのはお前だけだ!っと それ以来疎遠になった。



「それでも、そこがマスターの良いところです。救ってあげてください」


ああ、そうか。ネルには俺の記憶もあるんだったな。

だが、メリカが望むとは限らない。


望んだら出来る限りの事をしてやろう。



十華は鑑定した事で、色々と誤解をしていた。

まさか充実した日々を過ごし始めていたとは思っても見なかった。


小説に良くある、ハーフエルフだからと虐められて追放された、心に傷がある少女だと思っていたのだから。



勿論、ネルの煽りもあったから、救うという言葉にどんどん誤解を重ねたのだが。


メリカは朝の鐘の音を聞いて目を覚ます。

ここはどこだろうか?


知らない天井だ。



横を見ると王子様がいた。

私は救われたんだ。


そう思っていると胸の辺りに違和感があった。

視線を移して見る・・・・




◆◇◆◇



「きゃっ」


悲鳴のような声が聞こえる。



十華は目を開ける。

どうやら寝てしまったようだ。



ベットで、メリカの様子を見ながらそのまま眠ってしまった。



メリカは壁際に移動し、胸の辺りを隠しながら、こちらを睨んでいる。



んっ 何かあったのか!!?



「おはよう、やっと起きたね。体調はどう?」


とりあえず体調を聞いてみる。



「王子様だと思ったのに、、、変態さん。だったのです。。ブツブツ」



あれ・・・なんか変な事言ってる。

王子様に変態さん。誰の事だろう。



「マスター・・・言うべきか迷ったのですが。少女が起きた時マスターの手は少女の胸の上にありました。それ以上はご想像にお任せします」



なんだって!!!!!!!!????

あれだけ、不安にさせないように俺が付いてるとか言ってたのに。


まさか自分が不安を煽る変態さん扱いされるなんて・・・



「ちょっ っと待って誤解があるようだ」


慌てて弁解する。



「王子様の話ですから聞いてあげない事もないのです。でも責任とって貰うです」


十華は昨日メリカが寝てからの事を話し出す。



ここが衛兵用の治癒室である事。

二人が捕まった事。などを詳しく話した。


そしてメリカが起きるのを待っていたら寝てしまった事。



「そうだったのです。助けてくれてありがとなの。でも・・・胸揉んだ事は別なの誤魔化されないの。責任取ってくださいなのです」



責任を取ってくださいって大袈裟な・・・

十華はそんな風に考えていた。



「いやいや・・・責任って。そんな大袈裟な」



「大袈裟ってヒドイのです!!メリカの胸は無価値と言いたいのですか。これでも結構大きいって・・・言われるのですよ!!」



「それに、寝ていたから。感触も覚えてないし。触ってたのすら状況見るまで気がつかなかったし」


知らない間の出来事でも、悪い事は悪いが・・・

責任とってと言われると困る。


十華には秘密が多い。それにほぼ無一文で一人の生活が精一杯である。

勿論、創造で金やミスリルなど作れば、お金に困る事はないが・・・・


それは異世界に対して冒涜である。

小説でもたまに作った素材を売ってしまうものもあるが・・・

そんなことをしてはつまらないし、この世界の流通を狂わせることになるので、

自分で使う時以外には作らない。


小説を読んでた時に、仲間のため、自分のための装備などには自重しない。

俺もそっち派だなーと思っていたので、これから先も作った鉱石などを売るつもりはない。

勿論地球さん知識で作った便利品などは別だけども。



「じゃあ・・・今から1回触ってもいいのです。だから感触覚えたら責任取ってくださいなの」


この子何言ってんの?

どうしても責任を取らせたいらしい



「マスター救うと決めたなら、傍にいてもいいのでは?影からこそこそやるよりも堂々と出来る方が、やりやすいはずです」



「それはそうなんだけどね。この状況で触るのは・・・どうなんだ?」



「普通は変態というか。間に受けないで躱すでしょうね」


だよなー・・・正直触りたい気持ちは・・・男だからある。

メリカは可愛い。


しかし、、ここは



「あー・・・わかったよ。責任とるから、触らなくてもいい?」


これで収まるだろう。



「ダメなのです!信用出来きないの。早く触ってなの」


・・・

どうしたものか。こんなことを言い出すなんて。

変態はどっちだ!!!??と十華は思った。


最初のもわざと触らせたんじゃ・・・



「いえ、マスター。最初のはマスターが自ら手を動かしていたのを確認しています」



あっ、そうですか。



仕方ない・・・ちょっと触ればそれで終わるだろう。

主人公の役得というやつだと思って!



「じゃあ、本当に触るよ?」



「はい、一思いにぎゅっといってくださいなの」


目を瞑って顔を赤く染めながら、恥ずかしそうに待っている。



「そんなに恥ずかしがるなら言わなきゃいいのに」



「大丈夫なのです。目を瞑ってるだけなの」


十華は胸に手を伸ばし一揉み


あんっ


メリカは十華の手を握り、自分の胸に固定した。


「変な声ださないでよ。俺が変態みたいじゃないか・・・それにその手は何!!?」



「既成事実は必要なの」



その時ドアがカチャッと開いた。



トトト、、、、トーマスさん!!!!!!???



「おう、目覚めたか?っておいおい・・・もう手を出してるのか。しかもここは衛兵の治癒室だぞ。中々やるな」



「ちち違いますよ!!トーマスさん誤解です。これはメリカが」


動揺して何を話していいかわからない。


「トーカさんが、責任と取るから、1回くらいといってきたのです・・・」


恥ずかしそうにメリカがいう。



って おおおおいいいいいい!!!!そんな事実ないですから。



「っという事らしいぞ?トーカ。男ならそれくらいちゃんと認めたらどうだ。意外と度胸あるんだなっと俺は好感を持ってるくらいだ」



「って・・・違いますって・・・はぁ・・・メリカ!ちゃんと話さないなら俺は一人で帰るぞ?」

いい加減、めんどくさくなってきた。



「あ、ダメなのです!!!ちゃんと話すの」


それからメリカがちゃんと事の真相を話した。



「なるほどなぁー。そりゃあ嬢ちゃんにやられたな。1枚嬢ちゃんのが上手だったって事だな。で、町の教会で式をあげるのか?新人同士じゃ、お金も辛いし、報告だけか。俺が立ち会ってやろうか?」



んっ この人何いってるんだ・・・?

責任を取るってパーティーを組むって事だよな?


胸揉んだくらいで結婚?勘違いしすぎだろう。トーマスさん。。。



「いえいえ、結婚なんてしませんよ?」



「えええええええ責任とるって嘘ついたのです?・・!!!!!あんなに揉んだのです!!」




「いやいや、自覚あって揉んだの1回だけだし。それに責任ってパーティー解散したから俺にパーティーを組んでくれって事じゃないの?」




「嬢ちゃんも苦労しそうだな。まあ頑張れよ。そろそろ仕事に戻る、またなんかあったら助けになるから、ここへこい。」



あれー・・・ 違ったの?



「マスター・・・あの場合はどう考えてもそういうことかと」



「はい、トーマスさん「「お世話になりました。」」またご飯でも奢らせてください!」



「おう、たんまり稼いでたくさん飲ませてくれ!期待してるぞ。じゃあな」



トーマスさんが出ていった後。



「えっと・・・とりあえず。いきなり結婚とか無理だから。パーティー組んで、もう少しお互い知ってからでどうかな・・・?」


決してチキンな訳ではない。

これが普通・・・だよね?もしかして・・・異世界ではこれが普通なの?!かな。



「むぅー、仕方ないのです。一緒に居られるならそれでいいの」


十華は考えていた。

秘密の多い十華。今の時点では、一人の時間が減るのは、あまり得策ではない。

かといって・・・メリカの事を完全に信用した訳ではない。


いっそ・・・契約魔法でも作るか?

いや、しかし、そんな事をしたら疑っているとバレバレで、傷つけることになるかも知れない。



「ありがとう、とりあえず1回外に出ようか、色々この先の事も考えないといけないと思うし」



「はい、結婚の話なのです!考えるのです!」



「いや、違うからね?冒険者である以上、ランクをあげるために依頼をしないといけないし、この町にずっといる訳じゃないからさ」



「えっ 町を出るのです?」



「いや、それも含めて話そうかと思ってね」



「わかったです、早く行くの!」


はぁ。。。本当にわかってるのだろうか。



十華達は、大広場の噴水の方へ向かった。

先に冒険者ギルドに寄る。

お金がないのでカフェ代を換金しに行かないと!



歩いている間ずっと、くっついてくるメリカ。

落ち着かない。



冒険者ギルドに着くと、いきなり・・・・



「おい、お前ら大丈夫だったか・・・?」


クマさんだ。これは時間がかかりそうだ。



「あれ、何かありましたっけ?」


とぼけてみる



「おいおい・・・そりゃねーぜ。ギルドではもはや、その話題で持ちきりだ。新人殺しの話とお姫さまを救い出した、英雄の話でな」


へっ 英雄!!!!!???なんか話が盛られすぎてはしないか・・・

嫌な予感がする。



酒場の方からも英雄がきたぞ!!とか

あれがお姫様か・・・


イケメン死ね



とか声が聞こえる。



「あーその・・・なんか話が盛られてるようで。ただ、通りかかって、魔物を倒しただけですからね」



「いえいえ、トーカさんは私を救ってくれた勇者様なのです」


おいおい。煽らないでもらいたい。


早く換金して立ち去りたい・・・



「ほら・・・こいつもそういっている。それにな、この町でオークを倒せるのは一握りの人間だけだ。それをソロで5体を倒した??って言うんだから、それだけでも凄い事なんだよ。」



オークはCランク・・・

確かにこのギルドの最高ランクはC。


5体のオークを倒すにはCランクでも一人では、パーティーを組まないと難しいだろう。


これは目立つつもりもなかったのに、やってしまった。

だが、後悔するよりも、救えた事のが大切だ。諦めよう。




「そうなんですね・・・弱っていたので運が良かったです」




「そう、謙遜するな、謙遜過ぎるのも嫌味になるからな?今日は酒場でパーット飲むぞ!!!お前らの分は俺達が出してやる!」



酒場の方からも


おう、任せろ  っと声が聞こえる。



これも付き合いだろう。

仕方なく成り行きに任せることにした。



「メリカ、話は後回しだ。ご厚意に甘えようか」



「はいですー。飲むのです!」



それからは激しかった・・・・みんなワイワイはしゃぐ。

イベント事が好きなのだろう。



冒険者はお酒が強いものが多い。

これは必然なのか、飲み比べが始まった。


飲まされすぎて、初めて飲むエールの味すらわからない。

っと言う事はなく、状態異常の効かない体にはアルコールは効かないのであった。


飲みすぎてお腹がタポタポなのだが・・・



「お前・・・強すぎる・・・・」



「俺の負けだ」



「次こそ・・・勝つ」



十華以外全員つぶれている。


勿論メリカもだ。

メリカは結構最初の方で気持ち悪いですーとか言って、ずっと寝ていたのだが。



「さてと、そろそろ帰るかな」



気づいたら既に夜になっていた。



メリカをどうするか・・・



「おい、メリカ行くよー?」


優しく揺さぶるが。


「うぅ・・・揺らさないでなのです・・・気持ち悪いのです」


こりゃダメだ。

とりあえず宿に寝かすか・・・



十華はメリカを抱き上げ、お姫様抱っこをしたまま、宿へ向かう。

次の日には、英雄がお姫様抱っこして宿にお持ち帰りしたという、根も葉も無い噂が

ギルド内に広まるのだが・・・・


そんな事知る由もなかった。




◆◇◆◇


宿、エーゲの泉に到着した。



「あ、ルミアさん帰りました」



「おかえりなさいませ、トーカさん、そしてなぜ、メリカさんを抱いているのでしょうか?お持ち帰りというやつです・・・か?」



悲しそうな声で上目ずかいをしながら、そんな言葉をなげられる。



「いや・・・色々事情があって。。。それよりメリカの事を知っているんですか?」



「メリカさんはここに宿泊してたことがあるんです。それより私はルミアさんで、なんでメリカさんには呼び捨てなんですか!!私もルミアと呼んでください」



「そうなんですね、では、ルミアさん、とりあえず、メリカに部屋を一つお願いできますか?」



「だーかーらル・ミ・アです」


言わないとダメなのか・・・メリカは年下っぽく見えたし、気にしなかったけど、

ルミアさんは大人っぽく、綺麗なので呼び捨てにするのはとても勇気がいる。



「ルミア・・・さん」


悲しそうな目で見てくる・・・・



「わかったよ。ルミア」


笑顔になった。これはドキッとしてしまう。



「はい、これからもそれでお願いしますね」



「努力します」



「えっと部屋なんですが・・・今日は珍しく空いてないんですよ」



「あーそうなんですか」


どうしたものか・・・

いっその事部屋に連れて行くか・・・?

メリカを寝かせて俺は床で今日くらい寝てもいい。



「どうしましょう、今からの時間だと空いている所も少ないでしょうし」



「では、仕方ないので自分が、床で寝ればいいので部屋に運ぶ事にしますね」



「えっ それはダメですよ・・・。男女が二人で(ゴニョゴニョゴニョ)」



なんか勘違いしている。



「寝るだけですから、大丈夫です」



「本当ですか?あんな事や、こんな事。しないです?」


顔を真っ赤にしていう。

恥ずかしいなら言わなくていいのに・・・



「ないですから。メリカとは今日初めて会いましたし」



「あっ そうなんですね。私ったら・・・ごめんなさい」



「では、このまま抱いている訳にもいかないので失礼しますね。おやすみなさい」


変な疑いをかけられないうちに、部屋に駆け込む。



メリカをベットに寝かせて、床で一眠りしようかとしたその時。



「うおっ」


思わず変な声が出た。


メリカが腕に絡みついたまま離れずベットにそのまま寝転ぶ形になってしまった。

手をどけようとするが・・・・全然離れてくれない。


しまいには足まで絡みついてくる。



「どうするかな・・・」



しばらく考えていると。



「お母さん・・・」



泣いているのだろうか。悲しそうな顔で寝言をいう、メリカ。



「はぁ、仕方ないか。このまま寝よう」


だが、可愛い子と密着状態・・・眠れる訳もなく、時間がすぎる。


十華は意識を逸らそうと、これからの事を考える。



今日オークを狩りして見てわかったが、やっぱりステータスがチート過ぎるので

相手にならない。


地球からのお取り寄せスキルも完全にしなくてはいけないし、まだまだ他の町も見て見たい。

来てそんなに立たないが・・・


宿の宿泊で払ってある。7日間が終わったら次の町へ向かおう。

それまでに準備や、メリカの事もあるし、考えていけばいいだろう。



そんな事を考えてる間に、十華は眠りについた。



「マスターは本当に女たらしです」ボソっ


寝ている十華に向かい、そう嘆くネルであった。





◆◇◆◇


朝になった。

温かい日差しが部屋の中を包みこむ。



んぅー 目をこするメリカ。


「頭痛い・・・な・・・」


何かを抱きしめて寝ている事に気づいた。

昨日の事を何も覚えていない・・・



って・・・王子様!!!!???

私・・・結ばれてしまったの。覚えてないのが残念だけど。


急に恥ずかしくなり、十華を突き飛ばすメリカ。



「うっ ・・・何が起きた」


急に体に起きた衝撃にびっくりして起きる。

勿論痛くはないのだが・・・無意識かの時の衝撃とかには脳が勝手に反応するのだ。



なぜ危険察知が反応しない!!俺じゃなかったら結構痛かったと思う。



「何がじゃないのですよー、あんなに結婚はまだ・・・とかいってたのに、私を連れて帰ってベッドで(ゴニョゴニョ)」



「何もないからね?メリカが酔っ払って動けないから連れて来たら、腕を離してくれないから仕方なくそのまま寝たんだからね?」



「なんだ、そうなの。私も服を着ているからおかしいなと思ってたのです」


はあー、毎回このやり取りをしないと気が済まないのだろうか。



カーンカーンカーン


朝の6時の鐘だ。


「とりあえず、ご飯でも食べるか」


十華は自分とメリカにクリーンの魔法をかける



「なんなのです!なんかすごーくスッキリしたのです」



「クリーンっていって、汚れを取る魔法だよ」



「トーカさんは魔法使いなのです?」



「まあ、そんな感じかな。ほら行くよ」




1Fに着くと今朝はいなかったのだが、ルミアがいた。



「「おはようございます」」


挨拶をする。



「おはようございます、トーカさん、メリカさん、お食事ですね。お好きな席にお願いします」


言われた通りに席に着く。



「とりあえず、朝ご飯を食べたら、部屋に戻って、これからの相談をしよう」



「はい、わかったのです。お部屋に戻ったら襲われちゃうのです」


ちょうど、朝ごはんが到着した。

タイミングが悪い。



「襲われるとか聞いたんですが、トーカさん!!!どういう事ですか?!!!!?」


これはとても良くない誤解をされている。

いや、しかし、、、ルミアは別に恋人でもなく、ただの止まっている宿の従業員である。

なんでこんなにも必死に言い訳を考えてるのだろう。十華は思った。

とりあえず、弁解しておくか。



「いえいえ、メリカが勝手に妄想してるだけですって」



「そうなんですか?!メリカさん」



「妄想ってひどいの。昨日一緒に寝た仲なのです」



「・・・トーカさん・・メリカさんと昨日一緒に寝たんですか?」



「寝たというか・・・成り行きというか・・・でも変なことはしてないですから」



「そうですか・・・。冷めちゃいますから食べてくださいね」


そういうと、ルミアは席を後にした。

とても悲しそうな感じだった。



だが、ルミアを一緒に旅に連れて行くことはできない。

綺麗だし、話していると居心地がいい。それに、とても楽だ。

だが、どちらにしても後数日でお別れがくるのだ。

変に期待させるような言葉をかけるのは良くないだろう。



「余計な事言ったの・・ごめんなの」



「いや、それより食べよう。美味しいご飯が冷めてしまう」



「はいなのです」


二人は食べ始めた。



「トーカさん、このお肉美味しいのですー!!」


メリカが何か言ってるが、考え事をしていて頭に入ってこない。


「聞いてなの!!!もうートーーーカさん!!!」



「あ、ごめん、ちょっと考え事してた、どうした?」



「もういいのですよープンプン」



色々と考えながら食べていたからか、あまり味を覚えていない。

メリカの機嫌を損ねてしまったようだ。



ご飯中考えていた。

もし、ルミアが一緒に来たいと言ったらどうするのか。十華ですらも気づくくらいに、積極的にくるルミア、嫌でも好意に気づいてしまう。


素直に嬉しいが。

このままさよならを言ったら、傷つけてしまうのではないかと、気にしていた。




この後の事もあるので

二人は部屋へ戻った。




続きは明日12時更新です。

毎日12時に更新出来るよう頑張ってますが、短い話をぽんぽん出しても、読み応えないので、

長くしようと頑張ってるので、遅れてしまったらごめんなさい。

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